フリーミアムについて

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フリーミアム(Freemium)と言う言葉聞いて、googleのGmailなど思い浮かぶ方が多いと思われます。
このフリーミアム、ECサイトにおいても例外ではなく、近年ではフリーミアム戦略も充実化してきていますので、今回はフリーミアムについてまとめたいと思います。

フリーミアムとは(Freemium)

フリーミアムとは、フリー(Free)とプレミアム(Premium)を組み合わせた造語で、サービスを「基本無料」で提供するビジネスモデルです。

基本的なサービスを無料で享受できますが、より特別な機能や付加価値を得る場合、有料会員サービスに登録が必須なビジネスモデルを指します。

フリーミアムは2006年頃にアメリカのベンチャー投資家フレッド・ウィルソンがジャリド・ルーキンの発案をもとに提唱され、2009年にクリス・アンダーソン著「フリー<無料>からお金を生みだす新戦略」がヒットし、世間に広く認知されました。

フリーミアムの代表的なもとしてGoogleの各サービスが有名でしょう。

フリーミアムのメリット

基本無料なので多くのユーザーに体感してもらえる

新規事業を展開する上で、多くのユーザーに商品・サービスを体験してもらう必要がありますが、フリーミアムのシステムであれば基本的に無料で利用できるので、多くのユーザーは気軽に体験することができ、サービスに満足していれば有料版へ繋げられます。

認知拡大がしやすい

基本機能を無料で提供することで、はじめから有料のものと比較して、利用の敷居は低くなります。
この結果、多くのユーザーに利用してもらうことは、認知度拡大につながるでしょう。

口コミ効果が期待できる

多くのユーザーに利用してもらい、満足度が高ければ、多数のポジティブな口コミを生み出せる可能性があります。

ファンがファンを呼ぶ場合がある

ユーザーの口コミやレビューは、新しいユーザーに魅力を宣伝する広告の役割を果たす場合があります。オンラインストレージをフリーミアムで提供している「Dropbox」は、友人にサービスを紹介すると特典が貰えるという施策によって、それほど広告費をかけずに認知度を大きく拡大することに成功しています。

多くのユーザーからのフィードバックが獲得できる

ユーザーのフィードバックをもとに商品・サービスの開発・改善などに役立てることが可能です。フリーミアムならば比較的多くのユーザーのフィードバックを獲得できます。

フリーミアムのデメリット

黒字化まで長い期間を要する

無料で基本機能を提供し、後に有料会員を獲得していくのであれば、事業の初期段階から黒字化することは困難です。一般的に黒字化するまでには長い期間を要すると言われています。

収益を生み出す仕組みづくりが困難

「無料」で製品を提供することがフリーミアムの強みとはいえ、多くのユーザーが無料プランで満足してしまうケースも多く、ユーザー数は多いのに収益化できずランニングコストだけかかるケースがあるので、どこからどこまでを無料・有料にするかを適切に判断する必要があります。

サービスや商品によって向き不向きがある

フリーミアムは無料での利用者がどれだけ増えようと、一定の割合で有料の利用者がいれば、それだけで利益を出せるのです。

しかし食品など有形のものをフリーミアムを使おうとすると、ユーザーの数に比例してコストが大きくなるため無料でサービスを提供するにもコストがかかります。

ECサイトにおけるフリーミアム

ECサイト、ネットショップにおけるフリーミアム戦略について事例をご紹介したいと思います。

Yahoo!ショッピング

ヤフーショッピングは、2013年から、出店に関する固定費、月額利用料を全て無料化するというフリーミアム戦略を採用、出店に関する費用は無料ですが、出店者に「広告料」を払わせることで、収益化を行っています。

ヤフーショッピングは競争は激しいですが、出店に関する固定費が一切不要という意味では、出店する価値のあるショッピングモールといえるでしょう。

Spotify

世界最大級の音楽ストリーミングサービスを提供しているSpotifyはフリーミアムを採用しており、ユーザーを呼び込むため、基本プランを無料で提供しています。

基本プランでは、楽曲の任意再生や、オフラインでのプレイリスト作成などの一部機能を制限し、プレミアムプランとの差別化を図っています。

無料プランに魅力を感じた利用者が有料プランにアップグレードする流れが生まれ、利用者の約50%が有料プランを契約するという高収益モデルを構築しました。

Dropbox

Dropboxはオンラインストレージサービスの1つで、「新規ユーザーを紹介する代わりにストレージの容量を増やす」プロモーション戦略を打ち出し、結果低コストで爆発的にユーザー数を増やした今ではフリーミアムで成功した代表的な企業として知られています。

食べログ

飲食店の口コミサイトである「食べログ」は、国内の代表的なフリーミアム型サービスで、Webサービス自体は無料で利用できますが、ランキング検索機能などの一部機能が制限されています。

月額300円のプレミアムプランに加入すれば、より便利にWebサイトを利用できるため、有料会員数の増加につながっています。

Zoom

企業の規模(人数)や、利用目的で使える機能が少しずつ違うのが、Zoomの料金体系の特徴です。
単に無料から有料プランに誘導するのではなく、目的に合わせて選ばせるのは、フリーミアムモデルとして考え抜かれたものといえます。

まとめ

ユーザーはと「無料で使えるものは無料のままで」と思うものですが、使う頻度や使い方によっては、「無料プランにあの機能を付け加えたい」と感じられます。

無料プランでできることと、有料プランでできることのバランスを見直し、ユーザーに「お金を支払ってでもツールを使いこなしたい」と思ってもらえる工夫を凝らしてみてみましょう。

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