EC化率とは何なのか?~コロナウィルスが出店を加速~

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新型ウイルスによりECショッピングに出店される店舗様が増えています。
しかしその割合はどの程度かご存知でしょうか?

今回はEC化率についてまとめたいと思います。

EC化率とは

ECとはElectric Commerceの略称で別名「電子商取引」といい、楽天・Yahooショッピング、Amazonなど有名なショッピングモールもECを通じ商品販売を行っています。

消費者向けの電子商取引 (BtoC EC)の市場規模は19.4兆円(前年18.0兆円、前年比7.65%増)を突破しましたが、19.4兆円と言われてもどのぐらいの数字なのかピンとこない方も多いと思われますので、「EC化率」というワードが用いられます。

このEC化率とは、商取引全体の内、電子商取引が占める割合のことを指しており、経済産業省の調べでは、BtoC ECは全体の消費者向けビジネスの6.76%を記録しています。

マスメディアやSNSで浸透しているイメージのあるECは、全体の商取引の7%にも満たない程度しか利用されていません。これからますますの成長が見込まれています。

EC化率の対象市場

EC化率の調査結果は、経済産業省から毎年発表されています。
その中で、EC化率を算出する対象市場は以下のように定義されています。

BtoB EC市場

企業間または企業(個人事業者を含む)と政府間でECを利用して受発注を行った財・サービスの取引金額です。

国内から海外への販売(輸出)は含まれるも、海外から国内への販売(輸入)、国内事業者による海外生産の販売、製品が国内を経由しない取引の金額は含まれません。

BtoC EC市場

企業と消費者間でのECによる取引金額です。
消費者への販売は家計が費用を負担するものになります。

インターネットオークションやフリマサービスなど、個人間で取引を行うCtoCや、税金などの電子申告等政府がサービスを提供し、個人が対価を支払うGtoCは対象外です。

こちらも、国内から海外への販売(輸出)は含まれますが、海外から国内への販売(輸入)、国内事業者による海外生産の販売、製品が国内を経由しない取引の金額は含まれていません。

EC化される分野

EC化率は年々伸びており、どのような分野が伸びているのかは下記の通りです。

物販系分野

もっとも販売者が多く、市場規模は10兆515億円。EC化の伸び率は8.09%です。

この中でも特に、「衣類・服装雑貨等」(1兆9,100億円)、「食品、飲料、酒類」(1兆8,233億円)、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」(1兆8,239億円)が大きな割合を占めています。

EC化率については、「事務用品、文房具」(41.75%)、「書籍、映像・音楽ソフト」(34.18%)、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」(32.75%)において高い値となっています。

サービス分野

旅行や飲食、チケット販売がこれにあたり、市場規模は4兆9,014億円。

EC化の伸び率は7.82%と高くなっています。

理美容サービスのEC化の伸び率が26.06%と急激に伸びていますが、金融サービスのみ-1.90%と減少しています。

デジタル系分野

電子出版や音楽配信、オンラインゲームなどの分野で、市場規模は2兆1,422億円。
EC化の伸び率は5.11%です。
オンラインゲームの市場規模が1兆3,914億円と非常に高いですが、昨対-4.0%となっており、少しブレーキ気味になっています。

EC市場が拡大している商品カテゴリ

2020年にEC業界で起きている注目すべきトレンドですが、3月以降は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で実店舗の営業活動が制限されており、結果的に小売企業やメーカーのデジタルシフトが加速、その結果実店舗を主体としてきた企業がオンラインで接客や販売に注力するなど、新たな動きが目立ち始めています。

グルメ系の「お取り寄せ通販」や飲食店の「宅配サービス」が爆発的に拡大したり、飲食店が宅配サービスや、ネット注文による店頭受け取りを始めるケースも増えています。

2019年の「食品、飲料、酒類」のEC化率は2.89%と他の商品カテゴリに比べると低いですが、2020年はお取り寄せや宅配の拡大に伴い、EC化が加速すると予想されます。

またアパレルの販売員がオンラインでコーディネートを提案、ECサイトへ誘導する取り組みが急速に広がっています。

2020年2月以降、新型コロナウイルスの感染拡大により、対面での接客を行いにくくなったことから、多くのアパレル企業がデジタルシフトを本格化、今後も加速する見通しです。
さらにライブ配信で商品を紹介し、視聴者とチャットなどでやり取りしながら、オンラインや実店舗での商品購入につなげる「ライブコマース」が活発化しています。

ライブコマースは中国などでは広く活用されているものの、日本ではまだ浸透していませんが、近年ライブコマース専用のプラットフォームが登場し、配信画面内で商品を購入できる(ECサイトに遷移する必要がない)サービスも出てきていますのでEC事業者はライブコマースのトレンドを注視しておく必要があるでしょう。

まとめ

コロナ禍をきっかけにECショッピングは加速しており、今後もネットショッピングを利用する人は少なくなく、さらに実店舗の休業や営業時間短縮が長期化することで、消費者の購買行動そのものが変化、購入者はさらにオンライン中心へとシフトしていくこと、政府による企業のデジタルシフトを後押しするための補助金制度を設けていることでさらにEC化率は上がっていく見込みです。

これまで実店舗でのみ販売していた店舗様も、このEC化率に注目してぜひこれから自店舗のEC運営もご検討ください。

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