「クーポン」といえばECショッピングを運営している方にとっては耳慣れていると思われます。
いまやメルマガやサイト内、ECモールのイベント用のクーポンなど、様々な形でクーポンは使われており、販促に欠かせないツールとなっていることでしょう。
しかしこのクーポン施策、まだ未着手の方もおられると思います。
それはクーポン施策を行うことで本当に売上につながるのか?とおっしゃる方がほとんどでしょう。
そこで今回はクーポン施策の効果がわかるよう分析したいと思います。
今やECに欠かせないクーポン施策
クーポン施策は今やZOZOTOWNなど大手ECは積極的にクーポン施策を展開、売上を伸ばし、次々と口コミやメディアを通じて広がる傾向にあります。
このように多くのEC事業者はセール企画と同じくらい真剣に、クーポン施策を考えています。
ただ単に割引クーポンを発行するだけではなく、効果的にクーポン施策を練り上げていきましょう。
クーポン施策に対する疑問・考え
クーポン施策を行うと売上に繋がりやすいですが、なかには下記の疑問から施策に疑問を持たれている方もおられます。
・クーポン施策はどうやるのか
・利益が出るのか?赤字にならないのか
・クーポン施策で獲得したユーザはリピーターになりにくそう
すでに実施している事業者の方も、次のようなイメージを持っているかもしれません。
・クーポン施策をやめたら、売上が大きく下がりそう
・クーポンの内容をどのように設定すれば、利益が最大化するのか
・クーポンはどのような人に配れば効果が出るのか
これらの疑問や不安は、クーポン施策の効果測定ができていないことに起因しています。
これら疑問を解決するには、明確に効果測定が必要であり、測定ができれば採用可否の判断ができやすくなるのではないでしょうか。
クーポン施策の成果がわかりにくい理由
クーポン施策の成果はわかりにくい理由、それは
・クーポンがあってもなくても買う
・クーポンをキッカケに購入
これらのお客様が混在し、区別がつかないため、クーポンが利用された売上高を見ているだけでは、クーポンによって売上が増えた分は測れません。
クーポンを出さなかった場合の売上と比較する
たとえば、クーポンを利用したA店舗とそうでないB店舗の10月と11月の売上高(単位:万円)が次のようになったとします。
10月
A店舗:100万円
B店舗:100万円
11月
A店舗:180万円(うち50万がクーポン利用者)
B店舗:150万円
この場合、B店舗の売上変化率は150%で、これをA店舗に当てはめると、クーポン施策を実施していなかった場合、A店舗の売上は、100×150%=150万円となり、クーポン施策による売上増分は180-150=30万円になります。
そして、クーポンがあってもなくても買う人の売上は50-30=20万円となります。
「儲かったかは「売上増分」から利益を計算する
このように売上増分を算出することで、広告施策で使われるROASやCPAといった指標と、クーポン施策との比較ができます。
仮にクーポン施策にかかった費用が10万円でしたら、
30万円/10万円 = 300%(ROAS)
客単価を1万円とすると、獲得人数は30人、
10万円/30件=3,333 [円/件](CPA)
次に粗利率が30%とすると、30万円の売上増により、9万円の粗利が生まれましたが、クーポン施策費用が10万円かかっているため赤字だったことがわかります。
このように「クーポン施策を実施しなかった場合の売上」を推定すれば、クーポンの貢献売上を正しく計算することができます。
「クーポンがなくても買う人」が多いと赤字になる
「クーポン施策を実施しなかった場合の売上」を推定したことにより、クーポン施策の効果を分解した結果、「クーポンがなくても買う人の売上」が非常に大きかったということが分かりました。
このことから、クーポンをただ発行するだけでなくクーポン費用の見直しや、売上率の修正などよりブラッシュアップを行い、最適な施策を打てることになるでしょう。
まとめ
クーポンを出さなかった場合の売上を推定することで、おおよそのクーポン施策の貢献売上金額がわかり、クーポン施策の貢献売上を算出すると、CPAやROASといった指標で効果測定を行うことがでます。
その結果、クーポンを発行しなくても利益改善できる事がわかったと思います。
このようにクーポンの発行は発行しまくれば良いものではないという結果が算出できたと思います。
クーポンは即効性がありますが、大切なことは「長期的な視野に立って、どれだけリピーターを増やせるか」という点に尽きます。
クーポンをきっかけにして初めて来店してくれたお客様に「また来たい!」と思ってもらえるよう、商品やサービスの質を向上させることが肝心ではないでしょうか。
もし自店舗でクーポンの施策に悩んでおられる方は、サヴァリへご相談くださいませ。