これは斬新!競合に集客で勝つためのOMO戦略【episode133】

EC戦略・マネージメント編 マーケッター編

今回ゲスト、株式会社Pathee 代表取締役社長 寺田 真介氏は、
日立製作所の研究所にてスマートグリッドなどの研究開発に従事され、2012年株式会社Pathee設立して小売DXの為のテクノロジーを開発・運営をされています。

寺田氏に「OMO」について聞いてみました。

▽OMOは幅が広いですが、具体的には何をメインにされていますか?

OMOは時代としては不可逆でこれからもどんどん進んでいくと思います。
その中で我々は集客、マーケティング領域をお手伝いさせていただいている会社です。
OMOとは既存顧客に対して、いかにリアルとネット間でシームレスに買ってもらうかというイメージで集客はあまり関係ないように思うかもしれません。
今はECではオンライン上で店舗のような接客ができる時代になってきており、逆に店舗ではお客様情報のデジタル化などが進んでいます。
その中で、そもそもなぜそのお店に来たのか?ECにきたのか?という来る前の行動も購買行動と考えた場合に、そこにどうアプローチしたらよいかというのは必ず出てくる課題だと思います。

▽そこは、誰もが探りたいけれど成果が出ず中途半端になっている印象ですね?

まさにそこだけ取り残されて手つかずの状態になっています。
リアルでは今だにチラシ配りが有効であったりする中で、デジタル化する鍵は店舗の存在だと思っています。
コロナ禍もあってECにどんどん新しい店舗が参入してきている中で、ECではネットすべてが競合になり集客しようとすると大変です。
ネット広告も競争で高くなり、店舗に比べるとエンジニアや開発も含めてコストが高くなります。
逆に店舗は特定の地域において数限りのある中の競合なので、その中でまずお客さんに知ってもらって状況に応じて店のECで買ってもらう。
店舗を起点にECも集客した方が良いのではないかと考えています。
エリアにおいて大手が占めているような状況でもネットとスマホによって勝てる状態が出てきたように思います。
飲食店はわかりやすいですが、今まで店舗は立地が全てだったのが情報を見て店を選ぶ時代になると立地はあまり関係なくなります。
少し離れていても店の評判が良かったり食べたければそこに行きます。
店舗を地価の安いところに立てて浮いた分をデジタルマーケティングに使うことができれば店舗とEC両方において集客を最大限に生かせる状況になると思います。
そこで店舗を軸にどうマーケティングするかというのを考えて提供するに至りました。

▽OMOでリアルの店舗向けの集客というのは具体的にはどんな風にされるのですか?

サービス業と小売業で違うのですがサービス業では星が目安にされやすいです。
小売において買い物客が一番うれしいのは欲しいものが買えた時です。
飲食店でいう星のように、小売業で何をデジタルにすべきか考えたときに店頭で取り扱っている商品であると考えました。
そこでそれを鍵としてマーケティングをしています。店頭で何を売っているかわかるということ。
これは当たり前のように思えて実は一部の大手を除き、ほとんどできていないんです。
ECページにある商品が店舗にあるかどうかはわかっても店舗に何を置いてあるかまでは出ていないのがほとんどです。
あくまでWebページ起点なので店舗にあるもの起点ではないのです。
OMOであれば本来は並列に情報が出るべきであると考えています。
消費者がネットで情報をあらかじめ探す理由は失敗したくないからです。
小売にとって失敗とは欲しいものが買えないこと。
あらかじめ置いてあるかどうか品ぞろえや価格帯がわかれば想定通りの体験ができるので満足につながります。

▽リアルに何があるかわかるとはどういうことですか?

「今お店に在庫は何個ありますか?」ということろから始まります。
店舗に何軒も電話して聞かなくてもネットで調べられたら消費者にとってはとても良い選択肢となります。
ネットでもリアルでも買えるとなったときにリードタイムゼロの付加価値はとても大きいからです。
では、それを消費者に伝えるために、どこに出したら良いのかについて自社でアンケートをとった結果、1位はGoogleでそのあとにInstagramや公式ホームページでした。
まずはユーザーがものを買う時に一番使っているGoogleに対してローカルな情報を出していこうというのをやっています。
ECと店舗で買えるものを同時に掲載できるのは今のところGoogleだけです。
キーポイントはGoogleマップです。在庫の細かい型番なども情報として掲載すれば検索結果に出てきます。
広告枠でもないので誰でもできますがネックは運用コストと店舗の在庫が管理されていないことです。
仮にツールを用意したので在庫を全部手で入力してくださいと言っても商品数が多すぎて難しいとなります。
頻繁に新商品が入ったり季節ごとに大きく商品が変わったりする情報を、いかに店舗の手間をかけずに仕組化していくかのお手伝いをしています。

このほかにも盛りだくさん、OMOについて公開しています!
それでは、寺田氏流『ECにおけるOMOの考え方』、ぜひお楽しみください!

~第133回 ゲスト~

寺田 真介氏
株式会社Pathee
代表取締役社長

2008年情報理工学系研究科博士(情報理工)修了。電子情報通信学会学術奨励賞などを受賞。同年日立製作所の研究所に入社し、スマートグリッドなどの研究開発に従事。2012年株式会社Pathee設立し、小売DXの為のテクノロジーを開発・運営を行う。

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