普段、計画を立ててネットショップを運営されていますでしょか?
今回ゲスト、株式会社アプロ総研 代表取締役 李氏は、システムエンジニアとして顧客
管理システムを中心にシステム開発に携わり、EC運営代行を行う株式会社アプロ総研を
設立されました。2016年、2017年大阪府のベンチャー企業成長プロジェクト「booming!」に
2年連続で選出され、現在、楽天の運営代行、shopify、フューチャーショップのサポートを
得意とされています。
李氏に『ネットショップ(EC)運営』についてきいてみました!
▽ 『ECの運営において、どのような傾向がありますか?』
最初に気にするところで、いつも3つの観点で見ています。
一つ目は、販売計画があるか?
二つ目は、スケジュールるか?
三つ目は、導線があるか?
一つ目の「販売計画があるか?」でいくと無い店舗様がほとんどです。
スーパーセールなどがどうなるかわからなし、広告の枠を買ったけど、どのくらい売れるかわか
らない。といった理由で販売計画を作ってない人たちがすごく多いんです。
しかし、販売計画がないと運営の構造が作れない、スケジュールもつくれないとなってしまう
ので、1年間通してどのくらいチャレンジするんですか?とか、数字に入ってますか?って聞い
ていくとやっぱり入っていないとなり、攻めるっていうときの攻め方がわからなくなってしまう。
なんとなく頑張ってなんとなくやる、跳ねたら成功するってなってしまっているんです。
実際は販売計画通りにいかなくても良いと思います。
計画の数字通りにいくのが大事ではなくて販売計画をつくるのがすごく大事なんです。
販売計画を作ってもその通りに行かない場合がありますよね、そのときに振り返れるんです。
今回こうなると思っていたけど、実際そうじゃなかったとか、想定ではコンバージョン上がると
思ってたけど、実際はアクセスが上がった。となったり、計画がズレたときは、何でズレたかって
ことの話し合いができるんです。モールだとすると広告の力がこれだけあったねとか、前回と
広告の勢いが変わってきてるよねっとうのがかるんです。なので、計画つくらなければ、
”数字よかったねー”っで終わってしまうんです。数字だけしか見ない、結果しか見ないんで、
自分らの観点が合ってるか間違っているかが分からなくなってしまう。そういった意味で
必ず我々は、”販売計画をつくりましょう”、”ズレてもいいですよ”、”ほぼズレるんですよ”と。
毎年やっているんですが、私の会社の社員には計画の数字が前後10%以内に入った
計画がをつくれた人を表彰しているんです。広告も施策も何もしていない企業の場合は
もちろん結構ハマるんですけど、チャレンジされて売上が上がっている企業の方が、売上が
上がらない企業より計画にハマるんです。まず最初は販売計画を作りましょうというのを
大事にしているんです。
▽ 『結果を当てることが目的じゃないですからね』
計画を作って事業を改善していく。スケジュールも実は一緒でしてどの作業を強化するのか。
スケジュールつくっておかないと作業項目がズレるんですよ。”今回のイベントは4つの施策
するぞ!”と決めても、4つの中でどれが一番大事なのかとか、スケジュールが遅れてるのか
遅れてないのかというのがあります。基本的にスケジュールをつくっていくと12月カウントでほぼ
遅れるんです。遅れるってわかっているのに遅れる対策をしない。何でかっていうとスケジュール
を作らないから作業項目が見えてない。
ECの場合、怖いのが売上がハネてしまった場合に作業が急激に増えるんです。
インフルエンサーさんが急にこの商品が良いって言ってくれたので売上がめっちゃ上がったってなったら、
問い合せがめっちゃ多いとなって、その対応してると本来、今日バナーあげるはずができなくてズレが起きてくるんです。
だけど、スケジュールを作っておくと穴があきそうだからって誰かに頼めるんです。
そこをきちんとしておかないといけないけません。スケジュールというのは誰かに振るためのモノであって、スケジュールを
守るより助け合いするためにスケジュールがあると考えています。基本的にはまず一ヶ月単位でつくる。
特にセール前になると結構掘り下げて二週間単位でつくったりイベント単位のスケジュールをつくったりします。
▽ 『イベントにのっかるべきでしょうか』
のっかるべきだと思います。モールになってしまった瞬間にのっからないと上げられないんです。
独自で上げたかったら本店で頑張った方が良いので本店をがんばりましょうと言って持って行くんですけども、
モールの場合、モール独自のルールがあるので、ルールにのらずに攻めるというのは結構キツイ。
ただルールに乗っかりすぎてもダメ。タイミング、攻める、攻めないというのを決めていくことが大切です。
▽ 『得意な施策はあったりしますか?』
これ!っていうよりも、そのお店の特徴が何かをまず掘り下げていくんです。
価格で勝負することが特徴なのか、リピート率が高いのが特徴なのかによって全然違うと思うんです。
リピート率が高い場合は50%オフというのをつっこんだらいいと思います。特徴に応じて変えないといけない。
フロント商品とバック商品をつくりましょうと。
クライアントでも12月になって昨対4,000%UPありました。それは初めて50%オフに参加したからなんです。
で、その商品が楽天さんのCMにのっかった商品だったので、テレビに乗っかって。イレギュラーでしたね。
そういったパターンでも我々はスケジュールを持ってるんです。テンプレを持っているのでそれにハメなおします。
▽ 『4000%でもハメられるんですか?』
ハメられます。4000%のときも結局一緒で、12月は問題ないんですけど1月が無理だったんです。
後が対応できないんです。売上が上がった時って大変なのはその後なんです。クレームや商品が届かないなど、
売上が上がったということは、物流が100%間に合ってないんです。
そうなったら次はクレーム対応をしていかないといけない。
クレーム対応を知らない企業さんだと時間だけ費やしてしまう。なのでそれも我々はずっと運営をやって来ているので
こうしたらいいというノウハウがありハメこんでいくんです。
▽ 『3番目の”導線設計”とは何ですか?』
一般的なページ構成とは異なります。スタッフが商品のことをしっかり知ろうということです。
経営者は分かっているんですが、スタッフとか現場の人たちは結構分かっていないんです。
何でこの商品を置いているのかとか、今回何でコレを売ろうとしているのかを共有していない。
売上が大きい企業はチームの規模も大きいじゃないですか。自分たちの担当・担当とのみやってしまうと
縦割りになってします。そういったことを我々はしないというところでの”導線設計”という言い方をしています。
それを我々は月に一回定例会議を必ずして、そこで聞くとか教えてくださいというのを口酸っぱく言っていくんです。
それがあるからこそ、サイトの導線とかもここに何を置くかっていうことを決められるんです。
また、ヒューマンエラーもなくなります。導線設計がないと”考えたらわかるやろ”ってことができないんです。
そういったことを我々はなくすために”ゴール共有”という言い方するんですけど、
”今回のゴールは何ですか?”って聞いて共有してやっていきます。
そうすると直近の伸びもそうなんですけど、事業なので1年後も2年後も残しておかないといけない。
売り切って終わりの事業ではないので、打ち上げ花火でドーンと打ち上げてしまって潰れてしまうところは
今後増えると思います。これだけEC伸びてしまったので。そうさせないためにも、しっかりサポートしていこうと
思います。
このほかにも盛りだくさん、ネットショップ運営について公開しています!
ネットショップ運営中の企業様のご参考になるかと思います!
それでは、李氏流『失敗しないネットショップ運営3のポイント』、ぜひお楽しみください!
「ECの未来」episode85 ポイント
販売計画を作り、全スタッフに共有する導線設計を行う。
~第85回 ゲスト~
李重雄(リシゲオ)氏
株式会社アプロ総研
代表取締役
システムエンジニアとして顧客管理システムを中心にシステム開発に携わり、
EC運営代行を行う株式会社アプロ総研を設立。
2016年、2017年大阪府のベンチャー企業成長プロジェクト「booming!」に2年連続で選出され、
現在、楽天の運営代行、shopify、フューチャーショップのサポートを得意とする。
~ECの未来 チャンネルMC~
柳田 敏正(ヤナギダ トシマサ)氏
株式会社柳田織物
代表取締役
1971年4月生まれ。
1994年法政大学卒業後、(株)バーニーズジャパン入社、横浜店にてメンズ全般の接客に従事。
1999年退社し(株)柳田織物に入社。
2002年オリジナルのシャツを販売する自社ECサイト「ozie」を開設し、BtoCへ進出。
2011年にOSMC(オンラインショップマスターズクラブ)最優秀実践者賞受賞。
2012年第4回エビス大賞 大賞受賞。
2013年4月代表取締役に就任。
2014年、六本木一丁目にショールームをオープン。
EC4店舗を運営。