【2024年】世界のBtoC-EC市場の状況について解説!

EC戦略・マネージメント編

現在、EC市場は拡大を続けており、2026年まで引き続き市場成長を続ける見込みが高い状態です。

EC市場が急激に成長している背景のひとつとして、インターネットへのアクセスが容易なスマートフォンが普及したため、インターネット人口が急激に伸びたことが主な要因になります。

そのため先進国から途上国まで、世界中で誰でもインターネットに気軽にアクセスでき、ECサイトで買い物をすることが可能になりました。

今後も人口が伸び続けるインドやアジア新興国を中心に、さらなるEC市場の拡大が予想されます。
今回は世界のEC市場規模について詳しく解説いたします。

 

 

世界のBtoC-EC市場規模

世界のEC市場は右肩上がりに堅調に今後も推移して行きます。

先進国では、すでにインターネットは都市部を中心に普及していますが、物流や配送に課題を抱えていることがあり、各国によってECの普及率に差が生じます。

例えば、日本でもECの市場規模は伸びてはいますが、市場規模の大きい食品や医療業界のEC化が進んでいないこともあり、今後、画期的なサービスがこの分野において新たに生まれないと、日本のEC化率をあげるのは困難と思われていました。

しかし、2020年に世界中を覆ったコロナ禍の影響により、消費者のEC利用が飛躍的に伸長しました。

世界各国のEC市場規模は、中国と米国が世界の約7割のシェアを占めておりますが、中国が圧倒的な1位であり、米国も他国と比較すると市場規模は大きいものの、やはり中国との差は歴然です。

日本は市場規模において世界4位であるものの、市場規模は世界と比べるとそこまで大きくはありません。先に書いたとおり日本の中でEC化が進んでいる業界と、そうではない業界で2極化しており、日本市場に画期的な新たなサービスが生まれない限り、この状況は改善していきません。

インドのECの市場規模は、世界ランキングだと7位ですが、インド企業において「ユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)」が急増しています。
中国指導部による、中国の民間企業の締め付けにより、世界のベンチャー投資マネーの受け皿としてインド企業が注目を浴びているのが一因になっています。

 

各国のEC市場の状況

中国EC市場の状況

中国のEC市場規模は世界1位で2位の米国と圧倒的な差があり、世界のEC市場を牽引しているのは間違いなく中国と言えます。

その市場規模を支えているのは、中国のインターネット人口で、中国ではコロナ禍のためインターネット人口がさらに増え、ついに10億人を突破したと下記記事では言及されております。

このことから中国人のインターネット人口が、世界のEC市場の伸び率に大きく影響しているのかがわかります。

EC市場の中でも、大きな市場の日常消費財ですが、利益率の低さと、配達の遅れが大きくEC市場の伸びの妨げになっています。

中国EC大手の「アリババ」と「京東」は、フルフィルメントセンターのネットワークを構築し、この点の改善に取り組んでおり、日常消費財をECで購入するユーザーも増えていくことでしょう。

しかし、このように好調な中国のEC市場において、大きな出来事がありました。
それが中国当局による、アリババやテンセントなどのプラットフォーマーに対する規制強化です。

中国当局は、プラットフォーマーとは緊密な関係を築いておりましたが、アリババやテンセントなどが「出店者への価格のつり上げ」「ライバルサービスへのリンク禁止」などの独占的行為があったとして、中国当局は、市場の競争が阻害されることを懸念したために、規制強化を実施するにいたりました。

市場が巨大企業によって寡占が進むと、第二のアリババが生まれにくくなります。
そのような状況は中国当局も望まずにプラットフォーマーへの規制へと繋がりました。
今後はこのような規制を乗り越えて、どのように中国のEC市場が伸びていくのか?あるいは鈍化するのか?今後の推移に目が離せません。

 

米国のEC市場の現状

中国に続き2位の米国のEC市場は、絶えず、新しいITサービスを生み出す国で、世界中のIT関係者が、その動向に注目しております。

特に有名なECサイトはAmazonですが、実はアメリカにはそれぞれのジャンルで高いシェア率のECサイトがあり、大手小売で世界一のWalmartやTargetなどのチェーン店もECを展開しています。

またCtoCでは、eBayが最も人気があります。

近年は、米国ではモバイルでのECショッピングが伸びており、その伸び率を支えているのがGoogle PayやApple Payといったモバイル決済で、モバイル決済は音楽や書籍などのデジタルコンテンツの決済方法として使われていましたが、ECサイトでの導入も進んでいます。

モバイル決済の普及がEC化率の伸び率に影響を与えていくでしょう。

米国では、AmazonやGoogle、Apple、Facebookといった超大手インターネット企業だけでなく、Uberなどのユニコーン企業も次々と誕生しており、世界のインターネット産業の中心地であり、誰もが想像のしないサービスが生まれれば、一気にEC化率が伸びるポテンシャルを秘めています。

Amazon以外にも、WalmartやTargetなどのスーパーのECサイトが売上上位に入っており、日用品や食料品などの需要も相当高まっているのです。

どの国においてもそうですが、ECの普及を広めるにはこのような日用品や食料品においてのECの普及が必要であり、コロナ禍においてECの普及が進んだと言えるのではないでしょうか?

 

イギリスのEC市場の現状

イギリスのEC市場規模は人口(6,750万人:2022年時点)の割には大きく、人口が1億2,500万人である日本を抜いて世界で3位に位置しております。その理由は、ECサイトの高い利用率です。

51%のイギリス人ユーザーが店舗より、オンラインでの買い物を好むというデータがあります。その中でも25歳〜34歳のグループが最も活発にオンラインで買い物をしており、平均で月8回の買い物をしているアンケート結果があります。

この結果からもわかる通り、ECの利用率が高いために人口がイギリスの約2倍の日本よりも、ECの市場規模が大きいことがうかがえます。

イギリスで人気のある大手ECサイトはAmazon(16%)、TESCO(9%)、ebay(8%)です。

また英語であることから、他国からの越境ECでの購入や、イギリス人による他国サイトでの購入も盛んです。

決済方法はクレジットカード決済が40%、デビットカードが35%、ペイパルが21%と、アメリカと似ており、クレジットカードやデビットカードでの決済が支持されております。

イギリスのEC化率の課題は、物流業者の配送の品質が高くないことですが、Amazonなどのネット事業者が物流体制の整備に乗り出しており、こういった課題は中国と同様にEC事業者によって整備されていくことでしょう。

イギリスにおいては、コロナ騒動をきっかけに2019年度の2020年度のEC市場規模を比較すると34%も伸びています。

ECの市場規模が近い日本は14%しか伸びておらず、このような急激な伸びはオンラインに馴染みのない65歳以上のユーザーの利用がコロナ禍によって進んだことが一因ではないでしょうか?

多くのユーザーにオンラインの利用が広がると、ECの市場規模が増えていきます。イギリスは今後も高いEC市場規模の成長が見込まれるでしょう。

 

日本のEC市場の現状

日本のEC市場の特徴は、EC市場規模の伸び率の低さにあります。

EC市場規模が伸びない原因はいくつかありますが、以下のような点が問題だと思います。

  • 日本の企業風土が古く、オンライン化に対応できていない企業が多い
  • 食品業界など市場規模の大きい分野でEC化率が進んでいない
  • シニア層は特に現金決済が主流であり、クレジットカードを使うことに抵抗がある

ただ、2020年からのコロナ禍の影響により、巣ごもり需要が高まりECの利用率は急激に高まり、EC化率は2019年度の6.76%から2020年度は8.08%、さらに2022年度は9.13%まで高まりました。これはかつてないほどの伸び率となりました。

また、日本国内においても65歳以上のオンライン利用は進んでおります。
高齢者層のオンライン利用の普及は、EC化率を伸ばすための大きな要因となり、今後はイギリスのように伸びていくでしょう。

 

ドイツのEC市場の現状

ドイツはヨーロッパ最大の経済大国で、人口もロシアに次いで多く約8,400万人で、その9割がインターネットユーザーに該当します。ドイツのEC企業は、Amazon、Otto、Zalandoの3社が市場で高いシェアがあります。

ドイツで支持されているECサイトの決済方法には、特色があります。

  • オンライン請求書による決済が40%
  • 後払い決済が29%
  • クレジットカード決済が10%

ドイツでのECの決済方式のメインはオンライン請求書による決済と後払いです。
これらは日本でのコンビニ決済のようなもので、請求書が手元に届いたら振り込むという決済方法です。ドイツは街の買い物でも、現金決済が中心でキャッシュレス化が進んでおらず、他の先進諸国と比べても保守的です。

こういった要素は、EC市場の伸び率にも大きな影響があり、ドイツは日本に次いでEC市場規模の伸び率が2番目に低く、このままだと近い将来、日本と共に他国に追い抜かれる状況に陥るかもしれません。

ただコロナ渦においては、ドイツも特に食料品においてECの利用が進みました。
フードデリバリーの利用が高まり、ネットスーパーとフードデリバリーが融合する動きが加速しております。

ネットスーパーの課題は物流にありますが、実店舗と連携することで、ネットスーパーの普及が加速していくでしょう。

 

コロナ禍が世界のEC化率を高めるキッカケ

2023年現在、コロナ禍はほぼ収束しつつあると言えます。しかし、一度オンラインの利便性を知った多くのユーザーは、ECの利用を続けていくのは間違いなく、コロナ禍がECの利用を一気に高めるキッカケとなったのは間違いない事実です。
にも関わらず、日本のEC市場規模の伸び率は他国と比べると低い傾向にあります。

日本は2022年においても未だEC化率は10%を切っており、ECの利用がそれほど進んでおりません。

特に少子高齢化社会に突入している日本においては、社会の生産性、利便性を高めていく必要があり、ECの普及は絶対に必要になります。

 

まとめ

2022年10月11日以降適用された新型コロナウイルスの新しい水際対策により入国制限が緩和され、以降、インバウンド需要が回復してきています。

しかし、コロナ禍が国内外において完全に終焉を迎えているわけでなく、この先いつまた入国規制なりの人流制限が課されるかはわかりません。過去の訪日外国人が日本で買い物をするのが難しい状況を学び、今後は積極的に外国人向けの越境ECを構築して海外に販路を見出すべきです。

これから海外への販路拡大を目指している方は、ぜひサヴァリへご相談ください。

 

この記事を書いた人

大山悠帆

ECマーケティング事業部マネージャー コンサルタント/コンテンツ編集担当/通販エキスパート資格

元システムエンジニア。BtoBからBtoC案件、動画制作スタッフとしてクライアントの売上改善や業務改善をサポート。
社内では営業改善、マーケティングを担当。多くのスキルと幅広い経験を活用してWEB業界に従事。
様々なジャンルにチャレンジしています。

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