アパレルECの売上を上げる試着運用【EC・ネットショップ】【episode223】

EC戦略・マネージメント編 PR・ブランディング編 自社EC編

ECの未来

今回ゲスト、株式会社Sally127 鳥巣 彩乃 氏は、ベンチャー企業での事業立ち上げを経てリクルートにご入社。その後、Sally127創業され、2023年4月開発不要のクラウド型バーチャル試着サービスをローンチされています。

鳥巣氏に『バーチャル試着』についてお伺いしました!

▽サイズ問題が解消されても購入してもらえる訳ではないというのは、どういうことなのか。

私は洋服のネット通販における1番の論点はサイズではないと、割と強く言い切っています。
大学生時代に百貨店で洋服の販売員をしていましたが、試着室にお客様が入って「サイズがピッタリでやった。」みたいに言うお客様は1人もいなくて、試着室に入ってお客様が思っていることは「この洋服を着た自分が可愛くて最高。」という高揚感だと思います。
この高揚感が作れると、洋服がとてもよく売れていくということを、リアル店舗の販売員としてすごく実感していました。
私が最初に弊社のサービスを作ろうと思った時にも、自分が夜中にECサイトの洋服を見ていて、とても可愛い洋服がインスタで出てきても、買ったことのないブランドだから合うか分からないし、着たらどんな感じか分からなくて、ちょっと今ここで10秒でもパッと合わせられたら、このままコンバージョンするのにな、とよく思っていて、だけど、それが叶わないとなると、リアル店舗で試着をして、と考えると一気にハードルが上がってしまうと自分自身でも思っていて、今この高揚感の、この瞬間にコンバージョン出来ればいいな、ということを叶えたいと思いました。
サイズが合わなくて良いということではなくて、サイズが合うかどうか以上に、可愛いと思えるかどうかが大事だと思います。
例えばスキニージーンズのように、本当に1cmでもサイズがズレたら入らないようなものはネットではなく、それは店舗で買うはずです。
だから、ネットで買う洋服というのは一定数あって、その中で、今、多くのものは諦められてしまっていて、多くの可愛いを作る体験とか、可愛いを作る洋服たちが、ECサイトの中で意外とお客様と合わせて、可愛いを作る機会を持てていないのではないかなという風に思います。

▽貴社はどのようなバーチャル試着サービスなのか。

AR型の試着で、自分の体形や身長を入力していただいて、スマホの自撮りを机の上などに置いて、その前に立っていただくと、その場でリアルタイムにお目当ての洋服がAR(3D)で表示されて、360度見えたりします。
そこで私がすごくこだわっていることがあって、自分の目でリアルタイムに自分の姿を見るということを、すごく大事にしています。
例えば静止画や3Dなどで、その洋服を着ている感じを客観的に見せられても、女性はテンションが上がらないような気がしますし、自己認知と他人から見た自分の姿は少し違って見えると思います。
40代のユーザーさんで、店舗だったら恥ずかしくて絶対に買わなかったような花柄の派手目なワンピースを、夜中に弊社のサービスでこっそりバーチャル試着して買いました、というお客様がいらっしゃいました。
今はやっぱりリアル店舗で私たちが体験してきた楽しさとか高揚感みたいなものが、失われていたり、少し足りないのかなと思うところがあります。
ネットにはすごくたくさんの商品が出ていますが、その中でも少ししか選ばれていないという現状があるので、高揚感のあるバーチャル試着が出来て、その選ばれていない商品も選べるような体験が出来れば、ネットショッピングが楽しい体験に変わっていくと思います。

▽貴社で自信を持っている部分はなにか。

使い勝手の部分で企業様側から、使いやすい、簡単、楽だと言っていただけるのも自信になっていますが、圧倒的にお客様から、弊社サービスを使って購買体験をしたら、すごい楽しかった、可愛く見えて嬉しかったとか、そういうコメントをたくさんいただくことが、弊社が自信を持っている部分になります。
お客様のコメントがまさに、私が作りたかった世界観で、洋服の持つ力はそこだと思っています。
楽しかった、可愛かった、元気になった、それがスマホの中で出来るということが、すごく可能性があるなという風に思います。
私が前職の会社員だった時に、企業側と消費者側の両方をお客様とするサービスの会社にいたのですが、BtoBtoCの考え方なので、やはりCから逆算するとお客様のニーズがしっかり見えてくるのかなという風に思っていて、それをいかに弊社が翻訳して、技術やシステムに落としていき、企業様側に喜んでいただくか、ということなのかなという風に考えています。

▽今後してみたいことはなにか。

2つありますが、1つは全ての洋服がネットで試着ができるようにしたいと思っています。
ECサイトで物を買う時に、商品のアイテム写真が必ずあるのと同じように、全てが試着ができるような世界を作りたいと思っていて、今そのための色々な体制構築とかも一生懸命頑張っています。
もう1つが、弊社は特許を持っていたりとか、やはり高い技術力にすごく自信のある会社なのですが、今までメイドインジャパンの技術で、こういうものは無かったと思います。
ビッグサイトの展示会とかでシステムの紹介をすると、来ていただいた方に「どこの国の技術代理販売しているのですか?」と聞かれますが「いや、全部、弊社が作っています。」と、大きな夢ですが、やはり日本発のこの技術をしっかりと世界でも使っていただけるように育てていきたいなと、思っています。

この他にも盛りだくさん、バーチャル試着について公開しています!
バーチャル試着をご検討中の企業様のご参考になるかと思います!
それでは鳥巣氏流『アパレルECでのバーチャル試着』についてぜひお楽しみください!

~第223回 ゲスト~

鳥巣 彩乃 氏
株式会社Sally127
代表取締役

日本女子大学日本文学科卒業。アパレルで長期インターンを経て、広告業界へ。ベンチャー企業での事業立ち上げを経て、(株)リクルートに入社。事業計画の策定やKPI設計に携わったのち、新規事業のインターネットサービスを立ち上げ責任者を務める。2017年Sally127創業、2023年4月開発不要のクラウド型バーチャル試着サービスをローンチ。

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