新規ビジネスで大切な”問題解決”の考え方について「株式会社スパークルボックス」に独占インタビュー!【ECの未来 EP76】

EC戦略・マネージメント編 マーケッター編



 
amazonといえばテックの会社とのイメージをお持ちではないでしょうか?

今回ゲスト、株式会社スパークルボックス 太田氏は、2002年アマゾン入社。
新規ビジネス立案、数々のビジネスを立ち上げ、2015年日本初の定額制
ジュエリーレンタルサービス「スパークルボックス」設立。2020年「aLLHANz」設立。
著書「アマゾンで私が学んだ新規ビジネスの作り方(宝島社)」を出版されて
います。

太田氏に『新規ビジネスのつくり方(後編)』についてきいてみました!

▽ 『新規ビジネスについてどう考えるのでしょうか』
amazonでの新規ビジネスを立ち上げるということは、お客様により多くの商品を提供できる
ということになります。amazonのことも良く分かっていますしお客様のことも分かっています。
でも、私がそのままビジネスをまわして良いのか?というとそんなことはないと思います。
なぜならたとえば、おもちゃ業界にはあまり詳しくありません。
であれば、きちんとチームを作らないといけないんです。そのときに大事になってくるのは、
やはり業界のことに非常に詳しい人のアサインです。
また、お取引先とEC担当とでは話すときに言葉が通じないことがあります。
たとえば、お取引先に”ぺージビューが”と言っても、”。。。” になってしまうことがあります。
ECでの用語を店舗用に例えて話すと、
”セッション”だと、お客様がどれくらいお店に入っているか?
”ページビュー”だと、どれくらいその商品を手に取ったか?などです。
そういうのを変換して交渉することも大切です。
もう一つ大事なことは、いかに自動化して簡単に物事が回る仕組み化することによって、
新規ビジネスに使える時間を増やしていくことです。
amazonでは”自動化・仕組化”というのが、非常に重要視されています。その方が間違えが
少ないです。なので、お客様とかお取引先様とかにご迷惑をかけることが少なくなっていきます。
それと同時に自分の時間が空くので新しいことが考えられるようになります。
もし、自動化・仕組み化していかないと前にもやった同じことを時間をかけてやらないといけな
くります。そうなると時間がなくなって、新しい次の価値あることが生み出せなくなってしまいます。
なので意識してやっています。

▽ 『新規ビジネスでは人が重要ということですね』
悩んでる会社様で多いのは、今動いている大きいビジネスから優秀な人を抜けさせられない。
しかし先ほどの自動化で、抜けても回せるようにしておけば、その人を移動させることができます。
逆に優秀な人を移動させると、その会社がどれだけ次の新しいビジネスに力を入れているかと
いうのが、社内、社外に対してのメッセージになります。
社外にメッセージを伝えたい場合は、その業界で割と名の知れた人とか、その業界に詳しい人
というのを採用することで「この会社がこのビジネスをやるのは本気なんだ」というメッセージになるんです。

▽ 『新規ビジネスの進み方はどの会社も泥くさいですよね』
amazonって人が見えづらい会社という風に思われがちなのですが、一緒に働いてみると
非常に泥くさいです。その会社のリーダーたち、amazonは全社員がリーダーですけれども、
自分の事だけではなく、amazonのビジョン、”世界で一番大きなセレクションを持つ”会社に
なる”という、ビジョンを達成するためには自分のところから優秀な人でも出します。
もちろん痛いですが、それがないと会社としてのミッションが達成できないということがあります。
そこを徹底して皆が理解しているというのはamazonのすごいところだと思います。

▽ 『amazonはテクノロジーありきの会社ではないということですね』
今の会社で、ネットビジネスやりたいとか、AIを使いたいとか、こういうシステムを
つくりたいとか相談されますが、それって何故ですか?ということが多いです。
いったいAIを使って何がしたいの?と。amazonってテックの会社だと思われがちなのですが、
私はテックの会社ではなくイノベーションの会社だと思っています。
それで”イノベーション”って何かというと、問題解決なんです。テックではないんです。
問題解決で、一番大事なことはお客様の問題を解決することです。
そして、お客様がまだ気づいていない問題を解決することです。
たとえば、歯磨き粉がなくなったが買い物に行くのが面倒くさいので、amazonで買っちゃえとなり、
翌日には歯磨き粉が届いている。10年くらい前だとそういう生活ってなかったですよね。
問題解決って聞くと難しいかもしれないけれど、ようするに”こういう世界があったら便利だよね”
のようなところだと思います。
では、それをやるためにどうするか?それを実現するためにどうするか?というのを考えていく
のが大事になります。IOTがあるからダッシュボタンを作ろうという発想ではなく、問題を解決
するためにダッシュボタンがあるという考えです。

▽ 『amazonを退社されたのはどうしてでしょうか?』
amazonはすごく良い会社です。全く不満はないですし、すごくエキサイティングでした。
皆さんの生活が便利になっていくのが本当に実感できてそれはすごく良かった。
でも、さきほど言ったようにamazonのミッションって言うのは、スピード、低価格、低価格、
きちんとしたバリューを伝える。なので利便性って言ったときに、そこからファッションだと抜け落
ちてしまう部分が結構あります。楽しさとかワクワクなど、amazonだからこそ逆に難しいです。
amazonはamazonのビジョンとミッションを実行するためにあるのだから難しい。
だったら自分で、そのワクワクとかドキドキとか発見の楽しさ、そういったものを感じられるものが
なんとかできないかというところで色々考えたときに個人的にジュエリーが大好きなところで、
ワンプライスで分かりやすく、好きなだけ使えるというサービスあったらすごい楽しいだろうなと
思ってスパークルボックスを立ち上げました。
新規ビジネスを立ち上げることは、正直そんなに大変なこではありません。軌道に乗せて
いくのが大変なんです。みんなよくゼロイチとかいいますが、ゼロイチというのはやってしまえば
誰でもできる。しかし山ほど問題あり、自分でやってみて何でこんなこともできないんだろうって
思うことがたくさんあるんですよ。とくに私はamazon出身だから、ファッションの楽しさを提供
したいって言っているのに、送っているパッケージとかamazonっぽくなってしまうんです。
茶封筒とかで送ってしまって。でもそれって全然違いますよね。
一個一個がはじめはブランドにならないんです。バラバラなんです。それを一個一個きれいに
自分の想い、ビジョンというか、こういうものを提供したいっていうのに合わせていけるようになる
までが結構大変でした。

このほかにも盛りだくさん、amazonについて公開しています!

新規ビジネスご検討中の企業様のご参考になるかと思います!

それでは、太田氏流『amazon流、新規ビジネスのつくり方(後編)』、ぜひお楽しみください!

「ECの未来」episode76 ポイント
ビジョンを実現するためにどうするかを考える

~第76回 ゲスト~
太田 理加氏(オオタ リカ)氏
株式会社スパークルボックス
代表取締役

20年以上に渡り外資系IT,メディカル、エンタメ・アパレルブランドにおいてSCM・ロジスティクス部門の責任者を務め、
2003年からはアマゾン、楽天、ウォルトディズニー・ローソンなどで物流センター運営や配送オペレーションのマネージメントに従事。
またアマゾンのお急ぎ便など新規サービス中心メンバーと導入してきた。
2011年頃から米系アパレルメーカーで中国国内の物流責任者となりその後中国を中心に越境ビジネスにも従事。
2017年にwithRiver(株)を設立。ECビジネス・物流、越境ビジネスのコンサルティング事業を開始

~ECの未来 チャンネルMC~

柳田 敏正(ヤナギダ トシマサ)氏
株式会社柳田織物
代表取締役

1971年4月生まれ。
1994年法政大学卒業後、(株)バーニーズジャパン入社、横浜店にてメンズ全般の接客に従事。
1999年退社し(株)柳田織物に入社。
2002年オリジナルのシャツを販売する自社ECサイト「ozie」を開設し、BtoCへ進出。
2011年にOSMC(オンラインショップマスターズクラブ)最優秀実践者賞受賞。
2012年第4回エビス大賞 大賞受賞。
2013年4月代表取締役に就任。
2014年、六本木一丁目にショールームをオープン。
EC4店舗を運営。

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