DtoCは売上よりも利益を見よ!売上最小化、利益最大化の考え方を「株式会社北の達人コーポレーション」に独占インタビュー!【ECの未来 EP92】

EC戦略・マネージメント編 店長編

あなたの商品は売り切りでしょうか?それとも長くお付き合いいただくモデルでしょうか?

今回ゲスト、株式会社北の達人コーポレーション代表取締役社長の木下氏は、
北海道特産品のインターネット販売から開始し、化粧品、健康食品ブランド
「北の快適工房」を立ち上げ、大ヒット。2015年に東証一部上場し、2017年
日本の全上場企業中株価上昇率No1になられていらっしゃいます。

木下氏に『売上最小化、利益最大化の法則』についてきいてみました!

▽ 『どうして、効率の良い絞った広告運用ができているのですか?』
できているというか、お金が無かったのでせざる得えなかったんです。
今はそこそこあるんですが、私が8000円、嫁さんが2000円を出して
資本金1万円で起業しています。根本的に全くお金がないところで
やっているので、1万円投資したら1万2千円返って来ないとやって
いけないわけです。本当にずっとそこからやっているんです。
そうしたら、最初は会計も分からない。例えば売上が上がったって
なってるけど、入金まだだし支払い出るしとかってなりますよね。
経理ってどうしないといけないんだろう?、それを売上げ立てて、
売掛、買掛ってなったときに目先の現金もないしってところで、
結構お金の動きを見ていかないといけない。そんな状態で売上が
上がったって嬉しいとかっていう世界じゃないんですよね。
それがそのままずっと来ている感じで、広告を出すとなったときに、
10万円出したら13万円、とか12万円の売上が上がらないともう
止めるしかない。続けていたら食えないので、それをずっと
やってたんだけども、ある時に気づいたのが、LTVの見方が
できると、一人のお客さんに何回も買ってもらえるなと。
ということは仮に3千円の商品売っていても、もしかしたら
CPOが5千円でも、あとで採算合うかもしれないし合わない
かもしれない。で、これはさすがに計算をちゃんとしないと
怖いと思い、そこの計算とかを自分でずっと考えて、これで
この計算式でいくと平均いくらぐらい出ているから、上限CPOを
ここまで出しても多分いけるだろう、で、それでもやっぱり怖い
ので、その時の手持ち資金とかでLTV分が4か月で回収できる範囲の
投資で行こう!みたいな。4か月経ったときに実際その通りになら
なかったら、赤字になるんだけれどもこれくらいは耐えられる
だろうから4か月のLTVを出して、ここで採算がトントンになる
上限CPOを設定してやり始めました。1番最初に買った商品が
これだった人ってLTVが高いとかが結構ある。初めて購入した
商品がトウモロコシだった人のLTVがすごく高かったのは、
良いトウモロコシだったと思うんです。そのトウモロコシから
入った人はLTVが高いとかトウモロコシを買う人を獲得するのに
上限CPOをいくらまでかけてもいいとか、多めに突っ込んでも
いいやとか、そんなに広告使ってなかったので、今のビジネス
モデルになってからが結構大きいけど、4か月間は広告費で
赤字になっているけど、それ以降は全部利益になっています。
このサイクルで全部回してて、これって資金的に余裕が
できたら、もうちょっと5か月・6か月で採算を合うカタチに
しても行けるなって思ってて、色々シミュレーションしてみて、
そしたら4か月で採算が合う上限CPOで獲得できる人数だと。
例えばそれが8千円だとした場合、8千円だったら500人くらい
獲得できる。1万円にしたら、どれくらいかというと110人くらい
しか獲得できないと。120人くらいになってたらその分利益出るん
だけど、110人くらいしか取れないということは多分全体で見ると、
上限CPOを上げちゃうと全体利益が下がる。要は資金がどれだけ
あったとしても回収期間を長くすると利益が最大化にならない
というのがわかってきました。うちの場合は大体4か月で採算合う
ところに置いておくのが一番利益最大化できるのが分かって、
ずっとそれをやっている感じです。

▽ 『ブランディングすることは重要でしょうか?』
商品を愛用してくれる人を作っていくのであって、有名になりたい
わけではない。お客さんはブランドにお金を払うのではなく
商品にお金を払ってくれるから商品1個1個を突き詰めて
やろうとすると1つのブランドに絞るのはしんどいんです。
この商品はこんだけ尖っているというのを1個1個やってると
これを一緒のくくりでみるのはちょっと無理で、この商品を
本当に突き詰めていくカタチでいくと尖るので、同じブランドで
置くって難しい。一応、置いてはいるんだけども、ここで
ブランド力ってやっぱり出せないんです。化粧品の中でも
私たちは尖ったモノにするので。この商品にはこの良さが
あるってことを全力でやっていこうとすると、そこを表現
した場合、パッケージを揃えるのですらしんどい。もうこれが
最大限に輝くパッケージとかLPにしようと思うとまったく別物
になっちゃう。30数商品あって、一応一つの「北の快適工房」って
ブランドにしているけど、30数事業やってる感覚です。
ブランドイメージを作っていこうとして統一感を出したんだけど、
統一感出す=個性が死ぬ。になってしまう。なので、カッコよく
なろうとする心は捨てています。何でみんな失敗するかと言ったら、
大体、経営者は自己顕示欲のカタマリですよね。カッコよい
ブランドの商品を扱っているとか、自分の所の商品をブランドで
カッコよくしたい。そうじゃなくて、結果でカッコつけるべきだと。
ブランディングを全く否定しているわけではないんだけど、
まだ我々の規模でやることではない。ブランドというのは本来
自然発生で生まれてくるものでブランディングする時点で
自然発生になっていないということは、追いついてないことだと
思っています。エルメスにしても当時は自然発生的に生まれた
ものだと思っています。本当に良い商品があってこの商品すごい
良いよねって人たちがいて、この商品作っているメーカーの
商品だから信頼できるよねって皆が言い出して、それだったら
一応同じメーカーということが分かるようにしておきます。
というのがブランディングで、お客さんから求められて初めて
ブランディングするというのが本来の姿なんだけれども、
これ全部ブランドなんですって言ってるのは、ちょっと違う
かと思います。
単品通販でそこそこ利益が出ているところは、多分そういう考え方の
所が多いと思います。ブランドでくくろうとしたりとか、ブランドで
売るのって難しい。いわゆるDtoCと言われているところだと、儲かって
いるところと儲かっていないところがやっぱりあって、現時点で
儲かっているところは、ほぼブランドに力を入れていない。
すごく物事を難しく考えるんじゃなくて、ものごとを単純化して、
これさえやっていれば良い状態に持っていくという経営をしています。

このほかにも盛りだくさん、利益、ブランディングの考え方について公開しています!

ネットショップを運用されている企業様のご参考になるかと思います!

それでは、木下氏流『利益OSの考え方』、ぜひお楽しみください!

「ECの未来」episode92 ポイント

1つ1つの商品をとことん突き詰める、単品通販の考え。

~第92回 ゲスト~

木下 勝寿(キノシタ カツヒサ)氏
株式会社北の達人コーポレーション
代表取締役社長

2002年に「北の達人コーポレーション」を起業。
起業時は北海道特産品のインターネット販売から開始し、
その後、「びっくりするほど良いものができた時にしか商品化しない」という化粧品、
健康食品ブランド「北の快適工房」を立ち上げ、大ヒット。
2015年に東証一部上場。2017年日本の全上場企業中株価上昇率No1となる。
日本政府より「紺綬褒章」を8回受賞。
2021年よりFMノースウェーブ取締役会長兼任。
書籍『売上最小化、利益最大化の法則――利益率29%経営の秘密』
書籍購入はこちらから

~ECの未来 チャンネルMC~

柳田 敏正(ヤナギダ トシマサ)氏
株式会社柳田織物
代表取締役

1971年4月生まれ。
1994年法政大学卒業後、(株)バーニーズジャパン入社、横浜店にてメンズ全般の接客に従事。
1999年退社し(株)柳田織物に入社。
2002年オリジナルのシャツを販売する自社ECサイト「ozie」を開設し、BtoCへ進出。
2011年にOSMC(オンラインショップマスターズクラブ)最優秀実践者賞受賞。
2012年第4回エビス大賞 大賞受賞。
2013年4月代表取締役に就任。
2014年、六本木一丁目にショールームをオープン。
EC4店舗を運営。

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