SHIPS流OMOネットショップ!体験価値を最大化させるデジタルとリアルの成功ポイントとは?【episode145】

店長編

今回ゲスト、株式会社シップス 販売促進部 部長 萩原氏は、
2006年、株式会社シップスに入社、運営責任者として自社ECサイトの立上げやシステムリプレイス、コーポレートサイトとの統合などを経験し、現在もOMOサービスの実装などを推進されていらっしゃいます。

萩原さんに「OMO」について聞いてみました。

▽店舗の方がシェアが大きい御社で、ECをメインに担当されている立場からOMOについて聞かせてください。

どの部分に注力してOMOに取り組むかによって変わってくるかと思いますが、弊社は今までの店頭でネガティブだったポイント、改善したいポイントといった販売に関わる箇所から始めました。
僕はずっとECに関わってきましたが、やはり店舗の方が体験価値は高くてファンになりやすいです。
NPS調査をしても店頭で回答いただいたお客様の方が数値は高い。
それは店頭でしか出せない体験価値で共感を生んで、そこに感動したお客様の答えだと思っています。
やはり店頭は大事です。
その上で店舗の一番の弱みは箱が決まっているところ、在庫が必要なところ。
そのネガティブなポイントをいかに改善できるか、在庫OMO、販売OMOから入ったというのが弊社の特徴だと思います。

▽OMOの取り組みはいつからですか?

店舗に在庫があれば、そのまま予約、取り置きができるサービスを始めたのは2019年です。
それと同時に店頭に在庫がなくても倉庫に在庫があればお客様ご自身で希望の店舗に商品を送って受け取れるサービスもスタートしました。
その半年から一年後くらいにECに在庫があれば、店頭に在庫がなくてもお客様ご自身がその場で注文しレジで決済をした後、商品はご自宅に届けるサービスが用意できました。
それが実装できたことによって理論上ECでもリアルでも売れる環境は整えられました。
目の前のお客様に在庫面で悲しい気持ちにさせないところからまず始めました。
販売の為の仕組みを入れようと思った一番のベクトルはお客様です。
買えなかったというのが一番のネガティブ体験になってしまうので、そこを解決するために、どこかに在庫があればきちんと提供できるという仕組みをつくること。
お客様に届けられないというのは店舗スタッフの一番のネガティブ体験でもあったので共通しているところだったと思います。

▽「会員情報の一元化」が必要だったのではないかと思うのですが?

それはもっと以前から対応していました。
お客様を知るということで一番最初に取り組みました。
弊社もどこまで情報が得られているかは難しいですが、今の時点ではリアルとネットのお客様情報を管理する中での重要度は、ファーストパーティデータの活用だと思っています。
ゼロパーティデータはもちろん大切で、新しく出来ることもたくさんあるという思いはありますが、店頭でのユニファイドコマースへ対応やCRMを回していくという部分を考えても、まずはファーストパーティデータでできることはあり、まだまだ活用できてないという認識があります。
昨年ファーストパーティデータを取るために、お客様が何に対して興味があるかというデータをしっかり取れるような仕組みを実装して、今後はそういうデータを使って、お客様に対してショップをより好きになってもらって届けた商品に感動、共感してもらうことができるようなアプローチを強めていきたいと思っています。

▽店舗スタッフのモチベーションをどう上げるかも今後のリアルとネットをつなぐうえで大切では?

デジタルでの貢献度を評価するという部分はわかりやすくて弊社でもしていますが、それぞれの取り組みの本質も大切です。
店舗スタッフへの憧れのような感じでこの人から買いたい、この人に接客して見繕ってもらいたいなど、店舗で感動や共感してもらったり、喜んで帰っていただく状況をいかに作れるかがスタッフのスキルというか評価すべき部分であると思うので、いろいろな視点で評価されるというのがいい形だとは思います。
その販売力という部分を、いかにデジタルを使って補填できるか、いかにデジタルにフィードバックできるかというところは僕の管轄であり、どうやってそこを会社の力に変えるかという部分は悩ましくもあり、楽しみでもあり、考えなくてはいけないところです。

▽スタッフのスキルの共有化も必要ではないかと思いますが、どうお考えですか?

あくまで僕の考え方ですが、時代がどんどん変わって、販売スタッフのあり方や求められるスキルも変わっているなかで、人材の確保という部分が簡単ではない時代に入っています。
スキルや個性を持っている人は、そのまま力を最大限に発揮するような仕事の仕方をしてほしいのですが、そういった方に後輩育成のためにアナログに伝授してもらうというよりはデジタルやITの力を使って入社して間もないスタッフも、ある程度ここまでは接客できるという、ボトムアップの部分でデジタルを積極的に活用していくのが必要なのではいかなと思っています。

このほかにも盛りだくさん、OMOについて公開しています!
OMOをご検討中の企業様のご参考になるかと思います!
それでは、萩原流『OMO』、ぜひお楽しみください!

~第145回 ゲスト~

萩原 千春(はぎわら ちはる)氏
株式会社シップス
販売促進部 部長

2006年、株式会社シップス入社。
各ECモールの創世記より出店や運用、商品企画などに携わる。
一方、運営責任者として自社ECサイトの立上げやシステムリプレイス、コーポレートサイトとの統合などを経験し、現在もOMOサービスの実装などを推進中。

また、2019年度には自社ECに各種Webサイト、アプリ、メール、MA、SNS、コンテンツ・クリエイティブ、デジタルプロモーションなどを束ねたデジタルマーケティング部門の責任者として就任し、2022年度からはCRM、各種PRや広報などのプレス業務、店頭含む販促企画や制作・管理などを加え、リアル・デジタルを統合した販売促進領域の部長として従事している。

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