ネットショップ多店舗展開とオムニチャネル【episode81】

店長編 物流・オムニチャネル編

ネットショップの多店舗展開をするなら、

モールから自社?自社からモール?どっちが良いの?

今回ゲスト、上野アメ横小島屋三代目店主の小島靖久氏は、
ソニー・コンピュータ・エンタテインメントにて、営業・営業戦略・マーケティング
の部署を経験。その後、実家の小島屋へ戻り、2004年にECを立ち上げ、
ナッツ・ドライフルーツのマーケットを大手モール内に確立。価格競争から脱却・
自社PB商品開発・自社サイトを中心とした小口BTOB通販などにご注力さ
れています。

小島氏に『多店舗展開とオムニチャネル』についてきいてみました!

▽ 『ネットショップで賞をとられたのですか』
ネットショップグランプリの中のネットショップフォーラム賞をモールではなく自社サイ
トでいただきました。今はモールのテクニック的なものについていけなくなってきまし
た。

▽ 『モールから自社ドメインへ移行するのはハードル高くなかったですか?』
自社ドメインに移したのは、やはり価格競争の激化です。モールでのポイントと
セールの日の集中の仕方が怖すぎます。また、これは肌感なんですが、何かしら
新しいコンテンツを作った時の反応が今までよりも下がってきました。以前より一番
注力していたモールで売った時に、もうちょっとお客さんの反応があった気がしたん
ですが、それがちょっとモールでは失われつつあるような気がしました。

▽ 『多店舗にコピーしていったコンテンツの反応が下がってきたと?』
一番最初にのっけるのは、一番売上が大きいところからやっていき、システムで
一ヶ所上げたら、そのままコピーというわけではないので、楽天はゴールド契約、
ヤフーはトリプル契約してないとかあるので、それぞれ手打ちでやっています。楽天
で、お客さんの反応、動きが変わったのかなというのを何となく感じ始めたので、
店を増やしたら単純にそこが減ったのではないという気がします。

▽ 『アーモンドも価格競争商品になるのですか?』
商品の一般化と呼んでいるんですけど、一般的になるとその商品は型番と
ほぼ一緒になります。ニッチなうちは、アーモンドって言ったらお店によって味が
違うかなとか調べたり考えたりお客さんがしてくれるんですけど、ある程度以上
になるとアーモンドはアーモンドだよねと、逆に調べない方が強くなっちゃう気が
するんです。言葉がイメージ化して定着しちゃうというか。ニッチな方が並んだ
ときの商品がそれぞれ何がちがうのかなって逆に調べたくなるんですよ。

▽ 『そのような状況から自社ドメインに力を入れようと思ったのですか?』
一足飛びにはいかなかったです。その当時からアマゾンの売り方って何だろうとか
コンテンツやるんだったらやっぱり独自ドメインなんじゃないかとかで。コーラー
って山の下で買うのとディスカウントスーパーで買うのと、山の上で買うのと
値段違うじゃないですか、見せ方も価格も違って何か問題あるの?っていう
人なんですよね。なので、あまり抵抗なく、このサイトの売り方はこれだから
この価格みたいな。気にせず踏み込んだので、それもあって色んなモールで
それぞれテストできたかなって気がします。

▽ 『商売の鉄則は一物二価はダメだと思いますが』
すごく分かります。送料無料が必須条件になってきたり、アマゾンだとFBAじゃ
ないと売れないとか、マケプレプライムせめてやろうとかってなってくると、どう
考えても商品の付加サービスがモール毎によって変わってしまいます。そうなると、
価格帯を変えざるをえないです。他店は送料無料だったり、FBAだったりある
ので、お客さんからしたら関係ないじゃんなんです。でもこっちからしたら、
関係あるよなんで、そこは別にやってしまって良いかなという気がします。

▽ 『どれくらい自社ドメインに力を入れたら良いんですか?』
うちは6年以上経ちます。将来的に見込めるところにかけていくというよりは、
見込めるところにかけるのをやめました。スタート当時にすげープラス思考で
”やったら伸びるじゃないっか!”みたいなものをそこまで確信を持っているわけ
じゃないです。一番力を入れたのは、多分、製造機械がその年でいうと
一番高いと思います。効率化をするのが最大だったので。次が多分、コラボとか
商品開発にお金をかけてると思います。その先、何しようかっていうときが、モール
の戦略ではなくて独自ドメインだった。積極法で選んでなく、消去方でこっちは
ないだろうと。でもこのくらいお金を会社として使った方が将来あるよねみたいな。
枠の中の配分で決めた感じですね。

▽ 『最初に独自ドメインでやったことは何ですか?』
良く分かっていなかったんですが構造設計を作ること。一番大きかったのは
うちの名前をお客さんが知っていてくれたのもあると思いますけど、販売手法が
本店でできることがたくさんあります。まとめ割ができることがうちとしては一番
大きかった。うちは客単価平均が一万円を超えるんです。それがスマホ化に
よってどんどん下がって行くじゃないですかやっぱり。あと、買い物カゴのステップの
組み方でも全然変わる。本当はもっと買ってくれたら、サービスができたのにって。
本来このサービスがしたかったのに、それがモールでできなくなってきたので、
そのサービスを本店に持って行きました。そしたら、ずっといたお客さんとか、
そっちの方がうれしいんだけどっていう人たちが付いてきてくれました。

▽ 『専門性をきちっと発信していくということが大事ですよね』
お客さんの反応がなんとなく無くなってきたなぁっていうだけで、別にモールだって
できないわけじゃないので変わらずやって来てたからかなと思います。
Episode35の回で松永さんが言っていましたが、まさにポジションだと思います。
ポジションづくりをどうするかっていうのは、テレビに出るためもそうですし、いわゆる
BtoBというかコラボの話にポジショニングは絶対大事。特に何でもできる大きな
会社でも小回りが効くわけでもないのでポジショニング、いわゆる”できること”、
”できないこと”っていうのは、すごい意識しています。

このほかにも盛りだくさん、ネットショップ運営について公開しています!

多店舗展開をご検討中の企業様のご参考になるかと思います!

それでは、小島氏流『ネットショップ多店舗展開』、ぜひお楽しみください!

「ECの未来」episode81 ポイント
見込めるところにかけるのをやめる。ポジショニングは絶対大事。

~第81回 ゲスト~

小島靖久(コジマ ヤスヒサ)氏
上野アメ横小島屋
三代目店主

ソニー・コンピュータ・エンタテインメントにて、営業・営業戦略・マーケティング
の部署を経験。その後、実家の小島屋へ戻り、2004年にECを立ち上げ、
ナッツ・ドライフルーツのマーケットを大手モール内に確立。価格競争から脱却・
自社PB商品開発・自社サイトを中心とした小口BTOB通販などに注力。

~ECの未来 チャンネルMC~

柳田 敏正(ヤナギダ トシマサ)氏
株式会社柳田織物
代表取締役

1971年4月生まれ。
1994年法政大学卒業後、(株)バーニーズジャパン入社、横浜店にてメンズ全般の接客に従事。
1999年退社し(株)柳田織物に入社。
2002年オリジナルのシャツを販売する自社ECサイト「ozie」を開設し、BtoCへ進出。
2011年にOSMC(オンラインショップマスターズクラブ)最優秀実践者賞受賞。
2012年第4回エビス大賞 大賞受賞。
2013年4月代表取締役に就任。
2014年、六本木一丁目にショールームをオープン。
EC4店舗を運営。

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