世の中、様々な職種はありますが、ECサイトの運営と答えると、関係者でもない限りどういったものか即座に答えられる人はいないのではないでしょうか。
そこで今回はECサイトの運営についてまとめたいと思います。
目次
ECサイトの運営の業務
ECサイトの運営には、商品の企画からアフターサポートまでさまざまな業務があり、加えていえば商品販売とは別にECサイトの制作や保守も必要になりますので、こういった業務の幅が広いことから全体像を把握しにくいのではないでしょうか。
ECサイトの運営は大きく分けると2つ
先述のようにECサイトの運営業務をまとめて理解するとややこしくなるため、ここでは下記のように業務種類ごとに整理してみましょう。
- フロント業務
- バックエンド業務
同じECでもフロントとバックエンドはそれぞれ性質が大きく異なるため、実務においても担当を分けるべきでしょう。
フロント業務とは
フロント業務とは主にマーケティング活動で商品企画やECサイト運営、プロモーションなどを担当します。
ほとんどの店舗様はオープンしても、売上はなかなかあがらない事が多いので、SEOや広告によって流入ユーザーを増やし、魅力的な訴求で販売を促進することがフロント業務の役割になります。
バックエンド業務
バックエンド業務とは、主に商品購入後に提供するサービスです。
在庫管理やピッキング、出荷やアフターサービスなどがバックエンド業務にあたり、フルフィルメントとも呼ばれます。
ECサイトの規模が拡大するとともに、1日あたりの受注件数も増加します。
大規模なECサイトでは1日に数百件から数千件もの受注が入ることもあり、バックエンド業務の効率化が不可欠です。
在庫管理システムの導入や基幹システムとECシステムの連携をはじめ、施策を検討する必要があるでしょう。
ECサイト運営全体の流れと9つの業務
ECサイトを運営するうえで業務フローの確立は必須です。
ECサイト運営では業務効率化がきわめて重要ですので、それぞれの業務において効率よく進めるためのオペレーションを検討します。
以下では、ECサイトの運営に欠かせない9つの業務について解説します。
商品企画
商品企画とは、ECサイトで販売する商品を決める業務のことで、ターゲットやトレンドを意識し、どのような商品が売れそうかを考えます。
商品企画において大切なのは、売れることだけを最優先にしないことです。
たとえば、同じ価格の商品があったときに、商品Aは利益70％、商品Bは利益率35％だとすると、商品Bは2倍売れても利益は同じであれば、商品Bは多くを売らないといけません。
さらに、販売計画は具体性がなければいけません。
原価率や利益率はもちろん、仕入れの頻度や個数、販売期間や売上予測も含め、綿密に計画する必要があります。
仕入れ・製造
仕入れや製造は、販売計画にもとづいて商品を発注したり、製造したりする業務です。
はじめは販売計画をベースに行いますが、メディアの取材やSNSの拡散によって急激に販売数が増加するケースなど売れ行きや顧客の反応によって在庫切れとなり機会損失につながることも珍しくないため、複数の仕入れルートを確保したり、レスポンスの速い業者を選定したりと臨機応変に対応する必要があります。
サイト制作・更新管理
ECサイトの制作や更新管理は、EC運営において根幹となる業務です。
ECサイトの制作では、商品やターゲットに合ったデザイン、売上に直結するユーザビリティなどを中心に設計するのがポイントです。
ユーザーの利便性に重きを置いて設計したり、「ささげ」を意識した更新管理も訴求するなど必要になります。
プロモーション
プロモーションとは、商品を広く知らせるための業務で、ECサイトの場合、オンラインで販売する特性上、Webマーケティングが主な手法となります。
プロモーションで代表例は以下の7つです。
・リスティング広告
・ディスプレイ広告
・アフィリエイト広告
・コンテンツマーケティング
・SNSマーケティング
・インフルエンサーマーケティング
・メールマガジン
プロモーションには、即効性のものと中長期的なものがありますので、それぞれの特徴を理解してバランスよく取り組んでいくとよいでしょう。
受注処理
受注処理は、ECサイトで注文を受け付ける業務で、顧客への注文完了メールの送信、在庫の引き当て、出荷準備などがあります。
受注後の業務は顧客と直接関わる部分でもあるため、ミスやトラブルがあればクレームにつながります。
低評価や悪い口コミが寄せられるとブランドイメージを損なったり、顧客獲得が難しくなったりするリスクも否めませんのでスタッフは注意深く業務にあたる必要があります。
在庫管理
在庫管理は、販売計画や売れ行きをもとに、適切な量の在庫を確保する業務で、EC運営においてもっとも難しい業務といっても過言ではありません。
在庫が少なければ在庫切れによる機会損失、逆に在庫が多ければコストがかさむリスクが生まれますし、さらにECサイトだけでなく実店舗も運営している場合、在庫管理はさらに煩雑になります。
店舗とECサイトで在庫や販売の状況をリンクさせつつ、在庫の適正量を探らなければいけませんので、実店舗とECサイトの在庫状況をチェックするには、相当な工数やリソースを要するため、在庫管理システムの導入も含めて検討するとよいでしょう。
出荷
出荷は、受注した商品を梱包して配送業者に引き渡す業務です。
商品ごとに適した梱包資材を用いるのはもちろん、メッセージカードやクーポンなどを同梱して顧客によい印象を与えるなどフォローも大事になります。
大規模なECサイトでは、出荷作業のリソースを社内で負担するのは難しいため、アウトソーシングするケースが一般的で、独自のノウハウをもった専門業者は、梱包の品質が高いだけでなく、複雑なピッキングにも対応できます。
配送
配送は、出荷した商品を顧客のもとに届ける業務になり、厳密にいえばEC事業者が担当する業務ではありませんが、どの配送業者を選ぶかもECサイトの運営におけるポイントです。
たとえば配送業者を選ぶ際は、倉庫の立地や商品サイズなどを勘案して決定しますが、配送業各社によって料金設定は異なるため、商品サイズや配送先によって使い分けるのがよいでしょう。
アフターフォロー
アフターフォローは、商品を購入してくれた顧客にお礼メールやレビュー投稿の依頼をはじめとしたサービスです。
アフターフォローにもさまざまなケースがありますが、過度なフォローをするとかえって顧客の迷惑になりかねないため、バランスを考慮しつつ取り組みましょう。
また、クレームや返品交換の対応も重要な業務で、レスポンスが遅かったり、誠意に欠ける対応をとったりすると、悪評がついてしまいます。
実際に商品を見られないEC販売にクレームや返品対応はつきものですので、そういった場面に接したときこそ、対応力が問われていることを自覚して、アフターフォローに臨むべきでしょう。
ECサイト運営に必要なスキルや経験
ECサイトを運営するには、Webマーケティングやクリエイティブに関するスキルが求められます。
Webマーケティングの面ではSEOや広告運用に知見があると、露出増加や販促を図るうえで有利で、クリエイティブの面ではHTMLやCSSの概要を理解できると、サイト設計にも携われるようになります。
また、一般事業者向けの販売業に携わった経験があると望ましく、電話やメールへの応対やクレーム対応をはじめ、顧客と関わる機会も多くあるため頼りになるでしょう
まとめ
ECサイトを運営するうえでは、フロント業務、バックエンド業務があります。
ECサイトの運営をスムーズに進めるには、社内のリソースをうまく活用したり、自動化システムやアウトソーシングによって負担を軽減したりする施策が必須になりますので、顧客に対してよりよいサービスを提供するためにも、ECサイトの運営管理者は体制や設備を整えていきましょう。
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