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楽天SKUプロジェクトとは
楽天SKUプロジェクトとは、商品ページ単位で商品データを保持する従来の楽天市場の仕様から、SKU単位で商品データを保持する仕様に変更するプロジェクトのことです。
これまでの楽天市場では、あるTシャツを販売する場合、サイズやカラーバリエーションごとに販売価格を変更したくても価格が1つしか登録できない仕様上、店舗の在庫状況に応じた柔軟な販売設定ができないデメリットを抱えていました。
また、同一商品の場合でも、例えば6本入り・12本入り・24本入りなどで別々の商品ページを作成する必要があり、店舗担当者への負担や、商品を閲覧するユーザーにとっても1つの商品ページでそれぞれのサイズを選べない不自由さがありました。
今回の楽天SKUプロジェクトは、このような「アイテム単位登録」のデメリットを克服するために
「SKU:在庫管理における最小の管理単位」を用いた商品登録を採用します。
楽天SKUプロジェクトの対策方法
楽天SKUプロジェクトでは、以下のような対策が取られます。
SKU画像を登録しなおす
楽天SKUで対応したほうがよい1つ目は、画像の再登録です。
SKUプロジェクトにより1SKU単位で楽天市場の検索結果に載るため「SKU画像」が必要になります。SKU画像の1枚目は商品画像ガイドラインの対象画像になります。
ガイドライン自体の変更はありませんが、SKU画像が商品ガイドラインの適用となるということは、場合によってはガイドラインに沿ったSKU画像を新たに準備する必要があります。
ユーザーは画像を見て実際の商品をイメージします。画像と実際の商品に差があると返品やクレームにもつながるため、画像の選定は重要です。再撮影や再設定は手間になりますが、必要に応じて対応していきましょう。
タグIDと商品属性を見直す
楽天SKUで対応したほうがよいことの2つ目は、タグIDと商品属性を見直すことです。現在の仕様では商品のカテゴリーを指定する「ディレクトリID」と、カラーやサイズなどの属性情報を9桁の番号で指定する「タグID」があります。
しかし、楽天SKU移行にあたりタグIDは終了し、代わりに「商品属性」が登場します。これまでタグIDの入力は任意でしたが、楽天SKUでは商品属性の入力に必須項目があるため注意が必要です。そのため、タグIDの見直しが必要になるでしょう。
楽天SKUプロジェクトのメリット
楽天SKUプロジェクトの導入には、以下のようなメリットがあります。
価格違いの同じ商品を比較しやすくなる
価格違いの同じ商品を比較する際に、従来の仕様では1SKU毎に別ページに移動する必要がありましたが、楽天SKUプロジェクトに移行後は別ページへの移動が不要で同一ページ内で商品情報を閲覧することができます。
楽天市場内の検索結果が見やすくなる
検索結果上にSKUのバリエーションを表示することで、目当ての商品をより見つけやすくなります。
また、検索結果上の商品画像や商品価格はSKU毎に表示されるため、より最適な商品が検索結果に表示されるようになります。
楽天SKUプロジェクトのデメリット
楽天SKUプロジェクトの対策をしなかった場合、
- 商品が表示されなくなる
- 売上が下がる
- 広告費の垂れ流し
などのリスクが高まります。
商品が表示されなくなる
楽天市場では、検索で商品が上位に表示されやすくなる、ある一定の条件が存在します。
その詳細な条件については公表されていませんが、楽天側が「顧客の購買体験の向上」を目指してSKUプロジェクトを行う以上、SKUプロジェクトに対応していないショップは検索画面で上位表示を狙うことが難しくなると言えます。
「これまでは問題なく商品が上位表示されていたのに、突然商品の閲覧数が減った…」ということがないように、SKUプロジェクトへの対応を進めていくことが必要とされます。
売上が下がる
商品が上位表示されなくなると、単純にショップの売上が下がることが予想されます。
逆に言うと、今現在の売上が伸び悩んでいるショップの場合、競合他社よりも一足早くSKUプロジェクトに対応することで、商品を上位表示させ売上を伸ばすことができるかもしれません。
広告費の垂れ流しになる
せっかく広告費を払って販売数を増やせたとしても、上位表示されにくい状態が続くことは、ショップにとって大きなデメリットだと言えます。
楽天市場に出店するのでさえ費用が必要になるのに、上位表示のためだけに広告費を払い続けるのはかなりもったいないことです。
ショップの理想の状態は、広告費などの販管費を可能な限り減らして楽天市場の検索上位表示を目指し、ショップに顧客を集めることです。
広告費を垂れ流しから脱却するためにも、SKUプロジェクトの対策を怠たらないようにしましょう。
まとめ
「楽天SKUプロジェクト」は、楽天ユーザーにとっては商品を検索しやすくなり、購買意欲の向上が期待できますが、楽天に出店する事業者にとっては、移行前の準備やコストの発生、移行直後に問い合わせが増え、混乱することも考えられます。
導入を検討しているECサイト運営者の方は、できる限り入念に準備を行った上で、楽天SKUへの移行を行っていきましょう。