2023年9月21日から9月28日までのECに関連する注目のニュースを5つピックアップして紹介します。
本日ご紹介するニュースは次の5つです。
1.【ライブコマースの実態調査】意外な世代が最多利用か?
2.ヤマト運輸、10月1日(日)から新たな投函サービスを一部エリアで開始
3.そごう・西武がケーキ・おせちのBOPISを開始
4.「洋服の青山」が専用アプリ不要でバーチャル試着を実現
5.Shopify、iPhoneカメラで手軽に商品の3Dモデルが作れる機能を提供開始
1.【ライブコマースの実態調査】意外な世代が最多利用か?
ライブコマース事業を展開する株式会社Cellest(セレスト)は「ライブコマースの利用実態」に関するアンケート調査を実施しました。
ライブコマースとはライブ動画を配信しながら、その中でさまざまな商品を紹介し販売する「ライブ配信」と「Eコマース」をかけ合わせた販売形態です。
本調査によるとライブコマースを利用している消費者の年齢層は35歳から44歳が全体の約33%を占め、次いで45歳-54歳が約32%という結果になりました。20代以下の若年層よりも30代から40代にかけて利用されていることがわかります。
消費者がライブコマースを視聴する理由として、「商品の情報を得たい」が最多の71.8%。ほぼ同じ割合の69.7%が「お気に入りの配信者がいる」と回答しました。事業者自身が配信を行う場合であれば、ブランドのファンの方が視聴することになりますが、インフルエンサーなど、社外の方に配信を依頼する場合、商品と配信者の相性が、より購買に繋がることが予見できる結果となっています。
2.ヤマト運輸、10月1日(日)から新たな投函サービスを一部エリアで開始
ヤマト運輸株式会社は、2023年6月19日(月)に日本郵政グループと締結した「持続可能な物流サービスの推進に向けた基本合意」に基づき、2023年10月1日(日)から新たな投函サービス「クロネコゆうパケット」を一部エリアでの発売を開始しました。
「クロネコゆうパケット」は厚さ3cm以内の投函可能なサイズとなっており、ヤマト運輸が預かった荷物を、日本郵便の配送網でお届け先の郵便受けなどに投函する流れになっています。
料金は1cm、2cm、3cmの厚みに応じて全国一律とのことで、数量などの諸条件に応じて、ヤマト運輸と契約をしている事業者ごとに設定が行われます。
10月1日の発売開始のタイミングでは、東京都や大阪府を除く、東日本を中心にした1道15県が対象となっています。今後、徐々に対象エリアの拡大が期待されるでしょう。
3.そごう・西武がケーキ・おせちのBOPISを開始
そごう・西武は配送が困難なため、従来のECサイトで扱っていなかったクリスマスの生ケーキや店頭受取のニーズが強いおせちを、ネットで注文した商品を店頭で受け取れる「BOPIS」の導入が西武池袋本店とそごう千葉店で決定しました。この取り組みを通じて、そごう・西武ではオンラインとオフラインを融合させるOMOの取り組みを推進しているとのことです。
従来クリスマスケーキやおせちの予約は営業時間中に消費者が店頭まで行くか、電話での注文だったため、営業時間中に来店することが難しい方や、ECを利用することが当たり前になっている若年層の方が利用しづらい状態でした。
2022年のクリスマスケーキ予約時より西武池袋本店でBOPISの実証実験を行ったところ、予約をした方のうち約35%が試験導入したBOPISを利用しました。また、利用者の年代は20~30代が約60%のシェアを占め、利用時間は営業時間外の注文シェアが約65%と百貨店の利用が少ない年代の方や電話では対応できなかった時間にも利用する結果となっています。
ECサイトでは販売しづらい商品であっても、店頭で手渡しをすることが可能であれば、新たな顧客層を誘引することができる興味深い事例かと思います。
4.「洋服の青山」が専用アプリ不要でバーチャル試着を実現
青山商事株式会社は、専用アプリが不要でスマホで気軽に体験できるリアルなバーチャル試着サービスを、9月27日より「洋服の青山」公式オンラインストアに導入しました。まずは第1弾として、2WAYリバーシブルコートのEC限定発売に合わせサービスを開始し、随時対象アイテムを拡充する予定です。
オンライン限定のファッションアイテムは試着ができないため、購入の際に不安な気持ちを感じる消費者は少なくない印象です。バーチャル試着を体験するために、専用アプリをインストールするのはハードルが高いため、ブラウザから手軽に体験できるのは事業者にとっても消費者にとっても嬉しいことではないでしょうか。
5.Shopify、iPhoneカメラで手軽に商品の3Dモデルが作れる機能を提供開始
eコマースプラットフォームの「Shopify(ショッピファイ)」はiPhoneのカメラを使って手軽に3Dモデルを作成し、オンラインストアの商品イメージとして利用できるiOS版の3Dスキャナーを新機能として提供開始しました。
ShopifyでECサイトを構築している事業者は、従来3Dモデリングを作成する際に必要だった特別なソフトウェアや費用を必要とせず、Shopifyアプリを利用することで、商品画像を掲載するのと同程度の手軽さで、ストアの商品イメージに3Dモデルを活用できるようになります。今回の機能を活用することで、3Dモデリングの経験がない人でも20分以内で商品の実物そっくりのイメージを作成することができるようです。
ECサイト上では画像を見るだけでは質感やサイズなど、購入後に思っていたイメージと違うことがしばしば起きてしまいます。この機能によって、オンライン上でも実際に商品を手に取って見ることに近いショッピング体験ができるようになるため、コンバージョンレートが上がらだけでなく、返品率を下げることや問い合わせの数を減らすことにも繋がりそうです。
以上、ECの未来®NEWSでした。