【ユナイテッドアローズ】AI時代に「人」が接客する意味とは? OMOでの顧客体験のつくり方【EC・ネットショップ】

CRM編

今回ゲスト 株式会社ユナイテッドアローズ 岩井 一紘 氏は、ダイレクト・デジタルマーケティング、ECコンサル、食品小売での事業・ブランド開発を経て、現在は、ユナイテッドアローズでOMO本部長としてCRM、EC、アプリ、広告、PR、データ活用を統括。店頭を含むOMO推進を実践されていらっしゃいます。

岩井氏に『ECにおける接客の重要性』についてお話をお伺いしました!

▽AI時代における接客の役割とは?
私たちは、AIによって店舗スタッフの能力を拡張することを目指しています。アプリやブラウザーを通じて、お客様の閲覧履歴やお気に入り登録、購入履歴などのデジタル上の行動は把握できます。一方、店舗では商品を購入したという結果は分かっても、購入に至るまでの過程を把握するのは難しいのが現状です。そこで、お客様の行動データを店舗スタッフに還元し、接客の精度を高める取り組みを進めています。例えば、来店前にお気に入り登録した商品や閲覧した商品が分かれば、スタッフがお客様に合った提案をする際の参考になります。ただし、データがあれば誰にでも良い接客ができるわけではありません。経験の浅いスタッフにとっては、お客様に提案するきっかけになりますが、長年お客様と関係を築いてきたベテランスタッフには、かえって余計な情報になることもあります。スタッフの経験や接客スタイルに応じて、必要な情報を提供することが重要です。

▽AIやデータだけでは実現できない接客の価値とは?
どれだけデータが充実しても、接客のすべてをAIで代替することは難しいと考えています。特にファッションでは、商品の情報を伝えるだけでなく、スタッフ自身の経験や感性を生かし、お客様がまだ気づいていない価値を提案することが大切です。例えば、洋服を購入したお客様が、翌日それを着て出かけた際に周囲から褒められる。そこまで見据えた提案ができれば、お客様の満足度は大きく高まります。単にお客様が求めるものを提供するだけでなく、その先にある体験までつくることが接客の価値だと思います。また、どれだけ正確な情報を持っていても、ロボットのような対応では購入したいと思えないお客様もいるでしょう。言葉の選び方や自信のある提案、相手の反応を瞬時に読み取る力など、人だからこそ生み出せる価値があります。データを活用しながらも、人による接客の価値を大切にする必要があります。

▽ECとリアル店舗を組み合わせるメリットは?
ECだけ、あるいはリアル店舗だけで、お客様の満足度を最大化するのは難しいと考えています。例えば、洋服はサイズが分からず購入をためらうお客様もいます。体型上のサイズだけでなく、好みのシルエットや着こなし方も人によって異なるため、単純なデータだけでは最適な商品を提案できないことがあります。店舗で実際に試着したり、スタッフに相談したりすることで、安心して購入できるようになります。実際に、店舗とECの両方を利用するお客様は、ECだけを利用するお客様と比べて購入単価や購入回数が高い傾向があります。一方、ECは24時間お客様との接点を持てることが強みです。店舗での接客に加え、アプリなどを通じて継続的に商品情報を届けることで、お客様との関係を深められます。それぞれの強みを生かし、リアルとデジタルを組み合わせることが重要です。

▽これからのECに求められる接客のあり方とは?
海外では、専属のスタイリストのような担当者がオンラインで接客し、お客様一人ひとりに商品を提案する取り組みも出てきています。AIはデータ分析や翻訳など得意な領域を担い、人が商品の魅力や提案する理由を丁寧に説明する、という役割分担によって、オンラインでもリアル店舗に近い体験を提供できる可能性があります。
ただし、デジタル上の仕組みや会員制度を整えるだけでは、お客様の満足度は高まりません。大切なのは、常にお客様とスタッフを中心に考えることです。スタッフが持つ接客の力を、テクノロジーによってどう拡張していくか。人とデータのそれぞれの強みを生かし、お客様にとって本当に価値のある体験をつくることが、これからのECに求められると考えています。

~第368回 ゲスト~

岩井 一紘 氏
株式会社ユナイテッドアローズ
OMO本部 本部長
​
ダイレクトマーケティング、デジタルマーケティング、EC構築・運用のコンサルティングを経て、食品系小売企業にて、デジタルマーケティング、事業開発、ブランド開発、コミュニケーション・EC領域の事業開発等に従事。2023年4月当社入社、OMO本部 デジタルマーケティング部部長、2024年4月、OMO本部本部長(現職)。デジタルマーケティング領域を管掌し、CRM、EC、アプリ、広告、PR、データマネージメントを統括しながら、店頭オペレーションを含めたOMO推進を実践している。

EC運営に役立つ資料が満載!

 

EC運営に役立つセミナーを毎月開催中!

 

当社のEC運営代行サービスについて

関連記事