【ユナイテッドアローズ】ECには「接客」が必要? 顧客満足を高める「体験価値」のつくり方【EC・ネットショップ】

CRM編

今回ゲスト、ダイレクト・デジタルマーケティング、ECコンサル、食品小売での事業・ブランド開発を経て、現在は、ユナイテッドアローズでOMO本部長としてCRM、EC、アプリ、広告、PR、データ活用を統括。店頭を含むOMO推進を実践されていらっしゃいます。

岩井氏に『接客』についてお話をお伺いしました!

▽なぜ「接客」をECに持ち込もうと考えたのでしょうか?
もともとリアル店舗で接客をしていた経験があり、「リアルの接客をECに持っていけたら面白い」と考えたのがきっかけです。ECでも、お客様からの問い合わせに時間を区切って丁寧に対応すれば、リアル店舗と同じように1対1の接客ができます。自分が培ってきた接客のクオリティを、そのままお客様に提供できるのではないかと考えました。BtoBではバイヤーなど企業の担当者が相手ですが、BtoCでは一人ひとりのお客様が相手です。求めているものも、趣味嗜好も、購入する理由も違います。そのため、BtoBからBtoCのECへ移行する際に、接客の部分で難しさを感じる企業は多いと思います。マーケティングは事業成長の中核になる部分で、全体のボトム層の底上げをどれだけ引き上げるかというものだと思っています。再現性をつくることが重要ですが、接客は一人ひとり異なるものです。だからこそ、その両者をどうつなげていくかが大きなテーマになります。

▽「感動提供」とは、具体的に何をするのですか?
私たちは「一人のお客様と向き合い、その人にとって良い体験をつくる」という考え方をもともと大切にしてきました。「感動提供」という言葉は分かりやすい一方で、具体的に何をすればいいのかは難しいです。そこで改めて考えたのが、接客とは「一人ひとりのお客様にどう価値を提供するか」ということです。お客様によって購入目的も、ファネルも、趣味嗜好も違うため、接客そのものに完全な再現性を持たせるのは難しいです。だからこそ、マニュアル通りに対応するのではなく、「そのお客様にとって良い体験とは何か」を考えることが重要だと思っています。例えば、ポイントや会員ランクなどの経済的メリットだけでお客様をつなぎ止めようとすると、制度によっては逆に残念な体験を生んでしまうこともあります。また、ECでは「書いてあることを読んでもらう」ことを前提にサービスを設計しがちですが、実際にはすべてを読んでもらえるわけではありません。だからこそ、人が言葉で説明することには大きな価値があります。言葉のスピードや温度感、表情など、対面で伝わる情報は非常に多く、最近は海外のECでも、オンライン上でリアルの人間が接客する動きが出ています。LINEで接客をしている場合はクレームが明らかに少ないということもわかっています。テクノロジーだけではなく、人とテクノロジーを組み合わせて、お客様の体験を最大化することが重要だと考えています。セレクトショップの場合、同じブランドの商品を扱っていれば、商品そのものだけで差別化するのは難しくなります。だからこそ、「Aショップで買うのか、Bショップで買うのか」ではなく、「Aショップの〇〇さんから買いたい」と思ってもらえることが重要です。ECでも、ここをつくれなければ、いつまでも価格競争から抜け出せません。リアル店舗で「この人に相談したい」と思ってもらえる関係性を、ECでもどう実現するかがポイントになります。お客様が「その場でどういう買い物をしたいのか」「どんな体験を求めているのか」をシンプルに考えることです。そして日本の接客技術やサービスの価値を世界に広めていくべきだと考えています。特に単価の高い商品では、購入後の「がっかり」が離脱につながります。回転率や売上だけを追うのではなく、お客様にとって良い体験をどうつくるかという視点を持つことが、これからのECにはより重要になっていくと思います。

~第367回 ゲスト~

岩井 一紘 氏
株式会社ユナイテッドアローズ
OMO本部 本部長
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ダイレクトマーケティング、デジタルマーケティング、EC構築・運用のコンサルティングを経て、食品系小売企業にて、デジタルマーケティング、事業開発、ブランド開発、コミュニケーション・EC領域の事業開発等に従事。2023年4月当社入社、OMO本部 デジタルマーケティング部部長、2024年4月、OMO本部本部長(現職)。デジタルマーケティング領域を管掌し、CRM、EC、アプリ、広告、PR、データマネージメントを統括しながら、店頭オペレーションを含めたOMO推進を実践している。

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