昆虫食をヒット商品に導いたブランディング戦略について「ANTCICADA」に独占インタビュー!【ECの未来 EP90】

PR・ブランディング編 マーケッター編

あなたが料理を作るとき、”昆虫”は素材として、

プラスなイメージでしょうか?マイナスなイメージでしょうか?

今回ゲスト、ANTCICADAの篠原氏は、昆虫食歴22年。「ラーメン凪」や
ミシュラン一つ星「四谷うえ村」で修行後、昆虫料理創作から、ワークショップ、
授業、執筆と幅広く手掛けれられいます。
2020年6月4日には日本橋馬喰町に「ANTCICADA(アントシカダ)」を開店し、
2種のコオロギで出汁をとった「コオロギラーメン」や「旬の虫を使ったコース料理」
を提供されています。

篠原氏に『商品企画・ブランディング』についてきいてみました!

▽ 『タガメを使ったお酒をご提供されているんですよね?』
共同開発のカタチで作っています。商品を作っていくときのスタンスとしては
シンプルにその虫の個性を最大限に活かしたそのジャンルのモノとしてクオリティの
高いモノを心掛けています。例えばビールだったらシンプルにおいしいもの、
ラーメンでもコオロギだからとか関係なく、ラーメンとしておいしいものを。
蒸留所にしても、醸造所にしてもパートナーさんとやっていくっていうのが
不可欠になります。一方でそういう人って言うのは引く手あまたですし、
色んなコラボやりたいですって話が来ると思うので、”普通にコラボやりたいです”
だけ言っても、今キャパがなくてみたいになっちゃうところはあると思いますので、
めちゃくちゃ意識してやっているわけじゃないですけど、そういう人であれど
昆虫を使った個性ある提案みたいなのって恐らく考えたことがない領域だと
思うので、例えばジンだったらジンにしたときに最もクオリティの高いモノに
なるであろう虫の選定みたいなところはもう事前に念入りにして、
実験レベルで香りをどういう風に抽出すれば一番ベストな素材の提案に
なるのかとか、使う虫もタガメというとこに行きつくまでは色んな虫を使って
試してみたり、その辺までは一通り軽く全部やった上で、ゼロから提案する
っていうよりは仲良くなっていく中でしかるべきタイミングでなんかちょっとこれ
ジン作っていく上ではタガメがめちゃくちゃいいと思っていて、こういう感じで
色んな検証してみて、このアプローチでこうやっていくとタガメの良さが
最大限引き出されてかなり面白いものができると思うんですけど、
”どう思いますか?”みたいな感じでやっていくのが多かったです。

▽ 『オープン時にはクラウドファンディングを活用したのですか?』
様々な局面でクラウドファンディングをやろうかなって思ったり、選択肢としては
あるのですけど、確実に全部リターンを求めている以上のクオリティ
を出せて、尚且つここぞみたいなタイミングを考えています。
6年間くらい昆虫食の活動をやってきた中でお店をつくるっていうのは
分かりやすくそのタイミングだと思うので、初期の開業費用とかは
政策金融公庫さんからの借り入れと自己資金でまかなってやっているので、
クラウドファンディングのお金をそこに直接的には充てていません。
一部、僕らのお店ってなんか自分たちのメンバーだけでやってたものを
出すというアプローチだとつまんないなと思って虫を出すお店なので
それだけで面白いとはなると思うんですけど、飲食店というモノ自体の
在り方も考えて行かないとあまり未来はないかなと思います。
珍しいで人が来る実感って言っても数年だと思うので、この先もちゃんと
続いていくものにするには飲食店という枠組み自体も少なからずもうちょっと
オリジナリティあるものを考えていかなければなりません。自分たちの場合は、
体験を大事にしたいっていうところがあったので、じゃあ、本当にその食材を
獲ってくるところだったり、あるいはその料理をつくっていくところも一緒に
なってやっていきませんか?っていう提案を店舗という場所を拠点にしながら
やっていく枠組みがつくれれば、仲間募集じゃないですけど、それってすごい
意味のあるモノになっていくなっている感じがあります。クラウドファンディング
はお金を集めるっていうよりは本当に一緒に自分たちの想いを叶えていく
仲間づくりみたいなのを圧倒的にテーマにしていて、リターンも皆で食材を
獲って楽しむバーベキューなどです。今一番メインのリターンとして用意したのは
「ANTCICADA(アントシカダ)」の仲間になりませんか?というものだったん
ですけど、食材として調達があるときに案内したりとか一緒に料理の支度
をやったりとかです。案の定クラウドファンディングはじめてみたら、そのリターンが
圧倒的人気で、MAX100までもすぐ埋まって、その100人のLINEグループが
ある状態になってるんですけど、クラウドファンディングをやった一番の狙い
でもあったしそのグループが未だに活発に盛り上がってたりするのは、
めちゃめちゃ財産だなって思ってます。普通にお店に関わるものも商品に
関わるものもありつつ、16,490円のやつが一番メインのリターンという感じで
一番高いのはお店の貸し切りが個人が支援するリターンの中では一番高い
ものです。人数が680人くらいの方が支援してくださって、680人の支援者が
いるということが、一番やっていくことの励みにはなりましたし、お店をオープンしても
コロナ禍で気づらかったと思うんですけど、遠方の方とかも来てくださったりして
仲良くなって虫捕り行くときに誘ってくれるのが結構多いので、それはむしろ
これからも楽しみです。

▽ 『最終的にはどういう方向性を目指されているんですか?』
今、世の中で注目されるのって栄養価が足りなくなっていく状況で
タンパク質不足に対してのアプローチとか、資源が限りある中で虫って
資源効率とかすごくいいので環境にやさしい素材だよねっていうのは
注目されてたりするんですけど、食べるものが足りないから、
しょうがなく虫を食べざるを得ないみたいなのって、すごい消去法みたいな
感じがしてそもそもそれがめちゃくちゃ嫌でそんな嫌々食べるんだったら
食べなくていいよって思いますし、シンプルに魅力のあるものなんだから
まずそれを最後の選択肢とかじゃなくて積極的にとるモノとして提案
していけるだろうなっていうのは一番大事にしていきたい部分です。
それって虫に限らずこの世の中にたくさんそういう素材があると思って
いるので、本当にみんなで地球を楽しんでいこうみたいな、地球上って
生き物めちゃくちゃ豊かで、だけどそういう生き物の中にはやっぱり面白さが
全然伝わり切ってないモノってたくさんあって、それを伝えていくアプローチ
はいろいろあると思いますが、その中の一つに実際の体験を伴って
彼らと触れ合っていって、あるいは口にしていって自分の中に取り込んで
いく中で感じられる魅力もたくさんあるので、イメージだけでそういうところに
アクセスできなくなってしまっているという状況を自分たちの次の世代を
考えていったときに変えていきたいなと言うより、もう少しその辺りがフラットに
選べる世の中の方がもっと豊かに子どもが育んでいけるだろうし、
そういう風になってほしいというのはすごい思っています。
なので虫はその中の一例ですけど、そういう日の目を浴びてないものに
ちゃんと適切な形で注目がされていくような枠組みをお店に来てくださって
いるみなさんと一緒につくっていけたらなっていうのを大事にしていきたいです。

このほかにも盛りだくさん、商品企画・ブランディングについて公開しています!

商品・サービスをご検討中の企業様のご参考になるかと思います!

それでは、篠原氏流『ブランディング戦略!素材として選ばれる昆虫食へ』、ぜひお楽しみください!

「ECの未来」episode90 ポイント

食に対しての情熱や新しい食を作ることへのモチベーションを持ち、作り手さんのスタンスを第一に。

~第90回 ゲスト~

篠原 佑太(シノハラ ユウタ)氏
ANTCICADA

1994年地球生まれ。慶應義塾大学卒業。
幼少期から自然を愛し、あらゆる野生の恵みを味わう。昆虫食歴22年。
「ラーメン凪」やミシュラン一つ星「四谷うえ村」で修行後、昆虫料理創作から、ワークショップ、授業、執筆と幅広く手掛ける。
2020年6月4日には日本橋馬喰町に「ANTCICADA(アントシカダ)」を開店。
2種のコオロギで出汁をとった「コオロギラーメン」や「旬の虫を使ったコース料理」を提供。
また、商品開発にも注力。「タガメジン」「コオロギ醤油」「コオロギビール」などを発売、話題を呼んだ。
狩猟免許や森林ガイド資格も保持。

「ANTCICADA(アントシカダ)」
ANTCICADAホームページはこちら

~ECの未来 チャンネルMC~

柳田 敏正(ヤナギダ トシマサ)氏
株式会社柳田織物
代表取締役

1971年4月生まれ。
1994年法政大学卒業後、(株)バーニーズジャパン入社、横浜店にてメンズ全般の接客に従事。
1999年退社し(株)柳田織物に入社。
2002年オリジナルのシャツを販売する自社ECサイト「ozie」を開設し、BtoCへ進出。
2011年にOSMC(オンラインショップマスターズクラブ)最優秀実践者賞受賞。
2012年第4回エビス大賞 大賞受賞。
2013年4月代表取締役に就任。
2014年、六本木一丁目にショールームをオープン。
EC4店舗を運営。

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