ASPカート比較~カート別メリット・デメリット~

ネットショップ開業

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ネットショップを開設しようと考えた時、「インターネット上のお店はどう作れば良いのだろう…」と疑問に思ったことはありませんか?
ネットショップを開く手段は様々ありますが、初めての方や個人でショップを経営しようと考えている方に特におすすめの方法が「ECカート」です。

ECカートとはネット上における商品の購入プロセスを可能にするソフトウェアのことで、このECカートを提供しているサービスを利用すれば個人でも簡単にネットショップを開設できるんです。
ここでは手軽にネットショップを開業する方法であるECカートについて、そしてECカート同士を比較した時の選び方の基準やおすすめのサービスについて解説します。

ECカートとは

ECカートの「カート」とは商品の注文から購入までの仕組みを指します。
ECカートには、まず商品ページを表示し、そこから買い物カゴに入った商品が決済されるまでの手続き、そして購入後の確認メールや顧客情報の保存といったネットショッピングに必要な一連のシステムが搭載されています。
そのECカートシステムを提供しているのがECカートサービスです。

ECの形態の分類について

ECの形態は大きく「モール型EC」「自社ECサイト」に分けることが出来ます。
モール型ECとは、楽天市場やYahoo!ショッピングといったネットショップの集合で作られたECサイト、つまりECモールの出店スペースにショップを開くことを指します。自社ECサイトは独自のドメインを取得して自分で開業したネットショップのことを指します。なお、ECカートサービスを利用して作られたショップは「自社ECサイト」に分類されます。

次はECカートのメリット・デメリットについて解説していきます。

ECカートのメリット

ECカートの特に大きなメリットを挙げると「コストが非常に安いこと」、「複雑な設定をする必要が無いこと」、「独自ドメインが取得できること」の3つです。
ここでは、それぞれのメリットについて詳しく説明します。

メリットその1.コストが安い

大手ECモールの一つ楽天市場に出店する場合、出店費用として初期費用の60,000円と毎月の固定費用50,000円(スタンダードプランの場合)、それに加えてシステム利用料等が必要になります。
自社ECサイトをゼロから構築する時の費用相場は100万円~500万円ほどとされており、初めて出店するには非常にハードルが高いと言えるでしょう。
しかしECカートの中には初期費用・月額費用ともに無料のものもあります。実際に出店してみてネットショップ運営の感覚を掴みたい、といった場合にうってつけです。

メリットその2.複雑な設定をする必要が無い

自力でECサイトを構築する場合は、HTMLやCSS等に関する専門的な知識が必要になってきます。

しかし、ECカートであれば、設定ページから項目を選んでいくだけで注文から決済までが問題なく行えるネットショップを開くことが出来ます。
初心者向けとして打ち出されているサービスであれば特に簡単に設定できるでしょう。

メリットその3.独自ドメインが取得できる

ショップの売上を伸ばすためにはリピーターの獲得が重要で、そのためにはショップそのものに良い印象や愛着を持ってもらわなければいけません。
そのために必要なものがショップ自体のブランディングです。

ブランディングは大手ECモールへの出店でショップを開く場合は非常に難しいとされています。
何故ならばECモール内のショップページのデザインはやや画一的であり、またユーザーはショップではなくそのモールで購入したことが記憶に残りがちだからです。
独自ドメインが取得できることはショップのブランディング、ひいてはリピーター獲得によるショップの発展が目指しやすいという点でメリットだと言えるでしょう。

ECカートのデメリット

ECカートにはもちろんデメリットもあります。
それぞれメリットの裏返しとでも言うべき要素ですので、良い面だけでなく欠点も考慮した上で選ぶようにしましょう。

デメリットその1.売上に対して手数料がかかる

登録費用や月額費用が無料のECカートの場合、売上に対してかけられる手数料を高くすることで利益を賄っているケースがほとんどです。
手数料の割合が高いと、売上が伸びれば伸びるほど影響は大きくなっていきます。
将来的なビジネスの拡大を狙っている場合は、ECカートを選ぶ基準に初期費用や月々の費用だけでなく手数料の観点も加えた方が良いでしょう。

デメリットその2.カスタマイズの幅が狭い場合がある

ECカートは既存のシステムを借りて利用していますので、サイトページの大まかなレイアウトは決まっています。
色味を変更する、テンプレートを変更するといった形でブランドイメージに近づけることは可能ですが、動画を挿入したり独自のデザインを採用したりといった凝った作りのサイトにすることは少し難しい場合があります。

デメリットその3.集客を自力で行う必要がある

これはECカートに限らず、自社ECサイトを開く場合に共通して存在する課題です。
利用者の多い大手ECモールへの出店であれば、自然と多くのユーザーの目にショップを触れさせることが可能ですが、自社ECの場合は商品を売る前にまずユーザーに認知してもらわなければいけません。

集客のためには広告の出稿やSEO対策等をすることになりますが、どれも効果を上げるためには知識が必要になってきます。
ECカートサービスを使ってショップを開くなら、どう集客をするかという計画は事前にしっかり立てておくべきでしょう。

ECカートの選び方

実際にネットショップを開業する時、どのようにECカートを選べばいいのでしょうか。
ここではECカートを選ぶ際に基準にしたい点を紹介します。

1.有料ECカートか無料ECカートか

一口にECカートと言っても幅広い種類があり、特に大きく分類すると、基本的に無料で利用できるものと登録費用や月額費用がかかる有料のものとに分けることが出来ます。
まずはそれぞれのメリットとデメリットを押さえ、大まかな方向性を定めておく必要があります。

無料ECカートのメリット

無料ECカートのメリットは何と言ってもその手軽さで、個人でも簡単にネットショップを開業することができます。
ひとまず出店して様子を見たい、または大手ECモールに出店しているショップをサポートするために使いたいといった場合にうってつけです。
またほとんどの場合、複雑な設定や操作なしに開業可能です。

無料ECカートのデメリット

登録費用や月額費用が無料である場合、その代わりに手数料が高く設定されている場合があります。
また、一定金額以下の売上では引き出せないこともありますので注意が必要です。
ショップデザインのテンプレートもほとんどの場合限られており、チャットやメールといったサポート面が充実していないことも少なくありません。

有料ECカートのメリット

無料ECカートに比べて機能やカスタマイズ性が充実しており、より便利に使ったりショップそのものの個性を追求したりすることが出来ます。
集客やトラブルに関するサポートが充実していることも無料ECカートに比べて多いと言えるでしょう。
各手数料が安く設定されていることも多いため、ショップが成長するにつれて無料ECカートよりも利益が出やすくなっていきます。

有料ECカートのデメリット

維持費がかかるため、商品が売れていないうちは利益が出にくい点は否めません。
また自社ECサイトであることには変わりませんので集客は必要です。

ただこの点については、プランによっては専門スタッフによるアドバイスやサポート制度を設けているサービスもあります。
それでもやはり売上が安定するまではコストがかさみやすい点は覚えておくべきでしょう。

2.ショップの売上や目指したい規模

そのショップの規模をどこまで大きくしようと考えているかという観点は非常に大切です。
有料カートを利用し、プランに費用をかければかけるほど機能は充実していきますが、個人での販売であれば無料ECカートもしくは安価なプランで十分である可能性はあります。
企業として大規模に商品を販売していきたいのであればそれを見据えた上で計画を立てることをおすすめします。
最初はECカートでショップを開き、規模が大きくなってきたらECパッケージやフルスクラッチで改めてECサイトを作り直すといったプロセスを検討してもいいでしょう。

3.商材やターゲット・ブランディングの目標

たとえば商品の取り扱い種類は多いのか限定的か、定期購入をメインとしているのかどうかによっても選ぶべきECカートは変わってきます。
またBtoCとBtoBでは売り方が違いますので、BtoBの商材を取り扱うならBtoB向けのECカートシステムを採用すべきですし、ブランドのイメージを大切にしたい場合はデザインテンプレートが充実したECカートシステムを選ぶのも一つの方法でしょう。
多言語に対応しているカートを使えば越境ECに取り掛かりやすくもなります。
このように、自分のショップの商品はどういったターゲットにどういった売り方をしていくものなのかを事前にきちんと整理した上でECカートを選ぶようにしましょう。

4.登録できる商品数

3と少し似た項目にはなりますが、ECカートによっては登録できる商品数や使える容量に上限があり、制限を解除するために別途費用が必要といった場合があります。
自社の取扱商品がどれくらいの種類まで増えていくか、一つの商品情報を登録するためにどれだけの容量が必要になるかといったことをあらかじめ確認しておきましょう。

5.決済方法の選択肢

現在ネットショッピングにおいて最も使われている決済方法はクレジットカートです。
次いで銀行振り込み、現金代引きと続いてます。

最低限この3つの決済方法が選べなければカゴ落ち(商品をカゴに入れたままショップを離脱すること)してしまう可能性が大きく上昇します。
また、最近ではLINEPayのようなキャッシュレス決済を利用できるサービスも増えています。

キャッシュレス決済では個人情報を入力する手間がある程度省けますので、ユーザーからフォーム入力という煩雑な操作を取り除きスムーズに買い物してもらえるという点で、キャッシュレス決済の採用は利益が高いと言えるでしょう。

6.カートシステムの安定性・機能性

ECカートを契約する場合、見落としがちな点が提供している会社の安定度です。
サービスを提供している会社が事業から徹底してしまったらサービスは強制的に解除となってしまうため、ネットショップを存続させるには別のショッピングカートを契約する必要があります。

データを移行してショップページを作り直す手間がかかるのはもちろん、それまでの間ショップを利用することは出来ませんし、それまでサイトページに蓄積されてきた情報やSEO対策の効果も全て無くなってしまうため、非常に大きな損失となるでしょう。
ECカートそのものの費用や機能性ももちろん大切ですが、提供している会社の信頼性や実績等も事前に確認する事をおすすめします。

7.集客サポートの有無

自社ECサイトは基本的に自力での集客が必要です。
ECカートシステムの中では集客サポートが利用できるものがあります。

広告やSEO対策のノウハウが無い、人手が足りないといった場合は集客サポートのあるECカートシステムを選ぶのもおすすめです。
ただしそういったサポートはほとんど有料プランにしか含まれない点は覚えておきましょう。

おすすめのECカート

ここまでECカートの特徴や選び方について解説してきました。
それを踏まえた上で、ここではそれぞれ特徴的な強みを持ったおすすめのECカートを紹介していきます。

「カラーミーショップ」-アパレルやコスメに強いECカート

カラーミーショップは2005年から運営されている歴史の古いECカートシステムであり、安定感は随一です。
また無料プランと有料プランが両方存在しているため、まずは無料プランを試してみて機能に物足りなさを感じなくなってきたら有料プランへ移行…という風に方針を切り替えることが可能です。

そしてデザインのテンプレートがかなり充実しており、アパレルやコスメといった見た目の印象が大切な商材も楽におしゃれに見せることが出来ます。
一方でスタッフによるサポートは、無料プランの場合はメール受付のみになりますので、全く知識がない状態から運営を始めるという場合、ある程度は自分で疑問を解決する能力が求められます。

「STORES」-低コストで始められるECカート

STORESの大きな特徴は非常に低コストで始められる点です。
無料プランがあるのはもちろん、スタンダードプランでも月額料金は1980円と破格の安さを誇ります。
それにもかかわらず手数料の割合が低く設定されており、利益を出しやすいECカートシステムだと言えるでしょう。

またInstagramとの連携が実装されており、商品画像としてInstagramに投稿した画像をそのまま利用できるという独自性があります。
食品やアパレルといった写真で華やかに見せやすくInstagramでも人気を誇るジャンルの商品を取り扱う場合は特におすすめです。

ただしHTMLとCSSの編集が出来ないためカスタマイズの幅が限定されており、ある程度ネットショップの運営に慣れてくると物足りなく感じてしまうかもしれません。

「Easy Myshop」-集客対策も可能な無料ECカート

Easy Myshopは名前の通り簡単にネットショップ開業が出来ることにこだわられたシステムです。
初期費用・月額費用が無料のプランと、初期費用3,300円+月額費用1,980円~の有料プランがあり、有料プランであっても比較的気軽に利用することが出来ます。

自社ECサイトでは集客が課題となりますが、Easy Myshopの連携機能を使えば、利用者数の多いSNSであるFacebookでタイムライン投稿を行ったり、大手ECモールのYahoo!ショッピングに出品してそこからショップに誘導させたりといった形で効率良く集客を行えます。

しかし、無料プランではデータ容量が100MBまでと非常に少ないため、商品の種類や画像枚数が多いショップでは利用が難しい面があると言えるでしょう。

「たまごリピート」-定期購入専門のECカート

生活必需品や健康サプリ、基礎化粧品のような、定期的に補充する必要があるアイテムを、月に一度など決まった頻度に配達する契約形態を「定期購入」と呼びます。
定期購入は、単品をその都度購入してもらうよりも商品をリピートしてもらいやすいということでよく使われている販売モデルです。

「たまごリピート」はこの定期購入に特化したECカートで、商品のお届け頻度や曜日だけでなく、購入回数による割引の設定といった定期購入向けの機能がしっかり充実しています。
ステップメール機能も搭載されているため、トライアル品を試しているユーザーに定期購入を勧めたり、既に定期購入しているユーザーに更に上のコースを提案したり(アップセル)といった誘導が設定ひとつで可能になります。
しかし欠点として、管理画面は文字サイズがやや小さく、レイアウトも洗練されていないため、慣れるまでに少し時間がかかるかもしれないことが挙げられます。

「Bカート」-BtoB取引に特化したECカート

BカートはBtoB、つまり企業間取引に特化したECカートシステムです。
既に1,000社以上の企業が導入しており、サービスとしての実績と安定感は充分だと言えるでしょう。
BtoBならではの複雑な受注処理や帳票発行が一括で行える上、顧客ごとに表示する商品や単価、決済方法を変更するといった機能も付いています。

またBtoB向けECカートシステムの中でも珍しい「後払いサービス」が利用可能になっているのも特徴的です。
しかし、他のECサイトとの連携機能は実装されていないため、「既にショップを開いているがBカートに移行しようと考えている」という場合などは多少の手間がかかることは覚えておきましょう。

「Shopify」-越境ECにも対応できるECカート

ターゲットユーザーを日本国内ではなく海外に設定して行われるECを「越境EC」と呼びます。
国内向けのECカートシステムでは越境ECへの対応が難しいことがありますが、Shopifyは様々な観点から越境ECに向いているECカートシステムだとされています。

その理由の一つとして、閲覧した国や地域ごとに最適な環境でサイトが表示される「CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)」が標準機能として実装されていることが挙げられます。
また、Shopifyは50の言語と130ヶ国以上の通貨、そしてPayPalを含む世界各国の100種類以上の決済方法にも対応しており、翻訳等に使われるシステムを導入するための専門知識が無くても海外向けにショップを開くことが可能です。

一つ注意が必要なのは、元々Shopifyはカナダ発のECカートサービスですので、詳細な情報は英語でしか掲載されていないことがある点です。
英語を読み解く知識がないと運用方法が分からなくて困ってしまう場面があるかもしれません。

まとめ

ここまで、ECカートとはそもそもどんな特徴やメリット・デメリットを持ったものなのかを説明してきました。
また、ECカートの比較方法や実際におすすめのECカートシステムについても紹介しましたが、開くショップの種類によって最適なECカートは異なります。

一度導入したECカートとは長く付き合っていくことになりますので、口コミ等も参考にしながらじっくり検討するようにしましょう。
自分のネットショップに合うECカートサービスを探す際、このページの内容が参考になれば幸いです。
 

 

 

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