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- 2024年8月30日から9月5日までのECに関連する注目のニュースを5つピックアップして紹介します。本ニュースは物販ビジネス専門メディア「コマースピック」の提供です。
本日ご紹介するニュースは次の5つです。
1、ボイスコマースプラットフォームが登場!会員登録が音声で可能に
2、事前決済に対応した抽選販売を実施できる新サービスが登場
3、ポップアップストアの活用理由や集客方法は?
4、日本郵便、ゆうパック同一あて先割引の条件緩和を発表
5、気になる富裕層の消費動向調査
1.ボイスコマースプラットフォームが登場!会員登録が音声で可能に
AI技術と電話を組み合わせたボイスコマースプラットフォームを開発・提供するテレ株式会社は、これまでに実証実験を進めてきた「eショップボード」に、ECサイトのかご落ちを防ぐ電話受付専用サイト機能を追加し、「テレAIカート」として正式にローンチすることを発表しました。Eコマースとボイスコマースで煩わしさを排除し、誰もが気持ちよく商品を購入できる販売チャネルを構築するとともに、事業者の顧客獲得単価の削減に貢献するとのことです。
テレAIカートはスマホ画面で商品を選び、電話で注文受付するボイスコマースプラットフォームです。「タップ」と「声」だけで注文が完結する新しい消費体験を提供します。テレAIカートでの商品選びは、従来通りのECサイトのようにほしい商品をタップし、買い物かごに入れるだけ。「注文へ進む」をタップすると専用の電話番号が画面に表示されます。注文手続きは表示された専用の電話番号に電話し、自動音声にしたがって「氏名」や「住所」などの必要情報を言うだけで完了するため、一般的なECサイトでの注文手続きで必要なフォームへの「文字入力」がいりません。事業者側は、吹き込まれた音声データがAIにより自動で受注データとして処理されるため、入電対応のために人を配置する必要がなくなり、「24時間365日電話注文を受け付ける」という新たな販売チャネルを、最低限のリソースで構築できるとのことです。
2.事前決済に対応した抽選販売を実施できる新サービスが登場
株式会社Stack(スタック)は、Shopify(ショッピファイ)を中心としたECカートとデータ連携を行い、事前決済に対応した抽選販売を実施できる新サービス「FAIR (フェアー)」を公開しました。
「FAIR」は、マーチャントが自社のECサイトに登録した商品情報や顧客情報を活用し、事前決済に対応した抽選販売を実施できるサービスです。このサービスにより、従来の抽選販売における様々な課題を解決することが可能となります。
抽選結果が発表された時点で当選者の決済が自動的に行われるため、代金の回収漏れが発生しない仕様になっています。当落方法は、「手動」「ランダム」「CSV」の3パターンを用意しており、抽選の規模に応じて使い分けることが可能です。
また、既存の顧客情報を元に抽選を行うことで、顧客の属性に応じて当落ロジックを組み変えることができます。連携しているECカートに顧客登録がされていないとエントリーに進めない仕組みや、認証コードを使った応募時の本人確認などの仕組みを導入し、Botや転売目的の応募や当選を防ぎます。
事業者が手間に感じていた作業がシステムで管理できるようになり、価格も控えめなので今後の拡大に期待できますね。
3.ポップアップストアの活用理由や集客方法は?
株式会社COUNTERWORKS(カウンターワークス)は、ポップアップストアの出店支援プラットフォーム「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」に登録いただいている出店者101人を対象に、「リアル店舗の出店実態調査2024」を実施しました。
ポップアップストア・催事の出店場所として重視するポイントを尋ねたところ、「出店コスト」が81.2%と最も多く、次いで「人通りの多さ」が77.2%と上位にあげられました。それ以降、「ターゲット顧客の流入」や「ショッピングモールや商業施設」が支持されることから、ポップアップストア出店において人流は必要条件と言えるでしょう。
ポップアップストアの集客時の施策として当てはまるものは「インスタグラムの通常投稿」と回答した方が圧倒的に多く8割超となりました。次いで「Xの通常投稿」は25.7%と大きく差が出る形になり、「インスタグラムの広告」「Facebookの通常投稿」「LINE」が同率で20.8%となっています。
ポップアップストアの出店時および出店後、ECサイトに影響があったかどうかについて尋ねたところ、「特に影響はなかった」と回答した方が約4割となり、なんらかの好影響を感じた人は6割近くいることがわかりました。具体的には、「アクセス数が増えた」が最も多く、次いで「売上が増えた」と回答した方が3割近くと、多くの方がポップアップストア出店とECサイトとの相乗効果を体感している結果となりました。
4.日本郵便、ゆうパック同一あて先割引の条件緩和を発表
日本郵便株式会社は、2024年10月1日から、ゆうパックの同一あて先割引の条件を緩和すると発表しました。ゆうパックの同一あて先割引は、お客さまにゆうパックを繰り返しご利用いただけるよう、1 年以内に発送したゆうパックまたは重量ゆうパックの「ご依頼主控」を添えてこれと同じ種類およびあて先のゆうパックを差し出すと、1 個につき60円を割り引くサービスです。
現在、割引の条件として同じ種類のゆうパックにのみ限定して割り引くことにされていますが、これまで以上にゆうパックを身近なサービスとしてご利用いただけるよう、一般のゆうパックと重量ゆうパックの組み合わせでも割引を適用するよう、条件を緩和するとのこと。重量ゆうパックは重さが25kgから30kg以下の荷物が対象になるため、利用されることはそこまで多くはないかと思いますが、こういった形で配送料が抑えられるのは事業者にとって良いことと言えるのではないでしょうか。
5.気になる富裕層の消費動向調査
デロイト トーマツでは、国内富裕層のライフスタイルや消費行動などを把握するため、2024年5月に世帯年収2,000万円以上の全国20歳~79歳の男女1,821人を対象に、WEBアンケート「国内富裕層意識・購買行動調査」を実施しました。
生活に関する価値観においては、節約や貯蓄を重視する意向が高い一般消費者に比べ、富裕層は「ウエルビーイングな生活を重視したい」「他より少し高価であっても上質なものを生活に取り入れたい」「人生の価値を高める特別な体験を重視したい」といった生活の質を高める意向が高く、より良い生活条件や幸福感を追求する意識が窺えます。また、7割以上が「自分の好きなことに対しては支出をいとわない」「趣味や好きなことを深く極めたい」と回答しており、個人の興味を追求するために時間や資金を惜しまない傾向が窺える結果となりました。
消費に関する価値観においては、世帯年収に係わらず7割が「自分が気に入ればブランドや評判は気にならない」、6割が「情報に踊らされることにうんざりしている」と回答しており、自分自身の好みや直感を重視するとともに、過剰な情報の流れに対して疲弊や不満を感じていることが示されました。そのほか、一般消費者のコストパフォーマンスに関する意識は高く、半数以上が「何よりも値段やお得さを最優先したい」と回答している一方で、富裕層の6割が「自分にあう商品・サービスを提案してほしい」「自分向けにカスタマイズできる商品・サービスに魅力を感じる」「接客やサービスを受けるときのサポートの充実度を重視している」と回答しており、自分に最適な商品やサービスを求め、その選択と購入過程での充実したサポートを重要視していることが示される結果となっています。
一般消費者と富裕層で価値観の差は大きいため、画一的なサービス提供を行うのではなくお客様に応じたコミュニケーションがEC運営においても求められるのではないでしょうか。
以上、ECの未来®NEWSでした。