2021年10月7日「メルカリShops」が本格オープンしました。
メルカリShopsは「かんたんで、売れる」をコンセプトにしたネットショップ作成サービスで、ハンドメイド作品やオリジナルグッズ、農家直送の野菜・果物などさまざまな商品を販売できるECプラットフォームで、従来の企業販売よりも個人の販売向けに特化したサービスと言えます。
ただメルカリそのものとメルカリShopsとの違いが分かりづらい声もあるため、今回はまとめてみたいと思います。
メルカリShopsとは
メルカリShopsとは、フリマアプリでおなじみの「メルカリ」が提供するネットショップ作成サービスで、個人クリエイターや生産者などの小規模事業者でも、簡単かつ無料でネットショップをはじめられるECプラットフォームです。
これまでのメルカリでも新品商品を販売することが可能でしたが、もともと1点物を売るフリマアプリということもあって、在庫管理はできないなど、商品として売りつづけるには重大な欠点がありました。
さらに購入希望者から値下げ交渉を受けたり、新品を売りたい小規模事業者やハンドメイド作品を売りたい個人には不向きでしたが、メルカリShopsであればれっきとしたネットショップになりますので、在庫管理もできますしメルカリのような値下げ交渉もありません。
さらにメルカリと同じ出品の流れで使えるので、メルカリユーザーであれば難なく簡単にネットショップを開設できるのは大きな強みと言えるでしょう。
メルカリとの違い
前項でさらっと述べましたが、フリマアプリ「メルカリ」とネットショップ作成サービス「メルカリShops」には実際には以下の主な6つの違いをご紹介していきます。
・ 運営者の氏名や住所が知られる
・ 配送方法が少ない
・ 値下げ交渉に応じる必要がない
・ 在庫管理が可能
・ 中古品は許可が必要
・ 販売利益が5,001円を超えないと振込申請ができない
運営者の氏名や住所が知られる
メルカリでは、自分のプロフィールページに個人情報を掲載することなく取引ができましたが、メルカリShopsはECサイトなので特定商取引法に基づきこういった住所などの開示を義務付けられています。
メルカリでは匿名配送を使うことで、購入者に氏名や住所を知られることがありませんでしたが、メルカリShopsでは、アプリ上では表示されませんが、ユーザーが開示請求を行えば、ショップ運営者の氏名・住所・電話番号を知ることができますので、個人情報を開示する方には抵抗があるかもしれません。
なお他のネットショップ作成サービスでも同様にショップ運営者の氏名・住所・電話番号を知ることができますので、完全に匿名にするのはできません。
配送方法がまだまだ少ない
メルカリShopsでは、今のところ「らくらくメルカリ便」のネコポス・宅急便コンパクト・宅急便しか使えませんので、メルカリに慣れた人にとっては使いづらい印象があります。
値下げ交渉に応じる必要がない
メルカリは値下げ交渉があり、販売価格よりも安く買いたい人が、販売者に対して「お値下げ可能でしょうか?」などとメッセージを送れますが、販売側にとっては嬉しくないやりとりでした。
メルカリShopsには、こういった値下げ交渉がないのでこの辺は嬉しいところでしょう。
在庫管理が可能
メルカリはもともと「不用品を売る」がコンセプトなので「在庫」という概念がなく、在庫数やサイズ・カラー展開といった設定がありませんでした。
そのため在庫数やサイズ・カラー展開のある商品を売るには、1点ずつ出品する手間がかかりましたが、メルカリShopsでは、価格・在庫数・サイズ・色を設定して在庫を一括管理しながら販売できます。
中古品を売るには許可が必要
メルカリは「自宅の不要品を売るため、商売ではない」とのことなので「古物商」には該当しませんでしたが、メルカリShopsで中古品を売る場合、利益をあげることを目的としてネットショップを立ち上げ、中古品を繰り返し仕入れ販売するため、「古物商」に該当する可能性がありますので、メルカリShopsで中古品を販売したいのであれば「古物商許可」を取得する必要があります。
販売利益が5,001円を超えないと振込申請ができない
メルカリShopsでは、販売利益(商品販売価格から販売手数料を除いた金額)が5,001円以上の場合に振込が可能になります。振込は任意のタイミングではなく、販売利益が5,001円を超えると、翌月10日(金融機関休業日の場合はその前日)に登録口座へ支払われます。
ただメルカリとは異なり、売上金の獲得から180日経つと失効してしまうという振込期限はメルカリShopsにはないので安心といえます。
他社サービスとの違い
メルカリShopsの競合となる国内のネットショップ作成サービスには、「BASE」「STORES」「カラーミーショップ」などがありますが、メルカリShopsは販売手数料が10%と高い反面、集客に強いといった面があります。
メルカリShopsは、月間利用者数1,900万人以上の「メルカリ」アプリ内にネットショップを持つことができ、さらにフリマと同様にAIによるマッチングを導入するため、必要な人に最適な商品を届けられます。
BASEやSTORESに代表されるASP型ネットショップは完全に独立したお店となるため、自分で集客をしなければ売り上げにつながりません。
そのため、集客のノウハウがない人は「ネットショップを立ち上げても、まったく売れない」という状況に陥ります。
その反面、モール型ネットショップであるメルカリShopsは集客に優れているため、ショップに訪問するお客様が多く、売れる可能性が高くなるといえます。
ただし販売手数料は規模が拡大するほどネックになりますので、そのあたりは調整する必要があるでしょう。
まとめ
メルカリShopsは初期費用・月額利用料が無料でネットショップを開設できること、在庫管理が可能になることなど様々なメリットはありますが、反面配送に関しては、まだゆうゆうメルカリ便などが使えなかったり、匿名配送は使えますが、ユーザーから開示請求があったら個人情報が見られたりする点もあります。
これらの特徴を充分に理解された上で、販路拡大を検討している方は、ぜひメルカリShopsで出店してみてください。