EC・通販サイトもいまや標準となりつつあるキャッシュレス・消費者還元事業は大手のオンラインショップを運営している店舗様はほとんど導入済みでしょうが、個人で運営している店舗様のなかにはまだキャッシュレス決済を導入していない方もおられます。
今回はキャッシュレス決済導入する際のメリットと、キャッシュレス決済導入後のユーザーの誘導や表示を見直してみましょう。
キャッシュレス・消費者還元事業を活用しよう
2019年10月から実施された「キャッシュレス・消費者還元事業」で、クレジットカードや電子マネーなど、キャッシュレスでの支払いに対して、支払額の5%または2%を消費者に還元するという制度はいまは周知のことと思われます。
このキャッシュレス・消費者還元事業は、EC・通販サイトを運営している事業者であっても、中小・小規模事業者の条件を満たせば対象となりますので、下記に該当する方はぜひ6月末のキャッシュレス・消費者還元事業に取り組む価値はあります。
・資本金の額または出資の総額が5,000万円以下の会社
・常時使用する従業員の数が50人以下の会社および個人事業主
対象の決済手段は、各種クレジットカード、デビットカード、QRコードなどで、一般的な購買に繰り返し利用できる電子的決済手段が条件です。
キャッシュレス・消費者還元事業とは?
キャッシュレス・消費者還元事業は、経済産業省により実施される制度で2019年10月1日(火)の消費税増税から2020年6月30日(火)まで施行されるキャッシュレス決済促進と増税による消費の冷え込みを抑えることを目的としています。
キャッシュレス・消費者還元事業の内容は、施行期間中に特定の店舗でのキャッシュレスによる支払いに対してポイントを還元するものであり、現金での決済については適用外で、あくまでキャッシュレス決済が対象となります。
キャッシュレス・消費者還元事業を活用するのであれば、まず中小・小規模事業者の対象となっているのか確認、対象であれば決済サービスの事業者経由でキャッシュレス・消費者還元事業への参加を申し込みます。
国・事務局の審査が通れば登録完了となり、ポイント還元サービスを消費者に提供することが可能となりますので、まだ未導入の方は早めに申請しましょう。
キャッシュレス決済のメリット
売上アップに直結する
EC・通販サイトを利用するお客様は、キャッシュレス決済を活用するだけで、ポイントが還元されますので、当然ですがポイント還元できないECショップよりも還元ができるEC・通販サイトを利用する傾向になります。
特にカタログ商品を取り扱っているEC・通販サイトにとっては、売上アップにつながる可能性が高まると言えるでしょう。
決済手数料が抑えられる
キャッシュレス・消費者還元事業の期間中、決済手数料は3.25%以下であり、決済手数料の3分の1が補助金で還元されるため、キャッシュレス決済の決済手数料は「2.17%以下」と低手数料で抑えられます。
端末は不要
EC・通販サイトであれば、そもそもキャッシュレス決済に対応しているため、実店舗床となり、キャッシュレス決済用の端末を用意する手間が不要になります。
キャッシュレス決済導入のハードルが低いのは、EC・通販サイトのメリットといえます。
キャッシュレス決済のデメリット
災害時に使えない可能性がある
キャッシュレス決済は電気&通信が命のため、山奥だったり工事や災害が起こると停電や通信障害が起き、決済できなくなるトラブルがあります。
ただスマホを使ったQRコード決済であれば消費者のスマホの電波さえ通じていれば決済が可能なので、クレジットカードよりもスマホを使ったキャッシュレス決済サービスの方が、災害に強いといえます。
金銭感覚が狂いがち
クレジットカードもそうですが、キャッシュレス決済は、手元に現金がなくても支払いができるため、ついつい使いすぎてお客様が破産してしまうケースも珍しくありません。
使えるのは加盟店のみ
キャッシュレス決済は、サービスを導入した加盟店でのみ利用が可能ですので、クレジットカードは使えても、電子マネーは使えないなど、使えるサービスも異なるため、事前に確認が必要だったりします。
とはいえキャッシュレス決済を導入している店舗は急速に増えていますので、将来的にはこういった問題は薄まるでしょう。
チャージ後の再現金化は難しい
プリペイドは何度もチャージするのが面倒なので多額の現金をチャージをしがちですが、一度現金をチャージすると再現金化しづらく、現金が必要になる時に手元にないと不便になるときもありますので注意しましょう。
キャッシュレス化の流れは今後も続く
ャッシュレス・消費者還元事業によって、キャッシュレス決済の裾野は大きく広がっています。消費者がキャッシュレスの利便性を感じることで、キャッシュレスの普及はさらに加速していくと見られます。
さらに2020年9月から「マイナポイント事業」の開始を予定しており、マイナンバーカードとキャッシュレス決済の普及を絡めた政府の施策で、引き続きキャッシュレスのさらなる普及を推進するべく、力を入れていくと見られています。
6月末でキャッシュレス・消費者還元事業の期間は終了するも、このようにキャッシュレス決済促進の施策は当面続くため、導入しない店舗さまは取り残されていく傾向にあります。
まとめ
キャッシュレス・消費者還元事業によりキャッシュレス化が進んでおり、いまやEC関連事業者にとっては欠かせない決済手段も増えていきます。
キャッシュレス決済を導入しない店舗は対応している競合店舗に呑まれる可能性もありますので、まだ導入されていない店舗様は機会損失を起こさないよう、早めに導入をご検討ください。