今回ゲスト、リンテクト・ジャパン株式会社 前田 啓佑 氏は、中国での海外起業を起点に、「ものづくり」と「仕組み化」を軸とした事業モデルを構築し、家電や生活雑貨ジャンルでAmazon・楽天市場ランキングNo.1を多数獲得。経営コンサルティング分野では、数百億円規模の企業改革に携わり、半年で約1億円のコスト削減を実現されていらっしゃいます。
前田氏に『D2Cのモール戦略』についてお話をお伺いしました!
▽なぜD2Cなのに自社ECではなくモールに注力するのですか?
私たちは企画・製造・販売まで一貫して行い、家電や生活雑貨をオリジナルブランドとして展開しています。いわゆるD2Cに近いモデルですが、主戦場は自社ECではなくモールです。一般的にはD2Cは自社サイトでブランドの世界観を伝えるというイメージがありますが、モールでも十分に成長は可能だと考えています。その理由は、モールの方が再現性高く売上と利益を積み上げやすいからです。ただし、特別なテクニックや裏技があるわけではありません。重要なのは「当たり前のことを徹底すること」、つまり凡事徹底です。多くの企業がやっていることを、何倍も深くやり切ることが成果の差につながります。
▽モールで伸びるために重要なことは何ですか?
モールで成果を出すために最も重要なのは、数値に基づいた改善を徹底することです。どの商品にどれくらいのPVがあり、どの施策でCVRがどう変化したのかを日々確認し、効果のない施策はやらないという選択と集中を行います。ここでのポイントは、商品の入れ替えではなく「作業の選択と集中」です。オリジナル商品は簡単に入れ替えられないため、サムネイルの改善や商品ページの修正、レビューの質向上、マニュアルの見直しなど、どこに時間を使うべきかを数字から判断します。PVやCVR、レビューといった要素を分解し、相関や再現性を見ながら改善を回し続けることが、最終的な成長につながります。
▽なぜ売上ではなく粗利を最優先にすべきなのですか?
私たちは売上ではなく粗利を最も重視しています。売上が伸びていても利益が残らなければ意味がなく、むしろリスクが高まるからです。そのため、商品1つあたりにかかるコストを徹底的に分解して管理しています。輸送費や倉庫保管料は商品単位に按分し、在庫回転期間も加味してコストに組み込みます。さらに、モール手数料やポイント還元、割引、キャンペーン費用などもすべて含めて粗利を算出しています。そのうえで、「この施策でいくら利益が残るのか」を基準に広告やキャンペーンの実施を判断しています。売上に対して何%という感覚的な運用ではなく、利益ベースで意思決定することで、売上は伸びているのに現金が残らないといった状態を防ぐことができます。
▽運用面で意識していることはありますか?
基本は「まずやる→数字で検証→良ければ続ける、悪ければやめる」というPDCAを高速で回すことです。特に重要なのはやめる判断です。売れていても利益が出ない施策は意味がないため、数字を見て即座に停止します。一方で、一度失敗した施策でも商品やタイミングによって結果が変わるため、完全に切り捨てず再検証も行います。このように試行錯誤を繰り返しながら、再現性のある成功パターンを見つけていきます。また、やらないことを決めることも重要です。売上や数量を無理に追わない、競合の価格や施策を追いすぎないといった判断です。競合はコントロールできないため、それに引っ張られると消耗戦になります。自分たちはあくまで顧客に価値を提供することに集中し、利益を軸にした意思決定を徹底することが、結果的に持続的な成長につながります。
~第347回 ゲスト~
前田 啓佑 氏
リンテクト・ジャパン株式会社
代表取締役
1986年生まれ、横浜市出身。東京工芸大学大学院修了後、大手自動車メーカーで安全制御システムの開発を経験し、2014年にD2Cメーカー「リンテクト・ジャパン株式会社」を創業。中国での海外起業を起点に、「ものづくり」と「仕組み化」を軸とした事業モデルを構築し、家電や生活雑貨ジャンルでAmazon・楽天市場ランキングNo.1を多数獲得。
経営コンサルティング分野では、数百億円規模の企業改革に携わり、半年で約1億円のコスト削減を実現。世界的な起業家団体の理事としても活動し、限られた資源を最適化して成果を最大化する「仕組み化」のプロフェッショナルとして、「子どもが大人に憧れる社会」の実現に向け、幸せハックの普及と実践に取り組んでいる。
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