自分の仕事を楽にするため?ネットショップ必見のnoteプロデューサー流、情報発信とは? 【episode107】

PR・ブランディング編 マーケッター編

今回ゲスト、note株式会社 noteプロデューサーの徳力氏は、NTTにて法人営業やIR活動後、IT系コンサルティングファームや、アリエル・ネットワークでのブログを活用したマーケティング、PR業務に従事され、現在はnoteプロデューサーとして、ビジネスパーソンや企業におけるnoteやSNS活用のサポートされています。

noteプロデューサーの徳力氏に『ネットの情報発信のコツ』についてお伺いしました!

▽『ブログを続けていくのがなかなか大変なのかなと思うのですが?』

個人的に皆さんの脳を整理した方がいいと思うのは、組織の論理と個人の論理というのがマスマーケティングとSNSの世界で全然違うということですね。
マスマーケティングは、マスメディアという読者がいる人たちに対して企業はお金を払っているので、組織の論理で宣伝をするのは当たり前なんですよね。
でもSNSの世界というのは基本的に個人同士の会話の世界なんで、土足で入ってこられると嫌なわけですよ。
やっぱりこの個人の論理の世界において、この組織の論理で宣伝で入ってくるというのは相性が悪すぎるんです。
まずSNSをするときにお客さんの立場で、このお客さんと一緒に会話に入るようなイメージをしていただきたいんですけど、このときに情報発信という言葉が邪魔になると思っているんです。
「noteで文章を書かなくちゃいけない」「情報発信しなくちゃいけない」となるんですよね。
ECをやっているようなお店の方にお勧めしているのは、不特定多数の認知を取ろうとして情報発信をするのではなくて、普段のコミュニケーションをデジタル化してみて欲しいということです。
通常の接客で何をしているかというと多分、メールのやり取りやLINEのチャットのやり取りで、1対1なんですよ。
「プッシュのコミュニケーション」なんですね。
デジタル上には、プッシュのコミュニケーションとプルのコミュニケーションがあります。
ここがすごく重要だと思っていて、デジタルによって実は革命が起きたのはプルのコミュニケーションの方なんですよ。
プッシュのコミュニケーションは便利なんですが、一人一人にやらなくちゃいけないので大変なんです。
送りすぎるとウザくなってくるので、相手にとってノイズになるタイミングもたくさんある。
だからプッシュっていうのは便利なようでいて結構、諸刃の剣なんですね。
NTT時代、仕事で何か壁にぶつかると、同期のメーリングリストに熱いNTT への思いを送ったりしていました。
同期からしてもうぜぇやつだったと思うんですよ。
僕がブログに書いているのは実は似たような話なんですよね。
誰かに話を聞いて欲しいんだけどもメーリングリストで皆にメールを送ると迷惑になるから、僕はブログに独り言として書いてるんです。これがプルのコミュニケーションなんですよね。
一見、メルマガでみんなに送りつけた方が読んでくれそうに思うんですけど、僕の独り言を今読みたいと思う人は誰もいないんですよ。
でもブログとかSNSが面白いのは、たまに「実はそれを求めてました」という人が向こうから現れるんですよね。
だから、プッシュとプルの使い分けをお店はやらなくちゃいけないと思うんですよ。

▽『言葉や思いだけだとストックにならないんですよね。』

おっしゃる通りポイントだと思うんですよね。
従来のやり方を、無料のインターネットでやろうというやり方が多いんですけど、でも本当の一番の革命はおっしゃるように言葉が残るところにあるんですよね。
こだわりってものの評判の伝播の仕方もすごいことになってるんですよね。
今までだったら感動した人のうちの何割かが周りに、あのお店面白いよ、という風に口で伝えようとしてくれていたと思うんですけど、これは確率論でいうとめちゃめちゃ小さいわけですよ。
でもインターネット上にはそれがちゃんと残るので、本人の思いを書いたものが残ればリンクで紹介してくれたり、それをまたnoteやTwitterで紹介してくれる人が出てくるわけです。
従来から口コミはとても重要だったんですけど、この消えちゃう口コミが、残る口コミになったことによってめちゃめちゃ口コミの影響力が上がってるんですよね。

▽『フォロワー数を気にする人が多いと思いますが、逆に好きな人にだけ読んでもらえたらいい、という風に書くといいのでは?』

その順番が失敗しにくいと思います。
話題になってフォロワーが増えてビジネスがうまくいく、というようなものを最初から期待しても9割以上の人はそうはならないです。
僕のオススメは、自分の仕事を楽にするために書いてほしいんですよね。
同じ質問が何回も来ているのを、毎回、長文のメールを書いて送ってるんだったら、一個ブログに書けばそれをリンクを送るだけで済む。仕事がちょっと楽になるはずなんですよね。
デジタルって実は楽になる要素があるのに、みんな新しく情報発信を始めなきゃいけないと思いがちです。
日々の接客や日々の発送業務で忙しいのに、仕事増えるの?と思っちゃうから始められないんですよね。
まずそこを楽にするために、noteやTwitterにその文章をいっぺん書いちゃえば、先にそれを読んできてくれたお客さんには、質問されることも少なくなりますよね。

この他にももりだくさん、ネットでの情報発信について公開しています。

ECでの情報発信をご検討中の企業様のご参考になるかと思います。

それでは、徳力氏流「ネットでの情報発信のコツ」、ぜひお楽しみください!

「ECの未来」episode107 ポイント

ネットの情報発信のコツ

~第107回 ゲスト~

徳力 基彦(トクリキ モトヒコ)氏
note株式会社
noteプロデューサー/ブロガー

NTTやIT系コンサルティングファーム等を経て、アジャイルメディア・ネッ
トワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。代表取締役社長や
取締役CMOを歴任。
現在はnoteプロデューサーとして、ビジネスパーソンや企業におけるnoteや
SNS活用のサポートを行っている。
個人でも、日経MJやYahooニュース!個人のコラム連載等、幅広い活動を行っ
ており、著書に「普通の人のためのSNSの教科書」、「アルファブロガー」
等がある。

~ECの未来 チャンネルMC~

柳田 敏正(ヤナギダ トシマサ)氏
株式会社柳田織物&
代表取締役

1971年4月生まれ。
1994年法政大学卒業後、(株)バーニーズジャパン入社、横浜店にてメンズ全般の接客に従事。
1999年退社し(株)柳田織物に入社。
2002年オリジナルのシャツを販売する自社ECサイト「ozie」を開設し、BtoCへ進出。
2011年にOSMC(オンラインショップマスターズクラブ)最優秀実践者賞受賞。
2012年第4回エビス大賞 大賞受賞。
2013年4月代表取締役に就任。
2014年、六本木一丁目にショールームをオープン。
EC4店舗を運営。

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