ECサイトの集客施策として、セールやキャンペーンを導入するケースは多くみられます。
楽天スーパーセールやAmazonプライムデーなどはその最たるものではないでしょうか。
セールを行うと広告宣伝効果も期待でき、事業者でも積極的に施策を取り入れる動きがみられるもの、一方でセールに対して過度に期待すると期待外れに終わることもあります。
今回は、ECサイトでセールやキャンペーンを成功させるためにもセールのメリット・デメリットを押さえ、施策を成功させるためのポイントを押さえていきましょう。
目次
ECサイトでセールを行うメリット・デメリット
ECサイトではシーズンイベントや創業月、決算月といったタイミングでセールやキャンペーンを実施します。「最大60%オフ」「お得セット販売」といった値引きや「ポイント還元率5倍」といったポイントセールなどが一般的です。
Amazonや楽天といった大手ECモールでは大々的にセールを実施し、その度にニュースやSNSで大きく取り上げられるなど、ネットショップでは効果の高い施策の1つとして定着していますが、一方でセールに頼りすぎることの弊害があるのも事実です。
セールを行うメリット
- 集客効果が高まる
- 新規ユーザーを獲得できる
- 商品を実際に使ってもらえる
- 在庫処分ができる
セールを行う最大のメリットは、なんといっても集客効果が高まることでしょう。
サイトへの流入が増えれば、それだけ商品を購入してもらう可能性が高まりますし、普段はサイトに興味を持たないユーザーでも、「セールでお得なら覗いてみよう」と訪問を促すことができます。
このように新規ユーザーを獲得し、関係を築くきっかけとなります。
また、セール期間に商品を購入してもらうことで、実際に自社商品を試してもらえる点もメリットです。
普段は手が出ない価格でも、割引価格でなら購入してみようというユーザーは少なくありません。
ここで商品の使用感やクオリティに満足してもらえば、セール時以外でもリピート購入を期待できるでしょう。
また、事業者にとっては在庫処分ができる点もメリットです。
ECではどうしても商品の人気にバラつきが出てしまい、在庫を抱えてしまうケースが発生します。
シーズン商品などはとくにその傾向が強く、セール期間にやや利益率は下がっても在庫処分ができれば、長期的に見ても運営においてはプラスの効果を得られるでしょう。
セールを行うデメリット
- 利益率が下がる
- ブランドイメージが下がる
- 通常時の購入が減る
セールのデメリットとして、利益率が下がる点が挙げられます。
値引きをすればそれだけサイトにもたらされる利益は減ってしまいます。
たとえセールで大幅に売上が増えても、利益率でみると大差はなかったという結果ではサイト運営にとっては考えものですし、他社サイトとの価格競争の引き金になりかねない点も留意しておきましょう。
他にも、あまりに頻繁にセールを行うと「いつも安売りをしている」というイメージが付き、ブランドイメージが下がります。とくに高級感や誠実感をブランドイメージとしているサイトでは、セールの頻度をしっかり考えておく必要があります。
セールをするとき以外の通常時に、流入や購入が減ってしまう可能性もあります。消費者はできるだけ安く商品を購入したいのが本音ですので、定期的にセールを行っていると「そのうち安くなるだろう」という心理が働き、通常時の売上が下がってしまいます。
これもセールやキャンペーンのデメリットです。
セールを成功させるための3つのポイント
セールを行うメリット・デメリットを踏まえながら、どうすればECでのセール施策が成功するのか3つのポイントを押さえていきましょう。
メリハリをつける
セールやキャンペーンをやり過ぎないことが大切です。
デメリットの部分でも触れましたが、頻繁にセールを実施するとブランドイメージの低下や通常時の購入減といったデメリットが発生しますので、ECを中長期的に安定して運営するには、メリハリをつけてセールを実施しましょう。
目的をはっきりさせる
セールやキャンペーンを実施する際は、目的をしっかりと定めるようにしましょう。例えば、
「今回は新規顧客の獲得が目的」
「シーズン末なので在庫処分をする」
「リピートユーザー育成のためにサブブランドも購入してもらう」
といった具合に、目的をはっきり定めておきます。
こうすれば、セールを実施した後の効果測定がしやすく「売上が上がった・下がった」といった単純な指標ではなく、より深く掘り下げた議論ができるでしょう。
次回以降のセールで改善策を打ちやすくなります。
ネーミングや利益率の設定を工夫する
ECのセールでは、ユーザーの心を掴むネーミングが大切です。
例えば、「最大80%オフ!人気の○○ブランド商品も大量ラインナップ!」など、お得感+説得力という組み合わせはセールのネーミングでは効果的な手法です。
また福袋の在庫処分をしたい商品もセットで販売するように、利益率を設定する場合もすべて統一した割引額にするのではなく、商品ごとに差を付けるなど工夫を施しましょう。
当たり前ですが、ユーザーをだます・欺くような価格設定や商品選びはNGです。
しっかりサイトの利益を高めるための工夫を施していきましょう。
まとめ
セールには集客や新規ユーザーの発掘、顧客関係の構築といったメリットがある一方で、利益率が下がる、ブランドイメージの低下といったデメリットも存在します。
大切なのはなぜセールを行うのか目的を明確にして、メリハリのある施策運営を行うことです。やみくもにセールで売上を増やそうとするのではなく、中長期的な視野でセールに取り組んでいきましょう。