スマホの普及とともに若年層を中心にソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用の拡大が顕著となり、インターネット上での検索行動にも「ググる」から「タグる」といった変化が表れているのはご存知でしょうか。
従来多くのユーザーは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで情報収集をする、通称「ググる」行為を行っていましたが、 スマホネイティブといわれる若年層はSNSで「タグる」ことで情報を収集しています。現在「#ハッシュタグ」から関心のある情報を集める「タグる」が主流となっており、SNSは「つながる場所」から「情報と出会う場所」へと変化を遂げています。
高齢者のSNS利用が顕著に拡大
スマートフォンの普及と並行するように利用が増加してきたのがSNSです。
SNSといえば若年層を中心に利用が拡大しているというイメージをお持ちではないでしょうか?
実際に、若年層の利用率がより高いことは確かですが、近年では高齢者層においても急速にSNSの利用が拡大しています。
2018年と2019年のSNSの利用率を年代別に比較したデータでは、全体としてたった一年で60%から69%に利用が急速に拡大しています。また、すべての世代において利用が拡大傾向にあることがわかりました。
世代別では、2019年において20代(87.1%)、30代(83.0%)、10代(80.5%)の順に利用率が高くなっています。
他方でより注目したいのは、高齢者層の推移です。
70代では23.6%から40.7%へと倍近い伸びを示し、80歳以上に至っては16.9%から42.8%へと2.5倍以上と全世代で最大の伸張を見せたのです。
増加の割合の観点では、若年層よりも高齢になるほどその増加率が顕著となっていることがわかります。
このことから、もはやSNSの利用の拡大は若年層に限ったことではなく、全世代において生じている現象であると言えるでしょう。
変化するメディアの利用と検索行動
何か調べ物をしたいとき、GoogleやYahooなどの検索エンジンを利用する方も多いかと思いますが、これがいわゆる「ググる」です。
しかしPCではなくスマートフォンでアプリを使ってSNSを閲覧する時間が増える傾向が強まるなかでSNSで情報を検索する際には、検索エンジンのように知りたいキーワードを入力するのではなく、自分の興味があるハッシュタグから始まる文字列を使用して検索します。
これが「タグる」という行動です。
SNS上で認知を広げるためには、単に有用な情報を投稿するだけでなく、検索してもらえるハッシュタグを設定する必要があります。特にインスタグラムはハッシュタグの検索機能しかないため、検索されそうなものを、可能な限り多く設定することが重要です。
「ググる」「タグる」「タブる」検索行動の違い
「タグる」行動
前述したように、ハッシュタグは記号の「#」をキーワードの頭につけて投稿することで生成されます。目的のハッシュタグがついた投稿を探すには、投稿に付けられたハッシュタグをタップするほか、検索窓にハッシュタグを入力することでも可能です。
例えば、男性用の腕時計を探している場合、Instagramで「#メンズ腕時計」と検索し、検索結果に一覧表示された投稿画像の一覧から、気になるものをチェックするという使われ方がされています。
普通のキーワードでも検索はできますが、ハッシュタグを指定することで、求めるトピックに直接関連する投稿に絞れる可能性が高くなるでしょう。
「タブる」行動
前述の「タグる」に加えて、SNSにおける主要な行動として「タブる」という言葉が聞かれるようになりました。これはInstagramの「発見タブ」機能を利用して情報を得る行動のことで、明確な目的をもって情報を調べるというより、暇つぶしや新しい情報に触れることを求めて日常的にチェックするユーザーが多く見られます。
発見タブは、Instagramのアプリ上で、おすすめの投稿が自動で表示される画面です。
表示される投稿は、検索やエンゲージメントといった行動履歴からユーザーごとにパーソナライズされます。つまり発見タブの表示内容は、ユーザーが興味関心を持ちそうなコンテンツにあらかじめ絞られていることが大きな特徴といえるでしょう。
発見タブは、多数のユーザーが日常的にアクセスするため大量のリーチが期待でき、企業のInstagram運用においても重要度を増しています。
まとめ
SNSの利用が若年層から高齢者層にまで広がってきているということは、タグって情報収集する傾向も若年層から高齢者層にまで広がりつつあるということです。
このため、SNSにおける各年齢層をターゲットにするマーケティングについても、若年層向けの商品から高齢者層向けにまで広げていくことが求められていると言えます。
SNSの広告マーケティングを展開する企業様は多く存在しますが、以上のような最新の世代間のトレンド変化を捉えて、世代設定を再度見直して戦略の策定を行っていきましょう。