インフルエンサーマーケティングという言葉はよく耳にすると思いますが、これはSNSで影響力をもつインフルエンサーに製品やサービスを紹介してもらい、訴求するマーケティング手法のことになります。
企業から顧客に発信しているマス広告などにくらべて、広告への抵抗感がないので、製品やサービスをより身近に感じてもらいやすく、口コミでの拡散も期待できます。
今回はインフルエンサーマーケティングについて説明したいと思います。
目次
インフルエンサーマーケティングがなぜ注目されるのか
InstagramやTwitterなどSNSの利用率は拡大傾向にあり、Googleなどのサーチエンジンで検索するほかに、SNSで製品やサービスを利用した生の声やレビューを検索して、情報収集する人も増えています。
そのため、SNS上でターゲットを絞って情報をダイレクトに届けられるインフルエンサーマーケティングが注目されています。
インフルエンサーマーケティングを活用するメリットとして、届けたい層に向けて情報発信できるため、ファン化や顧客ロイヤリティ向上につなげやすく、より消費者に近い目線で製品やサービスを訴求できることがあげられるでしょう。
インフルエンサーとは
インフルエンサーとは、SNSで情報発信することで購買行動などに影響力をもつユーザーのことです。
フォロワーから共感と信頼を得ているため、商品やサービスを紹介してもらえると購買行動の動機づけも容易に行えるでしょう。
インフルエンサーはフォロワー数によって以下の種類に分けられます。
- トップインフルエンサー:フォロワー数100万人~
- パワーインフルエンサー:フォロワー数10万人~
- マイクロインフルエンサー:フォロワー数1万人~
- ナノインフルエンサー:フォロワー数~1万人
フォロワー数が膨大だとリーチ力は大きくなりますが、一方でエンゲージメント率が低くなる傾向にありますので、しっかり把握しましょう。
トップインフルエンサー
フォロワー数が100万人以上のインフルエンサーを、トップインフルエンサーと呼び、テレビなどのマスメディアに出演する機会が多いため、SNS以外での知名度や認知度も高くなります。
トップインフルエンサーになると、他のインフルエンサーにフォローされていることも多く、投稿の影響力の大きさから二次拡散も期待できるでしょう。
パワーインフルエンサー
パワーインフルエンサーは、フォロワー数が10万人以上のインフルエンサーを指します。
さらにフォロワー数50万人以上になると、セレブインフルエンサーと呼ぶこともあります。
InstagramやTikTokなどのSNS上での認知度が高いことが特徴です。
ファッションやコスメなどジャンルに特化して投稿しており、発信内容がユーザーから信頼されやすいといえます。
マイクロインフルエンサー
マイクロインフルエンサーとはフォロワー数が1万人を超えるインフルエンサーです。
フォロワー数ではパワーインフルエンサーに及ばないものの、ユーザーとの距離が近いため親近感を持ってもらいやすいです。
マイクロインフルエンサーの特徴としては、エンゲージメント数が多く、購買行動への影響が比較的高くなる傾向があげられるでしょう。
ナノインフルエンサー
ナノインフルエンサーは、フォロワー数が1万人未満のインフルエンサーで、フォロワーと積極的にコミュニケーションをとる傾向があります。
マイクロインフルエンサーよりも距離感がさらに近くなり、憧れや友人のような感覚をもってもらえるため、ニッチな層に影響を与えられます。
投稿に対していいね数やコメント数が多くなりやすく、エンゲージメント率も高めです。
インフルエンサーマーケティングで使うSNS
インフルエンサーマーケティングを実施するときは、主に以下のSNSを活用しましょう。
同じSNSとはいえ特徴や利用しているユーザー層が違いますので把握ください。
- YouTube
- TikTok
YouTube
YouTubeは、動画コンテンツを配信するSNSであり、チャンネル登録者の数が、影響力を把握するひとつの指標とされています。
総務省が発表した2020年の調査では、10代から50代の8割がYouTubeを利用しており、性別や年齢問わず幅広い層に訴求できるSNSといえます。
また音楽などエンターテイメントやビジネス、子ども向けなど、さまざまなジャンルの動画が投稿されています。
ショート動画やライブ配信、チャンネル登録者に向けて画像や文章を発信できるコミュニティなどさまざまなコンテンツを配信できることがYouTubeの魅力です。
Instagramは、写真や動画を投稿するSNSです。
写真を投稿するイメージが強いInstagramですが、最近ではリールやライブ配信など動画での投稿も活発におこなわれています。
10代から30代の女性の利用者が多く、ファッションやグルメ、美容、ライフスタイルなどのジャンルに関心が高いユーザーが多い傾向にあります。
ストーリーズにURLのリンクを載せたり、ショッピング機能がついていたりするため、商品の購入促進も可能です。
またInstagramはPR投稿がわかるようにタイアップタグの設定など、ステルスマーケティング対策も実施しています。
Twitterは、140文字までの文章をメインで投稿するSNSで、文章のほかにも、画像や動画も投稿できます。
10代から20代の利用者が多く、トレンドに敏感なユーザーが活用しています。
Twitterの大きな強みは、拡散力で、リツイートやハッシュタグ、トレンド検索などの機能があるため、フォロワー以外にも投稿が届く可能性が高く、拡散されやすいSNSといえます。
TwitterはURLリンクを載せて投稿できるため、直接商品ページを訴求することもできます。
TikTok
TikTokは、15秒以内のショート動画を投稿できるSNSです。
10代に多く利用されているため、Z世代に向けて認知拡大したい際に最適なSNSといえるでしょう。
エフェクトやBGMなど編集機能が豊富で、オリジナルの振り付けやおもしろ動画などが拡散されやすい傾向にあります。
レコメンド機能では、フォローしているアカウント以外の投稿も関心や興味に基づき流れてくるため、投稿が多くのユーザーの目にとまる可能性も少なくありません。
インフルエンサーマーケティングのメリット
SNSでの認知拡大や購入促進が期待できる、インフルエンサーマーケティングのメリットを紹介します。
さまざまな施策をおこなえる
インフルエンサーマーケティングは、「ブランドの認知度アップ」「製品やサービスの購入促進」など目的にあわせて、さまざまな施策を実施できます。
ターゲティングをしやすい
インフルエンサーはジャンルに特化して発信していることが多いため、特定のカテゴリーに興味や関心を持っているフォロワーが集まっています。
そのため製品やサービスのジャンルに最適なインフルエンサーを選定できれば、ターゲティングして訴求できます。
また関心や興味があるユーザーに訴求できるため、口コミで話題になったり、拡散されたりすることが期待できるでしょう。
製品のイメージを伝えやすい
インフルエンサーに製品やサービスを紹介してもらうことで、イメージを消費者目線で伝えられます。
たとえば、コスメの使用方法や使用感など正直な感想を投稿してもらえると、ユーザーが実際に使うときのイメージが湧きやすくなり、説得力が増します。
マスメディアなどの広告では企業目線で製品やサービスの良さを伝えられますが、インフルエンサーマーケティングでは消費者目線で良さを伝えられます。
広告に抵抗感があるユーザーにも受け入れてもらいやすく、親近感や共感を得やすくなるでしょう。
SEOの強化につながる
最近はGoogleなどの検索結果に、YouTubeやTikTokなどの投稿も上位表示される傾向があります。
そのため、インフルエンサーに製品やサービスを投稿してもらうとSEOの強化にも役立ちます。
TwitterやYouTubeなどSNSによっては、投稿内に商品ページのURLリンクを掲載することもできるため、直接商品を訴求することも可能です。
キャンペーンの訴求もしやすく、自社ECへ誘導したい際にも活用できるでしょう。
インフルエンサーマーケティングのデメリット
選定に時間がかかる
インフルエンサーマーケティングは、起用するインフルエンサーによって成功するかどうか決まるといっても過言ではありません。
製品やサービスとマッチするかどうかや、フォロワーの属性などをしっかりと把握したうえで選ぶ必要があり、インフルエンサーの選定には時間がかかります。
インフルエンサーを選ぶ際には、以下の要素を検討するとよいでしょう。
- 製品やサービスとの親和性:ブランドの世界観とマッチしているか
- 投稿の質:写真や言葉選び、過去のPR投稿の内容を確認する
- フォロワーの反応:いいね数やコメント数、コミュニケーションの取り方はどうか
- フォロワーの属性:製品やサービスのターゲットに合っているか
ただし、製品やサービスに関わらずインフルエンサーが紹介したものを購入する「フォロワー買い」をしているユーザーは、見込み顧客になる可能性が低く、顧客の質を下げてしまう恐れがあります。
フォロー買いを避けるためにも、フォロワーの反応は注意して確認しておきましょう。
コミュニケーションコストが発生する
インフルエンサーマーケティングをおこなう際は、施策の意図がずれてしまうなど方向性の違いが起きないようにインフルエンサーと事前に話し合い、内容のすりあわせをしておく必要があります。
複数人のインフルエンサーに依頼する場合は、それぞれに対応しなければいけないためコミュニケーションコストが発生しやすく、進行管理など担当者の負担が大きくなりがちです。
施策を成功させるためには、インフルエンサーとの信頼関係を構築しておきましょう。
炎上のリスクがある
PRの記載をせずに投稿してしまうとユーザーがPRだと認識できず、ステマ扱いされてしまい、炎上につながるリスクがあります。
こういった炎上を防ぐためにも、インフルエンサーには常に情報共有を行い、「〇〇企業から商品をいただきました」など広告主との関係性が伝わるように記載したり、PRタグの表記を入れたりしておくことが大切になります。
他にも投稿する側のリテラシーが問われてしまうような誇張や虚偽情報、他社に不利になるような投稿はしないように注意しましょう。
まとめ
インフルエンサーマーケティングは、SNSで影響力のあるインフルエンサーを使ったマーケティング手法で、インフルエンサーに商品やサービスを紹介してもらうことで、マスメディア広告よりも親近感を持ってもらいやすく、口コミでの拡散も期待できます。
インフルエンサーとはしっかりコミュニケーションをとって施策の意図を理解してもらうことが重要ですので、その辺りを踏まえてインフルエンサーマーケティングを行ってみてください。