衝撃!事業者がハマってしまう「単体CRM」の限界とは?【EC・ネットショップ】

店長編

今回ゲスト、株式会社E-Grant 北川 健太郎 氏は、​総合CRM支援を展開。CDP・CRMツール「うちでのこづち」の提供や​LTV・CRMマーケティングをご支援され、数千万円~数百億円まで累計1,000社以上の支援実績を持ち​EC・通販市場においてトップシェアを獲得されていらっしゃいます。

北川氏に『CRMとLTV』についてお話をお伺いしました!

▽CRMとLTVについて教えてください。
元々CRMは概念としてとても広く、やり方も本当にさまざまです。特にECにおいては、「どうやって長くファンでいてもらうか」「どうやってお客さんで居続けてもらうか」という点で、CRMが欠かせないこと自体は多くの方が感覚的には理解されていると思います。
ただ、具体的に「何をやればいいのか」という点については、数年前まで「どうすればいいんですか?」「やり方が分かりません」といった相談が非常に多かったです。ここ数年で一気にプレイヤーが増え、競合も増えてきました。2023年頃だったと思いますが、日本ネット経済新聞がまとめた事業者アンケートを見ると、以前は広告運用が最も注目されていたのに対し、CRMがかなり上位に上がってきていました。それだけ興味を持ち、実際に動き始めている企業が増えていると感じています。
一方で、みんながやり始めたことで注目度が上がると同時に、やり方が難しくなってきたのも事実です。元々CRMに最も取り組んでいたのは、やはりD2C、特にリピート通販の企業です。使い続けてもらわなければ、売上も利益も上がらないからです。
実際、EC事業者の販促費の中でCRMに使われている予算比率は、おおよそ5〜10%程度です。重要性は理解されているものの、そこだけに投資してもインパクトが出にくい、という現実もあります。そのため、新規獲得のほうが花形になりがちで、特に単品D2Cでは「新規がないと始まらない」という考え方が根強くあります。「まずF1がないとF2もない」という考え方が、ある意味では言い訳になってしまっているケースもあります。しかし本来、売上を作ってくれているのは既存のお客さんです。既存顧客への投資が回らない状態が続くと、企業としても発展しづらくなってしまいます。

▽伸びている企業のLTVに対する考え方の共通点を教えてください。
新規獲得のCPAやCPOが悪化し、新規獲得の難易度が上がっている中で、伸びている企業は「中期のLTV」で事業を見ています。LTVが上がれば許容CPOが上がり、そこから新規獲得に再投資ができ、さらに事業が伸びていきます。この循環をきちんと回しているのが共通点です。
また、新規とCRMを分けて考えていません。広告代理店が新規獲得、CRMは別、という分業は多いですが、ユーザーからすればすべてが同じ体験です。広告で見た内容と、購入後のコミュニケーションにズレがあると、「思っていたのと違う」と感じて離脱してしまいます。
新規獲得からCRMまでを一連の流れとして捉え、コミュニケーションラインを一本にすることで、LTVに跳ね返りやすくなります。どの媒体からどんな悩みを持って流入し、どんな期待を持って購入したのかということの前提を無視したCRMは、LTVにはつながりません。
解約しづらくしたり、強引に引き止めたりと、無理に続けさせるCRMも存在しますが、最近は一度離れても「対応が良かったからまた戻ってきた」「別の商品でまた付き合いたい」と感じてもらえるケースも増えています。例えば女性向け商材であれば、妊活から出産、その後のライフスタイルまでを応援するように、ライフステージに合わせて横にブランドを広げていく発想です。いわゆる「卒業」という概念をなくし、「寄り添い続ける」というスタンスで、妊活・出産・その後の生活まで含めて長く関係を築いていくという考え方こそが、LTVを伸ばす本質だと思います。LTVはあくまで結果の数字であり、本質はお客さんの気持ちをきちんと理解できているかどうかです。新規もCRMも、エンドユーザー視点で一本につながっているかどうかが、何より重要だと考えています。業界全体の難易度が上がっている今だからこそ、CRMと新規獲得が交わる設計を行い、自社の離脱ポイントを解消していかないと、LTVが高いにもかかわらず新規獲得がうまくいかない、といった状況に陥ってしまいます。

https://youtu.be/n98VpfLYwyk

~第327回 ゲスト~

北川 健太郎 氏
株式会社E-Grant
代表取締役

当社ビジョン「日本発No.1総合CRMカンパニー」に向けて​EC通販・BtoC業界向けに総合CRM支援を展開​
CDP・CRMツール「うちでのこづち」の提供や​LTV・CRMマーケティング支援を行う
​数千万円~数百億円まで累計1,000社以上の支援実績を持ち​EC・通販市場においてトップシェアを獲得
2015年に「一般社団法人 日本通販CRM協会」を立ち上げて​今後グローバル化が進む世界へJCRMの普及活動を行う
起業家機構(Entrepreneurs’ Organization)Hokkaido 第5期会長

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