AIが変えるECの購買体験とは?最短で欲しい物が見つかる革命【ネットショップ・Yahoo!ショッピング】

EC支援サービス編

今回ゲスト、LINEヤフー株式会社 市丸 数明 氏は、入社当初からYahoo!ショッピングに携わり、レビュー強化やCRM施策を担当。2024年4月に「AIタックル室」室長に就任し、生成AI機能の技術責任者として企画・活用を推進中。

市丸氏に『AIとEコマース』についてお話をお伺いしました!

▽AI導入で変わるECの世界観とは?
これまでの施策では、ユーザーが商品にたどり着くことが前提でした。しかし、これからは「見つける」工程自体をAIが肩代わりしていく時代になります。
ユーザー目線で考えたとき、生成AIが誕生して、生成AIが登場した今、AIが担うべき役割の一つは「利便性の向上」です。たとえば、いい商品に辿り着くまでに検索して30分かかっていた時間を5分まで縮められたら残りの時間を別のことに使うことができます。最終的にはユーザーが指示するだけ自動的に最適な商品を購入できる、アプリを常に見ていなくてもいい世界観の実現を目指しています。
しかしながら、AIが探してきた商品をそのまま即決で購入するかというと、現状では難しいと思っています。しかし、家電量販店に行って相談した時には、店員さんが最終的に提示してくるのもAIと同じくせいぜい5商品くらいなのに、リアルの場合はその中から買いますよね。店員さんに対する絶対的な信頼があると思いますし、Eコマースというお金を使う意思決定をしなければいけないシーンにおいて、どこまでAIに信頼感を寄せられるかというところがまだ足りていないと思っています。
だからこそ、まずはユーザーがAIと「馴染む」プロセスが必要だと考えています。近年話題の「AIエージェント」も、いきなり高機能を押し付けるのではなく、買い物をサポートする“コパイロット”として、ユーザーと並走する存在であるべきです。
例えば、最初はユーザーがほしい商品自体は今まで通り検索窓に入れる形で、その先はAIが自然に対話を重ねながらユーザーの希望を引き出し、一緒に買い物を進めてゆくように並走してサポート買い物体験を作っていきたいと考えています。

▽AI台頭後のストアの役割とは?
ストア側の商品登録に関しても、今までは商品に対してスペックを全部紐づけてもらうようお願いしていましたが、今後は商品画像と簡単な説明さえあれば、商品データの構築をAIで生成する仕組みも整ってくると思っています。商品のスペックなどの基本的なデータはAIで抽出できてしまうので、ストアのオペレーション自体はこれからどんどん減っていくと思います。
その一方で、ストアに期待したいのは、「そのストアならではの売り方」です。たとえば「このシャツにはこのネクタイが合う」といった経験やセンスに基づく販売ノウハウなどを、ストア専用のAIを構築して活用していく世界観を作りたいと思っています。
もちろん、すべてのストアが自前でAIを作るのは難しいですが、私たちがそのための基盤を提供し、ストアの皆さんにはノウハウだけをインプットしていただければ活用できるような仕組みを作っていきます。
極論でいうと、Eコマースとは「買い手」と「売り手」のマッチングです。AIに置き換わったとしても同様だと思います。つまり、「買ってくれるAI」と「売ってくれるAI」がうまくマッチングできるかどうか、そこにストアの個性や工夫が反映されるのです。
弊社が設けている「AIタックル室」には、技術のメンバー以外にも営業やマーケティングのメンバーもいます。現在、営業担当もAIの知識を持てるよう「AI人材」を急ピッチで増やしていて、ストアの皆さんとの会話の中でも自然にAIの活用提案ができる体制を整えつつあります。世の中がAIにシフトしていく中で、ストアの皆さんが価値を発揮できるよう、我々は全力でサポートしていきます。

このほかにも盛りだくさん、『AIとEコマース』について公開しています!
『AIとEコマース』をご検討中の企業様のご参考になるかと思います!
それでは、市丸氏流『AIとEコマース』、ぜひお楽しみください!

~第308回 ゲスト~

市丸 数明 氏
LINEヤフー株式会社
ショッピング統括本部 プロダクション1本部 本部長、生成AIタックル室 室長

2014年にヤフー株式会社(現:LINEヤフー株式会社)へ入社。入社当初からYahoo!ショッピングに携わり、レビューの強化などを担当。インセンティブやCRMを中心とした顧客育成のプロダクト企画・開発に携わりながら、2024年4月より同事業部内に「AIタックル室」を立ち上げ室長に就任。Yahoo!ショッピングにおける生成AI機能の技術責任者として企画・活用推進をリードしている。

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