今回ゲスト、日本ECサービス株式会社 清水 将平 氏は、楽天株式会社にて入社半年でMVPを獲得。その後も月商100万円前後のショップを次々に1000万円以上のショップに育て上げるなど、数多くの実績を残され、「世界中の人々に感動を与え、ニッポ ンを元気にする!」という理念のもと、2011年、日本ECサービス株式会社を設立されていらっしゃいます。
清水氏に『集客』についてお話をお伺いしました!
▽楽天市場の出店店舗数や集客状況は?
2005〜2006年のガラケーの全盛期はインターネットバブルの時代で、楽天市場の携帯版ニュース広告を出せば商品がすぐに売れました。2025年現在の楽天市場は、出店店舗数が増減を繰り返す推移をしています。SNSを活用している店舗は広告を使い上手く集客をしていますが、活用していない店舗は楽天市場の中での露出争いになるので、広告に頼らざるをえない状況です。最近の「ショップ・オブ・ザ・イヤー」の受賞店舗の殆どは大手企業ですが、個人や少人数で運営している店舗が特定のジャンル内で売上をあげている事例があります。Amazonとは異なり、楽天市場にはそういう可能性があり、新規出店者にも成功の余地はあります。
▽モール運営のあり方は変化してきているのですか?
お客様との接点がパソコンからガラケー、スマートフォンへとデバイスが移行したことに加え、Googleで検索する人もいればSNS経由で情報を得る人もいるように、状況が変化しています。極端に言えば、ラジオからテレビ、YouTubeへとメディアが進化したことと同じです。接点が変わっているのにも関わらず、もう見られていないところに広告を出し続け、出した広告がお客様に全然見られていないという可能性があります。露出の方法についてもかなり多様化してきています。インフルエンサーにギフティングをして楽天で配布するクーポンへ誘導するのも広告の一種です。検索結果のRPP広告やアフィリエイターにお金をかける施策とは全く異なります。また、楽天Roomの上位のアフィリエイターは高い報酬率のショップを選べて優先的に紹介できるのですが、一部の店舗では、広告を多く出しながらも上位アフィリエイターの報酬率を上げて、インフルエンサーに紹介してもらうことに予算を割く戦略をとっています。そういうことを店舗側は知る術がないのが実情ですが、広告で伸び悩んできたら、こうした取り組みも検討すべきだと思います。楽天市場を一つの販促ツールや広告だと割り切って活用し、ブランディングや自社商品の知名度アップに使うと、AmazonもYahoo!でも売り上げが伸びたという声もきかれます。自社ECのみの方もいますが、楽天だけをやるのはもったいないです。最近では、楽天、Yahoo!、Amazonの3モールを展開している店舗は7割程あります。自社ECをやっている方の楽天の出店はまだ少なく、それ以外にメルカリshopsやギフトモール、au PAYマーケットなどに展開している店舗もありますが、楽天をメインで使っているお客様が相当多く、ふるさと納税の購入も楽天で行う傾向もあります。流入経路としては、GoogleやYahoo! JAPANで検索して自社店舗が1ページ目に出ることはほとんど無く、結局楽天に入ることが多いのは、GoogleのSEOを昔からやっていた楽天の強みです。その点で、Amazonは名前も画像もフォーマットも決まったものを入れる体裁にすることでSEOの対策をしています。
▽意外と知られていない集客対策とは?
楽天に出店してモール内SEOの対策をせずにいきなり広告を使ってしまうのはもったいないです。例えば、バレンタインのチョコレートの「個包装」など、ニッチなワードは意外と対策がされていません。Google等で「義理チョコ20人分」などで検索をすると、楽天の商品ページがヒットするように、楽天側がSEO対策をしてくれている部分もありますが、そこでモール内SEOを対策をしていればいいのですが、出店者側の対策が不十分だと全く検索結果として出てきません。その他には、LINEは実際に8,800ショップくらいしかLINE公式アカウントをやっておらず、全体の15〜16%です。メルマガは、2003年当初は誰もやっていませんでしたが、2004年にある日突然メルマガを活用していたショップで月収1,000万円を超え、みんなが真似をして一気に使い始めたことがありました。それぞれのショップが他のショップを真似したり学んだりしていて、楽天側もそれを仕組みとして取り込んでいます。一度成功した方法が今後も通用するわけでもないので、常に改善しつつ今の時代に合った対策をとり続けることが重要です。
このほかにも盛りだくさん、『集客』について公開しています!
集客についてご検討中の企業様のご参考になるかと思います!
それでは、清水氏流『集客』、ぜひお楽しみください!
~第299回 ゲスト~
清水 将平 氏
日本ECサービス株式会社
代表取締役
1975年、京都府出身。関西大学商学部卒業後、三菱電機情報ネット ワーク株式会社に入社するも、2カ月後には子会社のDTIに出向を命 じられる。テクニカルサポートリーダーとして、プロバイダー満足度No1. 獲得に大きく貢献。その後、英語を勉強するために1年間カナダに留 学。帰国後、商社系通信事業者を経て、楽天株式会社に入社。入社直後 からその手腕を発揮し、月商20万円だったショップをわずか2カ月で月 商1000万円を超えるショップに成長させ、入社半年でMVPを獲得。そ の後も月商100万円前後のショップを次々に1000万円以上のショップに 育て上げるなど、数多くの実績を残す。このころお客さんからは「広告を 売らない営業マンは初めて」と感謝された。 上司から担当店の数を増やされ、600店舗になったころから、お客さん からの電話がクレームばかりになりうつ状態になる。このときストレスいっぱいの過酷な状況を経験したことで、これまでの価値観が一変。ストレスを感じなくてすむ考え方を身につける。楽天退職後、フリービット 株式会社にて、DTIの買収に関与。所属していたコールセンターをたっ た4カ月で佐賀県唐津市に移管、DTIのセールスマネージャーに就任するなど貴重な経験をする。2010年、「世界中の人々に感動を与え、ニッポ ンを元気にする!」という理念のもと、中小企業やネットショップにマー ケティング手法を広めるため、ECマーケターとして独立。 2011年、日本ECサービス株式会社を設立。クライアントには、有名モー ルでの受賞店舗など多数。 2014年には、ECマスターズクラブという会員制サービスを立ち上げ、2023年には、株式会社ECXグループを設立し、グループ会社のグリニッジ株式会社と5,000社以上のショップをサポートしている。ecx株式会社の取締役、一般社団法人ECスキル認定協会(JECSA)の代表理事も務める。
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