今回ゲスト、株式会社関通 専務取締役 松岡氏は、
物流サービス、ITオートメーション事業で経営企画、新規事業創出をご担当。
年間1000件を超える物流・業務改善の相談が寄せられるが、多くのお客様の改善と成長に貢献されていらっしゃいます。
松岡氏に『物流の自動化』についてきいてみました!
▽本業の物流業務の自動化の取組みについてお話を聞かせてください。
アメリカと中国に行って物流ロボットを見てきたんです。
シリコンバレー・ロサンゼルス辺りではやはり物流自動化が進んでいました。
自社で、アメリカ・中国の物流ロボットを同時に入れました。
中国の企業は実際に来て、我々が現場で使いこなせるように頑張ってくれました。
でも、ロサンゼルスの方は、コロナの影響もあるんですが使えるまでフォローするというイメージはなかったんです。
同じ物流ロボットでも、どこのモノをどう買うかどう入れるかによって物流の数値に与える影響はすごく変わるんだと実体験から学びました。
今は中国の物流ロボットの情報を集めていて、それを中心に現場で使っていきたいと思い取り組んでいます。
中国の企業で自動化の会社は結構あるんですですが、現地で動いて情報をくださる方の話だと中国の中でもイケてる会社は少ないそうです。
▽御社が目指す物流の自動化とは?
我々は一時期、物流のフルオートメーション化を目指して機器の選定もしたのですが、フルオートメーション化することが本当に正しいのか疑問に思ったんです。
ガチガチに全自動化してしまうと工夫する余地と変化する余地がなくなってしまう。
我々は物流現場ですごく工夫をする会社なので、フルオートメーション化はまだ目指すべきではないと思いました。
では、どこを目指すかと思ったときに人がする作業を助けてくれる、マテハンやロボットを積極的に導入していこうということになりました。
視聴者の企業さんのなかでも、これから物流ロボットやマテハン機器など、どういうものを入れていこうか選定をされている企業さんがたくさんあると思います。
我々がプロの物流会社として選定基準にしているのがスタッフが一日に歩く“歩数”です。
我々がしている物流の改善でわかりやすくて一番効果があるのは歩数を減らすことです。
人がキツイと続かないので良くないです。
人を助けるロボットや仕組みを突き詰めていくと、「いかに歩かないか」というところにたどり着きます。
我々は物流の3PLだけでなく、WMSの販売、物流の改善のご支援もさせていただいていますが、その時にはまず、この現場では1時間にいくつ生産性が出せる現場なのか、働いている方の歩数といった物流数値を確認してどういう仕組みを入れるかを提案しています。
▽世の中の変化が速いなかで、今まで通りの対応では難しい面もあるということですね?
物流の現場は改善に終わりがなくてどこまでも改善できる。
ただ、それを全部アナログでやるのではなくて、まず物流を数値化する。
生産性、歩数、倉庫に入れられる量。
こういう数値をしっかり持って今後出てくる便利な物流ロボットやマテハンを入れる選定基準にすると大きな失敗はないのではないかと思っています。
物流はどこまで行っても人が携わるお仕事。
だからこそ工夫できるし、だからこそ切り分けて人がやらなくていい仕事と人がやらなくてはいけない仕事に分けることが大事だと思っています。
▽御社の場合、物流だけ預ける方はどのくらいの規模からメリットが出るという基準はありますか?
件数だけで測れない部分がありますが、ECでは月2000件以上、ゾーンとしては5000件から2万件の出荷が多いと思います。
物流をさせていただいているお客様のショップレビューの分析をしています。
お客様の販売に役立つ物流という点では、レビューは絶対必要だと思っています。
レビューで多く書かれている言葉、関連キーワードを分析すると、50%以上は物流関連のキーワード、そしてそれらに関連してくるキーワードはスムーズ・丁寧・キレイといったものでした。
購入動機としては商品やデザインが良いから購入されているけれど、ECにとってご購入者様が感動されたり満足度を得られるには頼んでいつも通りに安定して届いたというところが大事で、次の購入につながっているのが見えました。
レビュー分析から分かった、もう一つの点は、セールの時でも「発送早い」というキーワードが崩れないんです。
これは自慢でもあります。
ECの物流は忙しい時、暇な時のある波動対応。
我々に依頼いただくお客様は、「もっと物流を強化したい」というのが一番多いニーズなのですが、我々もそれに対応するために生産性を上げるし、工夫もするし、受注処理や事務処理も自動化するという風に、どこまでいっても波動にしっかり対応して売った分が安定的に出るということを実現したいと思っています。
このほかにも盛りだくさん、物流の自動化について公開しています!
3PLをご検討中の企業様のご参考になるかと思います!
それでは、松岡氏流『物流の自動化』、ぜひお楽しみください!
~第118回 ゲスト~
松岡正剛(マツオカ セイゴウ)氏
株式会社関通(2020年マザーズ上場)
専務取締役
物流サービス事業、ITオートメーション事業を行う同社の経営企画、新規事業創出を担当。
また、マーケティング、新規営業のマネジメントを行っている。
■立ち上げてきた事業
・WMS(倉庫管理システム):トーマス
・チェックリストシステム:アニー
・受注管理代行サービス
・受注処理自動化システム:ecan
・学べる倉庫見学会 その他
同社には、年間1000件を超える物流・業務改善の相談が寄せられるが、多くのお客様の改善と成長に貢献し続けている。