ネットショップのサブスク!AIに頼らない商品選定でサービス価値アップ【episode119】

EC戦略・マネージメント編 店長編

今回ゲスト、キッズ・ラボラトリー株式会社 代表取締役社長 青栁氏は、
松下電器産業のグループ傘下の企業でコールセンターシステムや通信販売管理の業務システムをセールス、ベンチャー企業にて執行役員、社団法人の立ち上げをご経験後、42歳で独立起業されていらっしゃいます。

青栁氏に『モノのサブスクリプション』についてきいてみました!

▽『どういうサブスクリプションをやられているのですか?』

生後3ヶ月~8歳ぐらいまでのお子様に、成長を促進するような知育玩具と呼ばれるおもちゃをお貸し出ししています。
お貸し出しは毎月お届けしたり隔月にお届けしたり、お客様によって種類・コースがあるのですが、基本はお子様が遊ぶであろうおもちゃを我々が選定してお届けしているというところが1つのポイントです。もう1つは、選定をするときに過去のお子様のデータや、その年齢に一番合うようなものなどを全て人の手でプランニングしているというのが強みです。
最初にアンケートをとりまして、どういう動機でお申し込みなさったのか、ご自宅にあるおもちゃは何なのか、今お子様の成長具合がどうなのかなどをお伺いした上で、この子だったら今これだろうというのを我々が持っているデータやプランニングしているメンバーが全てわかりますので、「これだ」と思うものをお届けするようにしています。これを我々はおもちゃコンシェルジュと呼んでやっています。

▽『AIを入れて自動的にセレクトしたりはされないんですか?』

わざとしていないんです。
時間軸が違うと思ってまして、例えばアパレルや家具やカメラって全部大人が使うもので、大人が自分で使ってみてその価値を自分で判断してこっちの方がいいかなと感じていくのが商品だと思っているので、AIを入れてやっていくのはありだと思います。ですが、我々のお届けしているおもちゃというのは、特に3歳ぐらいまでは成長がものすごく早いので、人の目で見た方がより価値が出るんじゃないかなと思いまして、そこはわざと機械化せずにやっています。
もちろん今も少し機械化はしていて機械の提案を参考にはしていますが、判断は全て人の手でやりますから、我々のお客様に同じパターンで届けているのは一件もないはずです。一件一件全部手作業でプランニングをしています。

▽『貸し出したモノは、お客様が返したいときに返せばいいという感じなんですか?』

それもできます。
長くご利用なさればなさるほど我々のプランニングの精度が上がるので、回数頻度が落ちますね。3ヶ月に1回とか、半年前からずっと交換なさってないという方は長いお客様の方が顕著に現れます。
初めてご契約なさったお客様にはなるべく、早く交換しませんか?というのも促しています。それは結果としてそちらの方が解約なさらないからです、ビジネス的に。
結局我々の商品は誰がその判断をするかというと親が判断するわけです。子供が全然遊ばないのにおもちゃがそこに転がっていることに対して親が不満を抱いて、遊ばないんだったら解約しようかなとなりますから、そこは最初に利益度外視でいっぱい貸し出していっぱい遊んでもらった方が結果として継続率の向上につながります。

▽『返送に関する部分の効率化というのはどのように工夫されているのですか?』

クリーニングしてくれるメンバーがいるんですけれども、一つは学生のアルバイトさんを少し活用しています。スーパーと同じようなカゴがありまして、お戻しいただいた1顧客に対して1カゴに入れていくんですけども、それを学生のアルバイトさんたちがざっくりクリーニングをします。その時に、専用のWEBシステムにクリーニングしたおもちゃを1カゴ単位で入れていきます。
すると、そのアルバイトさんごとに平均値が出てきまして、先月は例えば1時間あたり何個できたけれども「今月は何個持とうね」みたいな目標値を設定させて、そこを時給の連動をさせながら管理しています。KPIとKGIをそこで全部入れているのと、アルバイトさんが複数人いらっしゃる中で、アルバイト同士の比較はしないようにはしますが、とはいえ生産性が2倍くらい違う子もいたりするので、そこはちょっとどうにかしようねという風なマネジメントをしてます。
それをやることで自分の生産性がわかってき始めたので実際頑張る子もいれば、心が少し「うーん」みたいになる子も一応いたりしますので、その辺はうまく見極めながら、マネジメントしている子にきちんと月初の目標を立てさせながら管理する、ということをしています。
あとは夜の時間を有効活用していることですね。アルバイトの子達は夜10時くらいまで働いてくれますので、我々社員が働いていないその時間におもちゃが良品化されて、在庫数が増えていくのは翌日のプランニングをする上ではとても重要な時間です。

このほかにも盛りだくさん、サブスクリプションについて公開しています!
モノのサブスクリプションをご検討中の企業様のご参考になるかと思います!
それでは、青栁氏流『モノのサブスクリプション』、ぜひお楽しみください!

~第119回 ゲスト~

青栁陽介(あおやぎようすけ)氏
キッズ・ラボラトリー株式会社
代表取締役社長

25歳から社会人。松下電器産業のグループ傘下の企業で、コールセンターシステムや通信販売管理の業務システムをセールス。38歳でベンチャー企業に執行役員としてジョイン。マザーズ、東証1部と経験。CMO、社団法人の立ち上げを経験後、42歳で独立起業。
通販関係の講演における参加者は延べ4,000人以上
福岡大学など教育機関でも講演
インプレス社、ネット担当者フォーラムで記事寄稿
Yahoo!コラムなどにも掲載実績あり
読売新聞、日本経済新聞など大手メディアからの取材実績あり

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