今回ゲスト、株式会社コンパスポイント 代表取締役兼CEOの岡田氏は、
コンサルティング会社、商社を経て独立し、2015年から㈱コンパスポイントとして
企業向けの全世界Amazonサポートを開始。
補助金事業専門家アドバイザー、地方自治体案件などにも取り組みつつ、Amazonに
関する登壇や様々な企業向けの支援、啓蒙活動をされています。
岡田氏に『アメリカ・ヨーロッパの越境EC』についてお聞きしてみました!
▽『アメリカ・ヨーロッパの越境ECはあまり聞かないのですが?』
日本企業さんでいくと、おっしゃる通りアジアとか中国とかに行く
企業さんが圧倒的に多いと思います。いくつか理由があって、イン
バウンドがまずそこから来ていたというところで、売れるんじゃな
いかというのがまずひとつ。
進出していったときに、現地の人たちとやり取りしやすいというか。
欧米の人たちへの恐怖感というのが、意外と背景としてあるんじゃ
ないかなと思っています。欧米の販売する人たちや製造者側という
のも、しっかりした人たちがすでにいてレッドオーシャン化している
イメージがあるのかもしれないですね。日本から攻めていくと大変
じゃないかと。逆にアジアの方はあまりいなくて、メイドインジャ
パンが通用するんじゃないかというのはあるんじゃないかなと思い
ますね。プラス、もともとアジアの越境ECがはやってしまった
のでサポート会社もそこが多いんですよね。で、欧米に関しては
サポート会社がいなくて、どこに相談したらいいか分からないって
いうのも結構あると思います。
▽『Amazon.com の進出のお手伝いもされている中で、昨今のECの流れ的に何か感じられることはありますか?』
今まで日本の企業は国内のマーケットに集中している場合が多かっ
たですけど、コロナになってから海外のマーケットプレイスに対し
て本気で取り組もうとされている事例が非常に増えてきています。
今までであれば、卸先さんとか商社さんとか代理店さんとかが動か
れている事例が多かったと思うんですけど、コロナが来てからは
メーカーの方たちがさすがにこれはまずいということで、メーカー
さんがAmazonならAmazonに直接乗り込んでいくということをされ
ている事例がすごく増えています。コロナになって大きく変わっ
たのはリアルの方からオンラインの比重が徐々にあがってきている
というとことがありまして、卸先さんはリアル店舗が得意で、別に
Amazonのプロじゃないので、ちゃんと売れていなくてですね。商品
ページぐちゃぐちゃだったり、値下がりしていたり、なんなら個人
の転売ヤーがたくさんいたりとかして、いろんなことが起きてまして、
クレームが多発しておりますという中で、メーカーさんがブランド
イメージを毀損されないためにちゃんと出していって売り上げを
取っていくということをやるということも、今すごく起こっていま
す。特に大手さんの方は守りが多いと思います。
▽『アメリカに進出するメリットは?』
そうですね、単純にAmazonだけの規模感で比べてみると、アメリカは
日本の10倍以上の規模感がありまして。で、アメリカに次いでドイツ、
イギリスと日本って来ているんですけども、やはりアメリカだけが
とにかくぶっちぎっているところがありまして。最初にアメリカに
出て行くっていう会社さんがすごく多いです。次にEUですね。EUは
今イギリス、フランス、スペイン、ドイツ、イタリアとオランダと
かいくつかまた国があるんですけど、それをまとめていくとアメリカ
の半分くらい多分あると思うので、アメリカ、EUって進出される方が
すごく多いのが現状です。
▽『アメリカに進出して成功するパターンは?』
まずやっぱり市場調査をきちんとしてから取り込んでいくっていうのは
最低限。Amazonに限らずですけど需要があるのかマーケットがそも
そもあるのか。例えば、自分たちの同ジャンルの商品をアメリカの
Amazonで見たときにですね、トッププレイヤーでも月100万しか売れ
てなかったらそこに乗り込んで価値は果たしてあるのか、っていう
ことです。以前あったんですけど、非常に高価な扇子を売りたいって
おっしゃった時に、確かにいいかもしれないんですけど、5万円の扇子
の市場ってアメリカのAmazonにそもそもあるんですかっていうのを
冷静に見ると、ないんですよね。この初歩の部分のところがまず
あるのと、あと、アメリカっていうのが色んな商品があって、いろんな
出品者さんで溢れているので、その中で自分たちの商品の強みは
何なのか、お客さんが買った時のプロフィットは何なのかっていう
ところ、ターゲットとするべきお客さんのペルソナは何で、とかって
いうようなマーケティングのベーシックなところは押さえておかない
とそもそも厳しいと思いますね。
▽『まず日本でちゃんとやっていないと、海外でやるのは厳しいっていうことですよね?』
海外やりたいっていうご相談が圧倒的に多いんですけども、そのうち
の半分以上の方たち、企業様っていうのはお話していくと、日本を
まずやらないとダメですよねってお話になって日本から始めていた
だくことが結構あります。あと、日本の商品だから必ずしもみんなが
買ってくれるという幻想はそんなに通用しないというのは実はありま
す。過信するとよくないかな。無くはないんですけど、それだけで買
うような大きなファクターではないと思うので過信しすぎないでくだ
さい、ってよくお伝えしています。
この他にももりだくさん、アメリカ・ヨーロッパの越境ECについて公開しています。
越境ECについてご検討中の企業様のご参考になるかと思います。
それでは、岡田氏流「アメリカ・ヨーロッパの越境ECについて」
ぜひお楽しみください!
「ECの未来」episode102 ポイント
アメリカ・ヨーロッパの越境EC
~第102回 ゲスト~
岡田 昇(オカダ ノボル)氏
株式会社コンパスポイント
代表取締役兼CEO
コンサルティング会社、商社を経て独立し、日本商品の海外Amazon
販売で起業。2013年から企業向けの支援事業を行い、2015年から
㈱コンパスポイントとして本格的に企業向けの全世界Amazonサポート
を開始。補助金事業専門家アドバイザー、地方自治体案件などにも
取り組みつつ、Amazonに関する登壇や様々な企業向けの支援、啓蒙活動
を行っている。中小機構開のEC・IT活用支援パートナー、及び
開拓支援アドバイザー、JICAマッチング相談窓口コンサルタント、
複数銀行にてアドバイザー、専門家。
~ECの未来 チャンネルMC~
柳田 敏正(ヤナギダ トシマサ)氏
株式会社柳田織物&
代表取締役
1971年4月生まれ。
1994年法政大学卒業後、(株)バーニーズジャパン入社、横浜店にてメンズ全般の接客に従事。
1999年退社し(株)柳田織物に入社。
2002年オリジナルのシャツを販売する自社ECサイト「ozie」を開設し、BtoCへ進出。
2011年にOSMC(オンラインショップマスターズクラブ)最優秀実践者賞受賞。
2012年第4回エビス大賞 大賞受賞。
2013年4月代表取締役に就任。
2014年、六本木一丁目にショールームをオープン。
EC4店舗を運営。