インドネシア・越境EC|中国に次ぐアジア市場でどうビジネスを展開すべきか「PT. Transcosmos Commerce」に独占インタビュー!【ECの未来 EP100】

マーケッター編 越境EC編

中国に参入するのはもう遅い感じがするし、
どこの国が良いかな?という方

今回ゲスト、PT. Transcosmos Commerce (インドネシア) CEO 長田氏は、
ジャカルタでECリテール・EC運営代行を行う「売れるECリテール」
「リピータで評価されるEC」を標榜してLifestyle, Home, Health に
特化したサポートをされています。

長田氏に『インドネシアのビジネスとEC』についてお聞きしてみました!

▽『インドネシアの現状ってどんな感じなんですか?』

まずマーケットポテンシャルということで申せば、ASEANそのものが
やっぱり世界のグロースセンターであることは疑いないと思うんですが、
人口にしてもGDPにしてもインドネシアが40%で、グロースレートから
考えてもインドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国がASEANのさらに
グロースセンターなので、ポテンシャルという意味では全く疑いない
市場だと、これが1点目です。
2点目は、一人当たりのGDPがこれまでASEANの中では低めの国だったと
いうのがあって、キャッチアップのスピードがやっぱりその他の国に
比べて速いと。例えばECで言うと2019年から20年にかけてBtoCが
大体プラス65%ぐらいで伸びました。コロナボーナスです。2020年から
21年がプラス35%と言われているのですでに大きく、なおかつ伸びしろ
も大きいということですね。

▽『EC越境でインドネシアの話をあまり聞きませんが、なぜでしょうか?』

大きく3つあると思っています。越境に絞って言うと関税の問題や税関の
取り締まりの問題とそこにかけられる税率の問題で、越境ECがしにくい
筆頭の国であること。関税率が高いですし、取り締まりも厳しいわけで
すね。個人として輸入するっていうことが非常に難しい。
2つ目はそこに進出する企業で考えた時に投資する見通しで考えてみる
ならば、払込金の最低額が例えば以前は資本金の3分の1程度を払い込ん
でればよかったのが、2020年になったら資本金分の全てを払込みしない
とだめですと。本腰を入れてやるっていうのが非常に難しい市場になって
しまった、というこの2つが非常に大きいかなと。
で、最後が欧米とかと違うのは、やっぱりASEANの市場の特性やネガティ
ブリストのあり方が国によって例えば180度逆ということ。具体的に言うと、
インドネシアではディテールはオッケーだけどディストリはダメですよ。
逆にベトナムは180度逆で、ディテールは駄目だけどディストリはOKです、
となる。なので、同じビジネスモデルで同じようにASEANに入り込むのが
難しい。こういうのがもうひとつの理由でしょうね。

▽『BtoCよりBtoBのイメージが大きいのですが、実際どうなんですか?』

結局のところそれはBtoBの部分を華僑系ディストリビューターさんが
担ってるからなんとかなっている。例えば今私どもがBtoBtoC的に扱って
いる日本のブランドさんがあるとします。そのうちの多分3分の2はインド
ネシアにエンティティがない状態です。なので代表権というのがインドネ
シアに存在する華人系のディストリビューターさんというパターンが
大体95%。したがって私たちが例えば仕入れしたりあるいはECの部分を
請け負ったりしてる時に、誰と契約を交わしてるかって言うと、実は
100%インドネシア内資のディストリビューターさんになっているという
ことなんです。

▽『現地の人と組んでやるのがまだ大事ということですか?』

はい。私たちが得意としている商品というのは比較的嗜好性がはっきり
した商品で、ペルソナが割とはっきりと特定でき、しかも商品粗利率が
割と高めの商品が多いので、未来予測としてどこ見てるかといえば、
当然中国で同じメーカーのブランドさんがどれぐらいのEC化率になってる
かっていうのは当然1つのバーになるわけです。我々の取り扱いブランド
さんは比較的EC化率が高くて、25%から60%ぐらいが中国ですでにEC化され
ているものというのをインドネシアで10%という時に、それなら少なく
とも2.5倍ぐらいにするポテンシャルありますねと、そういう形でお引き
受けすることが多いですね。基本的にタイムカプセルは、ECだろうが
ITだろうが基本的にはワークするわけで、昔はアメリカを見る可能性が
高かったんですけど、ECかつ東南アジアとなるともう今は完全に中国が
もうほぼほぼ。中国で起きたことは、間違いなく4年後以内に東南アジア
で起きるという前提で進めております。ただインドネシアには日本の
ビジネスモデルに近いものもあるので、ミックスチャーとしてはだいたい
私は8:2くらい。80%が中国のコピーと考えて、20%が他の例えば日本とか
韓国で起きたことが起きうるな 、という比率で見ていますね。

このほかにも盛りだくさん、インドネシアECビジネスについて公開しています!

東南アジアの越境ECをご検討中の企業様のご参考になるかと思います!

それでは、長田氏流『インドネシアのビジネスとEC』ぜひお楽しみください!

「ECの未来」episode100 ポイント

インドネシアのビジネスとEC

~第100回 ゲスト~

長田 直人(オサダ ナオト)氏
PT. Transcosmos Commerce (インドネシア)
CEO

1970年2月大分市生まれ。
慶應義塾大学卒業後、韓国インターネット市場のリサーチャーを
皮切りに一貫してインターネットB2Cx国際ビジネスに従事。
Microsoft 本社開発部門を経て楽天国際部門等で海外投資先の
インテグレーション(PMI)、ターンアラウンドに従事、ベトナム Hotdeal、
タイ Tarad.com、Linkshare のCOO等を歴任。
2018年、ジャカルタでECリテール・EC運営代行を行う PT. Transcosmos Commerce
を立ち上げ、代表取締役に就任。「売れるECリテール」「リピータで評価されるEC」
を標榜してLifestyle, Home, Health に特化し、営業開始後 24ヶ月で
最初の単月黒字を達成、その後も順調に推移。
バックパッカー時代は、陸路国境越え・ローカルフードをテーマに
北朝鮮・リビア・グリーンランド等80数ヶ国を歩く。アウェイ環境
での生き残り方・好意の引き出し方を学んだほか、二項対立ではな
く立体的に相対化する習慣が身についたという。

~ECの未来 チャンネルMC~

柳田 敏正(ヤナギダ トシマサ)氏
株式会社柳田織物&
代表取締役

1971年4月生まれ。
1994年法政大学卒業後、(株)バーニーズジャパン入社、横浜店にてメンズ全般の接客に従事。
1999年退社し(株)柳田織物に入社。
2002年オリジナルのシャツを販売する自社ECサイト「ozie」を開設し、BtoCへ進出。
2011年にOSMC(オンラインショップマスターズクラブ)最優秀実践者賞受賞。
2012年第4回エビス大賞 大賞受賞。
2013年4月代表取締役に就任。
2014年、六本木一丁目にショールームをオープン。
EC4店舗を運営。

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