Amazonの音声ショッピングはご存知ですか?
SF映画などではコンピュータと対話して欲しいものやサービスを告げるとすぐ欲しい物が供給されたりしていますが、現実の世界でもそういったことが実現できるようになってきています。
Amazon(アマゾン)の「Amazon Alexa」を元に買い物がトレンドになりつつあります。
今回はこのAmazonの音声ショッピングをメインにまとめてみたいと思います。
Amazonの音声ショッピングとは
Amazonの音声ショッピングとは、Amazonが提供するクラウドベースの音声認識サービス「Amazon Alexa」を使い、独自ドメインのECサイト(自社ECサイト)でも音声で買い物ができるようになるシステムです。
家電の操作や本の読み上げなど実生活のなかで使い始めている人も多い、音声サービス「Amazon Alexa」、近年ではAmazonはAlexaなどで利用可能な音声サービス「Alexaスキル」を、Amazon Payを連携させることで外部のECサイトでも注文を行えるようになりました。
その機能とAmazon Payを連携することで、EC-CUBEにも利用できるプラグイン「Alexaカスタムスキル」など、外部ECサイトにも流通し始めていますのでこれからの動向にチェックが必要になります。
音声注文の決済は「Amazon Pay」で
「Amazon Pay」は、アマゾンが独自に展開する決済サービスで、「Amazon.co.jp」に登録されたクレジットカード情報やユーザー情報を使い、Amazon以外のECサイトでもログインや決済を行えるサービスです。
「Amazon Alexa」を搭載したスクリーン付きスマートスピーカー「Amazon Echo Spot」ではAmazon Payで注文できることから、宅配ポータルサイト「出前館」はこの注文に対応できるようになっています。
こういったユーザーに個人情報入力の手間をかけさせない、Amazonに蓄えられたビッグデータをサービスにそのまま活かすことができるのもAmazonならではの施策といえるでしょう。
Amazonだけではない音声ショッピング
アメリカ、日本でも音声ショッピングではアマゾンが先行していますが、Googleも2016年5月にアメリカでスマートスピーカー「Google Home」を発売、2017年春には音声認識によるEC機能を「Googleアシスタント」に追加しており、すでにWalmart 、Costco Wholesale、Targetなど大手小売業者などがグーグルの音声認識デバイスを通じた商品販売を行っています。
「Googleアシスタント」のEC機能を活用する店舗様は、「Google Express」というGoogleが提供する食品などの即日宅配サービスプログラムに参加しています。
Google Expressの最初はPCやモバイル向けに展開していましたが、音声ショッピングにも対応するようになり、またGoogleショッピングの新しい機能「Shopping Action」など新しい動きを見せていますので、こちらも今後の動向が見逃せないと言えるでしょう。
音声ショッピングのECにおける注目
音声による注文機能は既に大手でも普及に向けた実験的な導入が進んでおり、従来のネット注文・電話注文とも異なったスマートスピーカーによる音声注文は、各業界に新しい販売手段の可能性をもたらしています。
また、上記で述べた出前館は画面上に表示されているメニューなどを参考にしながらAIスピーカーで注文を行うというもので、電話よりも正確で、通常のネット注文よりもシンプルな操作でテイクアウトができる画期的なサービスを供給しています。
JTBの展開する「JTBおでかけチケット」も「エコースポット」を用いて電子チケット購入の煩わしい操作を簡略化してくれるサービスを提供しています。
こういったインターネット上で決済が発生するあらゆるサービスにおいて、音声ショッピング機能とAmazonPayの組み合わせが活用できるケースも多く見受けられますので、今後はこういった音声検索・注文機能が新しいスタンダードとなっていくでしょう。
音声ショッピング対応のメリット
音声ショッピング機能を利用するメリットを挙げてみます。
利用者にとって一番大きいメリット、それは注文の手間を大きく簡略化できる事でしょう。
音声ショッピングはAIによって音声コマンドでの入力を可能にした技術のため、キーボードや煩わしいスマートフォン上での入力作業を行う手間が省けますし、欲しいものを声に出すだけでAIが自動的に注文処理を行ってくれます。
ゆくゆくはデバイスに依存する事なくいつでも同じ操作、つまり音声操作でショッピングができるようになることが期待されます。
また、店舗様にとっては音声ショッピング機能を搭載した「Alexaスキル」に対応するできるは一部の店舗様に限定されているもの、将来的にはAmazonPayの導入で対応させる事ができるようになるでしょう。
音声ショッピング対応のデメリット
音声ショッピングのデメリットといえば、普及率がまだまだ低いということでしょう。
さらにいえば、データとしてあまり音声入力が活用されていない事が判明しています。
Amazonのスマートスピーカー、Amazon Echo購入者のデータでは、Echoは5000万台もの売り上げに対し、音声ショッピングに使用しているのはわずか100万程度ということ、また、音声ショッピングを利用したユーザーの90%は2回目以降の利用をしていないということから、まだまだ音声操作に慣れていないというのが挙げられるでしょう。
音声ショッピングがこれから普及する理由
音声ショッピングが普及するためにも、スマートスピーカーがIoTに対応した環境を整える事で、現状では生活に溶け込み切ることは難しいですが、将来的には手を使わずに作業を行える音声操作のニーズが高まれば、次第に音声によるショッピングも定着していくことになるでしょう。
例えばトイレットペーパーや洗剤のような消耗品はあれこれ悩まずとも買わなければいけないものですから、どのメーカーのものにしろ購入することは確実ですので、こういった日常的に購入するものと音声ショッピング機能の相性は良く、「Alexa、トイレットペーパーを買っておいて」と言えば、スーパーやサイトを訪問してショッピングをする手間はかかりません。
これは家庭のみならず、日々の業務で忙しくしている会社などでは、少しでも業務の効率を上げる事が重要ですので、手を使わずにゼロタイムで注文できる音声ショッピング機能は、事務用品などの補充には大きく役立ってくれることになるでしょう。
まとめ
音声ショッピングに不慣れなためまだ流通しているとは言い切れませんが、逆に言えば改善の余地があり成長期にあるといえます。
さらにAmazonPayが流通することで、スマホに慣れた世代や若者が将来的にあらゆるシーンで活用することは疑いないため、ECショップを運営している店舗様は今後の動向に注目し、音声ショッピング対応できるよう準備しましょう。