越境ECといえば、米国、中国以外にどこがオススメ?とお考えの方
今回ゲスト、株式会社キレイコム 代表取締役社長 上田氏は、
阪神淡路大震災の後、イギリスへ留学、その後、台湾の総合商社に勤務を経て、
LAの貿易会社へ勤務。現在、アジア最大級の美容博覧会の日本事務局を行って
おり、中国人バイヤーとのネットワークを活用し、日本の美容メーカー様の進出支援
を行っております。
上田氏に『越境EC』についてきいてみました!
▽ 『今、中国越境ECの参入チャンスはありますか?』
中国でもターゲティング広告みたいなものも結構盛んでして、今の日本と比べますと
表示させないとか、一級・二級都市の方へとか、Facebookにちょっと近いかもしれない
ですね、そのもう少し突っ込んだ版みたいなのがあるので、非常に効果の出やすい
広告手法だと思います。そこの広告プランニングと設計とプラットフォームのつくりこみ
について、我々はノウハウがあります。売上目標に対して、初年度でやっぱり30%、
40%くらいの広告費をかけないとなかなか形になりづらいと思います。
▽『中国以外はどうでしょうか』
2年前からベトナムに現地法人を作りました。圧倒的にマーケットが大きいです。
商品を扱っているメーカーさんは、”まだ早いかな?”みたいなお声が結構多いんですけど、
実はものすごく副業する国なんです。時間も1分でも過ぎたら”失礼します”みたいな。
またFacebookがとても盛んです。30歳くらいのスタッフのお母さまは60歳を超えてらっ
しゃいますが、普通に投稿しています。3~4万円の月給は平均月収としては間違い
ないんですけど、副収入でもっと稼いでいるような方たちが結構います。なので、
1万円と言われるとすぐ買えないなみたいな方はいますけど、それ以下だと意外と
現地の声を聴きますと、買うことができる方はいっぱいいます。
▽ 『ベトナムにECプラットフォームはありますか?』
LAZADA(ラザダ)、Shopee、Tiki、現地のECサイトもあります。現地にもベトナムのラザダ
のサイトももちろんあります。
中国の化粧品って認可に期間とお金がかかるという話をしましたが、ベトナムだとスキンケア
で大体10万円くらいでとれちゃうんです。中国と比べると安価ですし、スピードも1ヶ月半
くらいあれば承認されます。東南アジアは越境ECというよりは、たとえば僕たちは現地の
ベトナムに支社もあるので、登録しながらラザダの現地のベトナムサイトで展開しています。
日本の企業さんはテストマーケティングが好きでライブコマース一回だけやってくれない?と、
ご依頼いただきますが、それでいけてた時代もあったんですけど、今は効果が出づらい状況に
なってきています。そういう意味でやっぱり東南アジアは非常にやりやすいかもしれないですね。
▽ 『ベトナムはビジネス開始までのスピードがメリットですね。』
許可を取れば現地の卸ができます。越境での中国は認可とれてない商品だと現地の小売店舗
とかに卸せません。一般貿易で入れちゃうので、売りながら小売店さんとかバイヤーさんとのく
コミュニケーションをはかっていて現地で700社くらい取引があります。ドラッグという形態だったり、
大きなロットでは取り扱いしていただけないので少しずつにはなりますが。
チェーン展開されている日本企業さんが納得していただけるような店舗ではあります。ローカルな
店舗も売上は上げているので面白いマーケットです。
▽ 『BtoBもやられているんですね』
ECだとなかなか費用対効果が出づらいので、BtoBを目指しているメーカーさんの方が多い
かもしれません。広告費もかかるよねみたいなところがあるので認可をとって現地に流通
させちゃうというところですね。色んなバイヤーさんと話しまして、国比較をしたとき、韓国の
商品ばっかりだね。と、”だって日本の企業は来ないじゃん”、”どうせ小っちゃいマーケット
だと思ってるんでしょう?”と。ニーズはあるんです。
認可をとって頂いて商標も現地でとった商品じゃないと提案しないようにしています。
大きな店舗さんから引き合いがきても、卵が先が、鶏が先かみたいな話ばかりなので、
中国だったり海外で商売されるんだったら、ある程度の覚悟が必要です。
予算とスケジュール、成果を見て行かないとなかなか成功しづらいというのは感じています。
ベトナムはコストも比較的、低い方だと思いますし、今までNGな成分って一応あるんですが、
ほとんどの商品はそれに引っかからないです。中国はあれダメこれダメっていうのが結構多い。
ベトナムはまだスキンケアっていう概念もあまりなかったりします。その状況は中国も10年前は
同じだったと思うんです。スキンケアよりはどっちかというと色モノのメイクばっかり好んで
使ってらっしゃった。それが、今、ベトナムがスキンケアって何なの?って興味を示している
状況になっているところです。
このほかにも盛りだくさん、越境ECについて公開しています!
越境ECをご検討中の企業様のご参考になるかと思います!
それでは、上田氏流『越境ECについて、ベトナム編』、ぜひお楽しみください!
「ECの未来」episode80 ポイント
ターゲティング広告。東南アジア越境ECは可能性大。
~第80回 ゲスト~
上田 直之(ウエダ ナオユキ)氏
株式会社キレイコム代表取締役社長
株式会社アーツ創業者兼、取締役会長
東証二部上場会社とのJV企業
株式会社PAエンタープライズ代表取締役社長
株式会社シールド代表取締役
株式会社アイコーングローバル代表取締役社長。
1975年8月5日生まれ
阪神淡路大震災の後、イギリスへ留学、その後、台湾の総合商社に勤務を経て、LAの貿易会社へ勤務。
現在、アジア最大級の美容博覧会の日本事務局を行っており、中国人バイヤーとのネットワークを活用し、
日本の美容メーカー様の進出支援を行う。
~ECの未来 チャンネルMC~
柳田 敏正(ヤナギダ トシマサ)氏
株式会社柳田織物
代表取締役
1971年4月生まれ。
1994年法政大学卒業後、(株)バーニーズジャパン入社、横浜店にてメンズ全般の接客に従事。
1999年退社し(株)柳田織物に入社。
2002年オリジナルのシャツを販売する自社ECサイト「ozie」を開設し、BtoCへ進出。
2011年にOSMC(オンラインショップマスターズクラブ)最優秀実践者賞受賞。
2012年第4回エビス大賞 大賞受賞。
2013年4月代表取締役に就任。
2014年、六本木一丁目にショールームをオープン。
EC4店舗を運営。