【99%が知らない】業界の常識を変えた売り方で成功!【EC・ネットショップ】【episode221】

EC戦略・マネージメント編

今回ゲスト、有限会社谷治新太郎商店 谷治大典 氏は、業界が斜陽産業なため危機感を持ち、周囲の反対を押し切り2013年卒塔婆通販サイト「卒塔婆屋さん」を開設。
カラーミーショップ大賞にて2019年地域賞、2020年優秀賞を授賞、2023年ネットショップグランプリネットショップ担当者フォーラム賞を授賞されていらっしゃいます。

引き続き、谷治氏に『伝統工芸とEC』についてお伺いしました!

▽ECは便利ではありますが、卒塔婆をECで買う理由は何だと思いますか?

妻の実家に入って最初に何をやっているか聞いた時に、卒塔婆を作っていると言われ、「卒塔婆って何?」というところから入っているので、業界の常識はありませんでした。業界の常識は、いかにロットを多く売るかということです。その数は1回で500本〜1000本くらいです。それで年間で少ない数でやるというのが今までの考え方でした。これだと金額的に買いにくく、置く場所にも困ります。
弊社は元々50本入りがスタートだったのですが、もう少しロットを減らした方がお客様から喜ばれるのではないかと、社内でも色々議論したところ、どうせ減らすのなら最小ロットにした方が面白くないかということで、ばら売りを始めました。
ここで一つ問題なのが、ばら売りだと送料の問題があり、商品よりも送料が高いという状況でしたが、とにかくばら売りで1回チャレンジしてみようと、1本単位で買えるやり方に変えました。
やってみたところ、送料は全く問題ありませんでした。
1本で買う方は多いです。そこが最終消費者ではなく、BtoBで檀家さんに売るというのを考えると、コスト的にも吸収できると。あとは、お試しでいろんな種類をばらで買っていただくこともあります。
最初はみんな怖いので、特に初めてのお客様は、ばら売りで何本かセットで買います。気に入ってもらえたら次は一気に量が増えたり、という買い方が多いです。
弊社はサンプルはやってないので、サンプル代わりにばらを買うという形ですね。

▽昔からの商習慣がある中、社内で反対もあったと思いますが、どう説得されたのですか?

意外ですが、社員の方からばら売りでやってみたらと言われました。
例えば10本でやっていて、後から5本の業者が出てきたら、やられた!と思うが、1本なら最小だからできないよねという話で突き抜けていきました。それをやったことによって、後からこういうのがあるんだとお客様が気づいたというか、お客様からばら売りしてくれという要望はそれまで1回もありませんでした。でもやってみたら無駄がないので割高ではありますが、とにかく無駄がなくなったということが1番ですね。

▽何か試験的にされていると聞きましたが。

コロナ禍の話に繋がるんですが、ちょうどコロナ禍でお客様から問い合わせがあり、商品や買い物の問い合わせではないのですが、谷治さんのところは他のお寺と色々付き合いがありますよねという話の中で、オンラインで法要をやろうと思っているが、ノウハウもないし果たしてこういうのをやっていいのかも分からないし、他のお寺はどうしているのかと話をしていて、たまたま弊社が懇意にしているお寺でオンラインをやると聞いていて、インスタなど上げていらしゃったので、オンライン法要をやっているところをご紹介したら、凄く喜ばれました。
それから、そのお客様からは、ことあるごとに他のお寺はどう?と話があり、ある時お客様に宗派で横の繋がりはあまりないのですかと聞くと、プライドがあり知っている人には中々聞けないんだとおっしゃっていました。
弊社もお寺も大変な状況になりました。ただ、それを相談する相手がいないとなった時に、弊社が間に立って、❝お客様同士をマッチングして繋ぐ❞、もしかしたらこれはニーズがあるかもしれないと思いました。お寺さん同士が宗派を超えてコミュニケーションをとる、そういう場が今までなかったので提供できれば面白いのではないかと思い、2年くらい前からFacebookグループでオンラインサロンのようなことを始めています。
今頼んでいるところが例えば辞めてしまったとかどうしても不都合が起きた時に、そういえばと思い出して弊社に来てくれる人が多数いるのでそこをねらっています。

▽中長期的に見た時にやってみたいことはありますか?

今後、ECで販売はもちろんやっていくのですが、もう少し広げて、お寺で起きている困り事を解決できるコンテンツや、全く違う業者でも困りごとを解決する業者を紹介するなど、コンサルではありませんがアドバイザーというか、お寺の課題解決ができるような、ECサイトなんですが、もう少し広義で見た時にメディアに育てていきたいなというのはあります。

この他にも盛りだくさん、公開しています!
業界の常識にとらわれず新しいことに挑戦したい企業様のご参考になるかと思います!
それでは谷治氏流『伝統工芸とEC』、ぜひお楽しみください!

~第221回 ゲスト~

谷治 大典 氏
有限会社谷治新太郎商店
代表取締役

新卒で、小売業へ新店のスタッフ教育係、売り場責任者として仕入れ売り場レイアウト作成などに従事。
2011年妻の実家が経営する卒塔婆製造販売業有限会社谷治新太郎商店に入社、製造や営業を担当、2012年代表取締役就任、斜陽産業であり、売上利益ともに毎年少しづづ減少していることに危機感を持ち、周囲の反対を押し切り2013年卒塔婆通販サイト「卒塔婆屋さん」を開設、カラーミーショップ大賞にて2019年地域賞、2020年優秀賞を授賞、2023年ネットショップグランプリネットショップ担当者フォーラム賞を授賞、現在は中小企業向けのECに関する記事執筆・講演も行っている。

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