今回ゲスト、株式会社キレイコム 代表取締役社長 上田 直之氏は、
アジア最大級の美容博覧会の日本事務局を行い、中国人バイヤーとのネットワークを活用し日本の美容メーカー様の進出支援をされています。
上田氏に『中国越境ECマーケティング』についてお伺いしました!
▽ROAS保証というのは、どういうものなのか?
ECの面白い展開として、中国国内で、掛けた広告予算に対して、売上を200何十%保証します、のように、ROASを保証をします、ということをやっています。
商品によって200%とか、そういったところです。
とある海外の、結構有名で認知もされているかなというメーカーさんで、1年間で1億円かけて5億円売れた、1年間で500%という実績があります。
日本の企業さんは多分ほとんど誰もやらないというか、やっていない状況なので、この前、とあるメーカーさんで3000万円程入れて、6600万円ぐらいなので、
ROASでいうと220%ぐらいで、全然悪くない、という感じです。
商材によって保証率が変わるというよりは、プラットフォームごとに違ってきたり食品だと賞味期限の問題だったりがあるので、それによってROASは若干変わってきますが、
契約書に落とせるレベルだとだいたい200%ぐらいの最低保証というものでできなかったら返金します、というものですごく面白い仕組みだと思います。
▽中国で売れるブランディングとは?
日本の企業さんは中国向けに作っている商品はやっぱり少ないので売れている商品を、中国の方が買うであろうプライスだったり成分だったり、ちゃんとマーケティングしています。
日本の会社でも少ないですが、僕たちはそれを提唱していって中国の方々のローカライズを越えた文化などを知らないといけないと思っています。
韓国は始めから中国で売ることを想定して作っていてコストもマーケティングしていて、中国へのブランディングが強くて、とても勝てない。
日本の企業はmade in Japanを強みに思っているけれど、特に中国の若いz世代やα世代は、made in Japanがかっこいいという意識がないですよね。
面の取り方で面白いなというのは、コロナ中に日本のパブロンがインバウンドや在日の方たちの口コミで、めちゃくちゃ売れたんです。
中国でいま、面を取るというのは、ROAS保証もそうですが在日の方の影響力が大きいと思うので、在日の方のコミュニティ化して情報発信した方が、しっかり情報が届くかなと思っています。
アリババ株式会社さんが提供している、Tmall Overseas Fulfillment=TOF(トフ)という日本の倉庫に在庫を置きながら、天猫グローバルの自営で売ってくれるというサービスが、3~4年位前からあります。
中国だと、福島原発以降、1都9県原産地証明のように福島近隣エリアで作られたものはダメだけど、TOFだと大丈夫ですし、最近ですと、OTCとか医薬品も、越境ECはダメだけど、TOFだったら大丈夫、NMNも中国ではダメだけど、TOFなら大丈夫なようにTOFは、色々なハードルが一番ミニマムな越境ECだと思っています。
▽それでは、どうしてTOFはあまり認知されていないのか?
アリババさんがそこまで積極的に営業していないところもあるかもしれないですね。
これから僕たちは一番初めの越境ECのステップとして、日本に在庫があったら在庫管理もしやすいし、手数料がその分、高いかもしれないけれど在庫を無駄にしなくて済むので、TOFを活用しようかと考えています。
掛け率を決めた後に、色々な越境EC税だったりを加味して、受注管理も全部含めて、TOF側が販売してくれますし、たとえmade in Japanと書いてあったとしても「日本から届いたものでないと信用しません」という方もやっぱりいらっしゃるので越境ECの入り口としては、TOFを面白く活用できるかな、とすごく感じています。
このほかにも盛りだくさん、『中国越境ECマーケティング』について公開しています。
越境ECをご検討中の企業様のご参考になるかと思います。
それでは、上田氏流『中国越境ECマーケティング』、ぜひお楽しみください。
~第184回 ゲスト~
上田 直之(ウエダ ナオユキ)氏
株式会社キレイコム
代表取締役社長
阪神淡路大震災の後、イギリスへ留学、その後、台湾の総合商社に勤務を経て、LAの貿易会社へ勤務。
その後、株式会社アーツを創業、東証スタンダード上場企業PAとのJV、ベトナム進出支援PAエンタープライズ代表取締役社長、シンガポール現地法人BeautyJapan代表取締役社長を兼務。
アジア最大級の美容博覧会の日本事務局を行い、中国人バイヤーとのネットワークを活用し、日本の美容メーカー様の進出支援を行う。