越境EC|海外と国内でのEC戦略の違いと失敗例を「PT. Transcosmos Commerce」に独占インタビュー!【ECの未来 EP101】

マーケッター編 越境EC編

越境ECを考えているけど、どの国が良いのかな?
日本では売れてるけど海外でも売れるのかな?という方

今回ゲスト、PT. Transcosmos Commerce (インドネシア) CEO 長田氏は、
ジャカルタでECリテール・EC運営代行を行う「売れるECリテール」
「リピータで評価されるEC」を標榜してLifestyle, Home, Health に
特化したサポートをされています。

前回に引き続き、長田氏に『インドネシアのEC市場』についてお聞きしてみました!

▽『市場として、日本からインドネシアを見ると現状どうなんでしょうか?』

そうですね、例えば日本での全体の市場に対するEC化率を見ていけば、
当然成熟すればするほど、オフラインの分布図と似たような分布になっ
ていきますよね。当然今のインドネシアというのは、より初期のステージ
ではあるので、例えば携帯だとか初期のECにおいて相性の良い商品という
のが比較的パーセントが大きい状態ではあります。
しかしながら、これは長い目で見れば、間違いなく5年以内にはかなり
日本と近いようなパーセントの比率になっていくはずです。
あと、売り方ということで申しますと、どちらかというと中国の影響を
非常に強く受けています。例えば今注目しているものとしては中国の
ピンドウドウというソーシャルコマースと、ボトムズオブザピラミッドに
結構近い低所得の人達と共同購入とを掛け合わせたECサービスです。
三つとも非常に東南アジアとの相性がいいので、ソーシャルで口コミ
ベースで自分の友達が推してるものを買いたがる傾向は、日本や中国
以上に強く、いずれその波が必ず来るだろうなと思っております。

▽『SNSで直にやり取りしてモノの売買を行う、という話も多いと聞きますが?』

自社サイトみたいなものは少なく、プラットフォームが多いので、逆に
マーケットプレイス自体がソーシャルコマースのファンクションをつけて、
そこに乗っかるという戦略です。我々も実際それをやっていますが、
マーケットプレイスの中に乗っているLiveコマース機能に、我々が適切な
人をアサインしていくというのはますます加速すると思います。

▽『海外で、異なる人種や文化の方々とビジネスをグロースさせていく
ことについて、お話聞かせていただけますか?』

例えば、メーカーさんでも東南アジアの国に来られた方、要するに
第三国を知らない人だと、多分日本と比べて勤労意欲がどうとか、
時間を守るのがどうみたいな話をされることが多いと思うんです。
やっぱり遠目で見たときに、東南アジアの人たちって日本人と結構
似てるところは確かにあると思うんですね。異文化の人達を見たとき
に、自分たちは当たり前にできるのになんでできないの、とネガティブ
に考えがちです。けれど逆も存在していて、例えばタイとインドネシアは、
文化的に近くて楽しいことが大好き、非常にホスピタリティもある。
だけど、ハードボールが来るとあっさり負けちゃうところがある。
でもいいところとして、インドネシアの特にジャワの人は、隣で困っ
てる人がいた時、先に帰らずに自分の専門分野じゃないけどバック
アップしてあげるというとても良い点があります。非常にFor the teamの
意識が強い人達なんです。
競わせるよりも、一緒に達成した方が満足感のある、という部分を生かして、
ベトナムでワークしたインセンティブ制をインドネシアに入れました。
それから、タイでは英語が喋れるか喋れないかというのは、日本人と
同じで差があるんですが、比較的インドネシアの人達は聞くぐらいは
全然ついてこれるんです。マーケットの伸びがあまりにも速いので、
将来的にマネージャー層、部長層はだんだん薄くなります。そのときに
我々のビジネスパートナー達はシンガポールから人を雇ったり、
オーストラリアのブランドマーケティングしている人が、そのまま
インドネシアでやってたりするんですが、全然通用してるんです。
弊社でも3人以上の会議は英語でやるようにしたのは、ミーティングの
議事録などが英語で残ってた方が、後にシンガポール人が部長として
入社してきても読めるからです。民族性や文化をリスペクトする部分と、
日本よりもグローバルな展開がたやすい状況を生かさない手はないと
いう部分、この二つは両立しうると思ってるんですね。なので今は
社内のミーティングであってもある程度以上の規模のものについては、
全て英語で記録を取る。それから基本的には将来、シンガポール人の
部長あるいはその取締役が入ったとしてもやっていける体制を取る。
一方で、同じインドネシアの中でも、民族性その他によって得意不得意が
あります。チームプレーする時にはあなたのチームをアサインしましょう
とか、1人でタフに立ってくれないと困るというところには、そういう人を
充てがうというのが、もう既に起きているのがインドネシアの現状なんじゃ
ないかと思います。

このほかにも盛りだくさん、インドネシアECビジネスについて公開しています!

東南アジアの越境ECをご検討中の企業様のご参考になるかと思います!

それでは、長田氏流『インドネシアのビジネスとEC』ぜひお楽しみください!

「ECの未来」episode101 ポイント

インドネシアのビジネスとEC

~第101回 ゲスト~

長田 直人(オサダ ナオト)氏
PT. Transcosmos Commerce (インドネシア)
CEO

1970年2月大分市生まれ。
慶應義塾大学卒業後、韓国インターネット市場のリサーチャーを
皮切りに一貫してインターネットB2Cx国際ビジネスに従事。
Microsoft 本社開発部門を経て楽天国際部門等で海外投資先の
インテグレーション(PMI)、ターンアラウンドに従事、ベトナム Hotdeal、
タイ Tarad.com、Linkshare のCOO等を歴任。
2018年、ジャカルタでECリテール・EC運営代行を行う PT. Transcosmos Commerce
を立ち上げ、代表取締役に就任。「売れるECリテール」「リピータで評価されるEC」
を標榜してLifestyle, Home, Health に特化し、営業開始後 24ヶ月で
最初の単月黒字を達成、その後も順調に推移。
バックパッカー時代は、陸路国境越え・ローカルフードをテーマに
北朝鮮・リビア・グリーンランド等80数ヶ国を歩く。アウェイ環境
での生き残り方・好意の引き出し方を学んだほか、二項対立ではな
く立体的に相対化する習慣が身についたという。

~ECの未来 チャンネルMC~

柳田 敏正(ヤナギダ トシマサ)氏
株式会社柳田織物&
代表取締役

1971年4月生まれ。
1994年法政大学卒業後、(株)バーニーズジャパン入社、横浜店にてメンズ全般の接客に従事。
1999年退社し(株)柳田織物に入社。
2002年オリジナルのシャツを販売する自社ECサイト「ozie」を開設し、BtoCへ進出。
2011年にOSMC(オンラインショップマスターズクラブ)最優秀実践者賞受賞。
2012年第4回エビス大賞 大賞受賞。
2013年4月代表取締役に就任。
2014年、六本木一丁目にショールームをオープン。
EC4店舗を運営。

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