広告に頼らずに、もっと売り上げを立てたいので、過去に買ってくれたお客様に再購入してほしい・・・そんな思いをもつEC事業者は多いのではないでしょうか?
そこでよく用いられるのが「CRM」という顧客管理の手法です。今回はメリット・デメリットや成功事例について解説します。
目次
CRM(顧客管理)についてとMAとの違い
CRM(Customer Relationship Management)とは、既存顧客との関係を深め、リピーターを増やすことで売上を拡大する手法のことです。「顧客管理」「顧客関係管理」とも呼ばれます。
既存顧客の満足度を高めて、リピーターを増やすことを目的としています。
顧客にアプローチするという意味で、MA(Marketing Automation)と意味を混同されやすいですが、
・MAのターゲットは見込み客(リード)
・CRMのターゲットは既存顧客
というように大きな違いがあります。
ECサイトの売上拡大にCRMが欠かせない理由
ECサイトの売上拡大にCRMが欠かせない最大の理由は「既存顧客の継続がないと、永遠に新規開拓だけをし続けることになる」からです。
せっかく商品を購入してもらっても、そのたびに顧客が離れてしまってはいつまでも売上は伸びません。
「コストをかけて顧客を獲得し、離れたらまた獲得する」という、まるでバケツに大きな穴が空いた状況に陥ってしまいます。
そんな状況を脱するには、顧客との関係性を深め、また商品を買ってもらうことで「顧客や売上の取りこぼしを防ぐ」ことが大切です。
そのためには、顧客にあわせてメルマガを配信したり、クーポンを送ったりするなど、きめ細やかなマーケティングが欠かせません。
そのような施策を効率的・効果的に行うために生まれたのが、CRMという手法です。
ECサイトのCRM活用でよくあるメリット3つ
顧客情報のスムーズな管理・共有
CRMを活用すれば、顧客一人ひとりの詳しい情報(年齢、住所、購入履歴など)を見える化して一元管理できます。
これにより、データの管理をより効率化したり、目的のデータに素早くアクセスすることが可能です。
また、顧客情報の共有も容易なため、部署間や他部署とのスムーズな連携を図れます。このようにCRMで顧客情報を管理・共有することで、社内全体の業務効率化が期待できます。
顧客に対するアプローチの最適化
集めた顧客情報をもとに、それぞれの顧客に対して最適なアプローチができるのがCRMの大きな魅力です。
・購入商品のカテゴリー
・購入したタイミング
・購入した回数
などで顧客を細かくセグメント(区分)したとします。
そのセグメントごとに刺さりやすいメルマガの内容を配信すれば、顧客満足度につながりリピート率の向上が期待できます。
このように、顧客にあわせてきめ細やかな対応ができ、効果的なマーケティング施策を打つことがCRMでは可能です。
顧客ニーズの把握・活用が容易
CRMを通じて顧客データを蓄積・分析すれば、顧客の属性やニーズなどを把握しやすくなります。
・新商品の開発
・品揃えの改善
・マーケティング施策の改善
などができるため、さらなる売上拡大を目指せます。
このようにCRMで得た情報を有効活用すれば、全体の施策をより良いものにできます。
一方で、もちろんメリットばかりではありません。
ECサイトのCRM活用でよくあるデメリット2つ
構築・運用にコストがかかる
CRMのシステム構築や運用には、どうしても時間や人手、費用などのコストを要します。
既存顧客との関係性を深めることにフォーカスしているため、
・そもそも顧客の集客があまりできていない
・商材のターゲット層が明確(複雑な分析が不要)
という場合、費用対効果が低くなってしまうことも。
カートシステムにCRMが含まれているなら別ですが、CRM単体では導入時の手間やコストが特にかかりやすいです。
そのため、「コストに比べて十分なリターンを得られるか」は事前によく検討するのがおすすめです。
運用が定着しないことがある
既存顧客にあわせて細かく施策を打つため、効果として実感できるまでに時間がかかる場合があります。
さらには、「どのようにセグメントすれば分からない」というように、CRMを使いこなすのがなかなか難しいことも。
短期的な成果を求めすぎると失敗しやすいので、長期的目線を持って「半年?1年」は地道に運用や検証を続けることがおすすめです。
また、サポートが強いベンダー(供給元)でないと、困ったことやトラブルが起きたときにスムーズに運用するのは難しいです。
価格が低い商材の場合、サポートが十分でないケースが多いため注意しましょう。
まとめ
CRMとは、既存顧客と関係を深めてリピーターを増やす手法です。
ECサイトの売上を伸ばすうえで、既存顧客をファン化し、商品をリピートしてもらうことはとても大切です。
ただしCRM単体で導入・運用をする場合、ランニングコストや手間などがかかりやすく、高い費用対効果を得るのは難しいおそれがありますが、CRMを内包した総合的なカートシステムなら、導入や連携がスムーズなうえ、運用もしやすく十分な成果を得やすいです。
CRMを実施する際は、カートの見直しも視野に入れたうえでぜひ検討を進めてみてください。