ECサイトはインターネット上で行われるため、実店舗に比べるとコストのリスクは低いと思われがちですが、店舗様の規模によっては莫大になることも。いかに削減するか、絶えず頭を悩ませている方もおられるのではないでしょうか。
今回は、ECサイトのコスト削減方法について具体策をご紹介していきます。コスト削減のアイデアに悩む方は、ぜひ参考にしてください。
ECで取り組みやすい5つのコスト削減方法
コスト削減は、ECサイトの利益を高めるために欠かせない要素です。
ECビジネスをシンプルに考えると、「売上を増やしコストを削る」という一言に集約されます。しかし事業者はついつい売上を高めるための集客施策や広告施策に注力しがちですが、いかにコストを削るのかを考えなければ、安定した事業成長は見込めません。
自社コンテンツの発信
ECの広告施策といえば、Web広告やSNS広告など外部サービスへの掲載が一般的ですが、年々Webの広告コストは上昇傾向にあり、コストの負担を考えると違った方法を検討しておく必要があります。
広告の代わりとして挙げられるのが、自社コンテンツになります。
自社でSNSやブログ、YouTubeなどのコンテンツを作成・配信することで集客やブランド認知の向上を目指します。
外部サービスの広告に比べると即効性はないものの、中・長期的にみれば自社コンテンツはコストもかからず、資産としてストックできます。
とくにSNSアカウントの運営はアイデア一つで高い集客効果を見込めるため、費用対効果が高い施策といえるでしょう。
決済プラットフォームの見直し
EC決済に欠かせない決済プラットフォームの見直しも、すぐにできるコスト削減方法です。
ECではクレジット決済やID決済など多彩な決済サービスが利用できますが、事業者はサービスを利用する際に決済手数料や販売手数料がコストとしてかかります。この手数料は決済プラットフォームによって利率が違っており、複数の決済サービスを一括導入することで手数料が割引になるプラットフォームも少なくありません。
例えば、現在導入している決済サービスを個別に契約している場合や、利率の高い決済プラットフォームがあればコスト削減のチャンスです。
わずかゼロコンマ数%の違いでも、販売点数が多いECにとっては大きな違いとなるのではないでしょうか。
配送サービスや物流オペレーションの見直し
ECでは商品を配送する配送サービスの存在も欠かせないものですので、さまざまな運送会社に委託している場合は、一度運送会社の担当者と運送コストについて相談してみましょう。
例えば、毎月一定の個数の配送を依頼することで配送料を割引してくれるケースや、配達エリアの見直しによりコスト削減することが可能です。
また、倉庫や在庫管理から配送、アフターサービスなどを担う物流アウトソーシングの導入もコスト削減につながります。
もちろん、現在の体制とコストの負担を比較して導入を検討するのが前提ですが、作業負担が軽減することで他の業務へ注力できる目に見えない部分のメリットも勘案しておくとよいでしょう。
データ管理システムの導入
ECでは顧客情報や商品情報、決済情報など膨大なデータを管理しなければなりません。
こうしたデータを一元的に管理し部署間をまたいで共有できるのがデータ管理システムです。
作業の効率化や一元化で生産性が高まり、作業負担を軽減できます。
例えば、部署間でデータの管理が別々に行われている、顧客データの登録をアナログに手作業で行っている、といった事業者は管理システムの導入による恩恵が大きいといえます。
短期的には管理システムの費用でコストが増えるように感じますが、長期的には作業効率や顧客満足度が高まり、利益を高めることができるでしょう。
チャットボットの導入
チャットボットは、自動のチャット機能を導入してユーザーの質問や取い合わせに24時間対応できる機能です。
ECでは顧客対応に割く時間やコストの負担が大きくなりがちです。しかしチャットボットを導入すれば、顧客への対応をオートメーション化でき、本当にオペレーターの対応が必要なときだけ人を割けばよくなります。
大量のオペレーターの確保が必要なくコストの削減ができるほか、顧客に対しても24時間体制で対応できるためサービスの質向上に役立つでしょう。
まとめ
新型コロナウィルス、ロシアのウクライナ侵攻の影響で半導体不足、原油価格の高騰、為替の変動で輸入依存の日本は大幅な物価高に見舞われており、物流業界も例外ではなく、大きな部分では資材、消耗品が大きな値上げが起こっています。
資材の高騰は、物流コストにダイレクトに響くため、決して無視できない大きな問題です。
現在のような厳しい状況の中、3PL(発送代行)の企業には、業務自体の改善と付加サービスの創出により、EC事業者の利益拡大に寄与していくことが求められます。
ECビジネスで成功を収めるには、「売上を増やしコストを削る」というシンプルな考え方が基本となりますので、日頃から効率化や仕組み化を進め、コストの削減につなげていきましょう。