自分で商品を仕入れて、ネットショップで販売するのは一昔前であれば難儀しましたが、いまや商品の仕入れやネットショップの運営は、ネットのサービスが広まったことで誰でもできる時代になりました。
とはいえ、闇雲に商品の仕入販売を進めても、在庫リスクなど後々で困ることが増える可能性があるでしょう。
今回はネットショップで仕入販売するにあたり必要な準備などを解説します。
目次
商品を仕入れてネットで販売すれば新たな収入源に
インターネット上での商品販売は、個人・法人に限らず、誰でも行えるため、多くの会社員や主婦が追加の収入源としてオンラインショップを開設しています。オンラインでの買い物が日常化するにつれて、その数は増加傾向にあります。
例えば、BASEやSTORESのような無料でオンラインストアを設立できるプラットフォームは、BASEでは170万の店舗が存在し、STORESは毎月1万店舗ずつ成長しています。市場が拡大するにつれ、オンラインショップの数も増えているのです。
しかし、競争が激しいため、成功するオンラインショップを作るのは難しくなっています。効果的な運営戦略を事前に計画し、準備することが大切です。
仕入れ販売のメリット・デメリット
インターネットを通じて商品を仕入れて販売する最大の利点は、実際の店舗に比べて資金的なハードルが低いことです。これにより、事業を開始するのが容易になります。
ただし、この低い敷居が原因で競合が多くなるため、オンラインショップを成功させるためには、事前の準備と計画 に取り組むことで、競争の激しい市場での生存と成長が可能になります。
メリット
- 店舗と比べて開業資金を抑えられる
- 固定費が安い
- 商品の仕入れ先が複数ある
- 多くの在庫を抱える必要がない
- 収入を増やすことができる
- 少ない時間でも実施できる
- いつでも止めることができる
個人でも少ない資金とパソコンのみで開業できます。ネットを使って商品を仕入れをすれば、より少ない時間で仕入れが可能で、順調に販売することができれば、収入を増やせられるでしょう。
デメリット
- 競合が多い
- 梱包作業が発生する
- ユーザーの問い合わせ対応が必要
- 学習が必要
- 商品によっては在庫を保管する場所が必要
- 赤字になる可能性も
ネット販売が始めやすいことは、他者にとっても同様で強豪が多いことはネックです。さらに、売れる商品の選定や仕入れのコツを身につける必要があります。
商品の大きさの都合上、自宅で保管が難しい場合は、有料の倉庫のレンタルが必要です。
闇雲に商品を仕入れても商品が売れずに在庫が残り、場合によっては赤字になる可能性もあるでしょう。
梱包や発送作業に手間をかけたくない方は、業者に依頼する方法があります。
例えばamazonの「フルフィルメント by Amazon (FBA)」を使えば、月額4,900円と販売手数料をamazonに支払うだけで、保管、梱包、発送の全てを対応してくれます。
ネットで仕入れ販売で必要な準備
ネットで仕入販売に必要な準備や手続きは、商品仕入れ、ネットショップの作成が中心になります。
新品の衣類、アクセサリー、雑貨の販売に許可は不要、お酒や医薬品は許可が必要です。
また、中古品を販売する場合は、古物商免許が必要ですので注意してください。
準備する内容
機器
・パソコン、撮影用の機器(カメラ・スマホ)
商品の仕入れ
・ネットや問屋などから仕入れ
ネットショップの手配や作成
・ネットショップ契約手続き
・撮影、商品登録、ページ制作
許可
・古物商免許(中古品を扱う場合)
申請
・開業届(青色申告したい場合)
資金
・商品仕入れ代金(掛け率:アパレル・アクセサリー50~60%)
・送料(ポスト投函:ゆうメール180円、宅配便60サイズ:飛脚宅配便880*円)
・ネットショップ初期費用0円(BASE、カラーミーショップのフリープランなど)
*金額の表記は税込み
主に必要な資金は商品の仕入れ代金です。
仕入れる値段の設定は、商材によって異なります。
例えば、卸売から仕入れでは、衣類は60%、食品は70%が一般的です。
商品の送料は、宅配業者によって異なりますので、このあたりも調査が必要です。
販売予定数分の費用を運転資金として用意しておきましょう。
仕入れの方法
商品を仕入れ方法は、どんな商品をどれだけ売りたいかによって検討します。
まずは、種類が豊富で取引がしやすくて最も便利なネット経由の仕入れを中心に探してみましょう。
例えば展示会では、様々なメーカーが出店して、商品を紹介しています。
法人向けが多いですが、個人事業主でも取引可能なメーカーも存在します。
OEMは自身のブランド名を決められた商品に名入れする商品を製造してくれます。
オリジナル商品のため、仕入れのコストが高いです。
問屋やリサイクルショップは、実店舗に足を運び仕入れします。
ドロップシッピングとは、自身で在庫を持たずに、注文が入った時に、メーカーや卸売業者から顧客へ商品を直接発送するサービスです。在庫を持たない代わりに、商品の独自性が乏しく競合が多いことです。
ネットの代表的な仕入れサイト
ネットの仕入れサイトを紹介します。ここでは、商品のジャンルや数が豊富な大手のサイト、衣類の専門サイト、美容健康のサイト、食品のサイトを紹介します。
・NETSEA(ネッシー)
・スーパーデリバリー
・卸の達人
・シイレル
・orosy(オロシー)
・TOPWHOLE(トップホール)
展示会
展示会は通年、国内の各地で開催されています。主に法人を相手にした展示会が多いですが、メーカーによっては個人でも仕入れが可能です。
全国各地で開催されている展示会の詳しい情報はJETRO(日本貿易振興機構)をご覧ください。
海外のネット
海外のネットからの仕入れは、日本にはあまり売っていない商品が販売されており、他サイトとの差別化ができます。
さらに、同じような仕様の商品でも海外だと低価格で販売されていることもあります。そのため、低コストで輸入することで、利益を出していくことも可能です。
デメリットは低品質な商品もあり、不良品が発生する可能性があります。
不良品であっても交換が難しい取引もあるため、あらかじめ見積もっておきましょう。
また個人間取引になると言葉が通じないことが多いため、代行業者に依頼をすることも視野に入れておくのがよいでしょう。
・タオバオ
・Amazon(アメリカ)
・CHINAMART(チャイナマート)
・天猫(Tmall)
問屋街
問屋街のお店は卸売りのみですが、店舗によっては、取引に応じてくれます。
ただ、最近はネットで卸売りする業者が多いため、問屋街で販売している商品に目新しさは期待できないかもしれません。どちらかというと情報収集が主になるでしょう。
ドロップシッピング
仕入れの費用、在庫管理が不要なため手軽にネットショップを開始しできる反面、商品が限られてくる、在庫切れ、価格交渉が難しい点もあります。
有名なサービスではTop seller、卸の達人があります。
OEM
OEMはオリジナルの商品を製造するため、差別化をはかれます。
ただし、発注するまでの手間や知識、ある程度のロットが必要になるため、通常の仕入れよりも費用が必要になります。
個人事業主にとっては、仕入れの費用や販売の方法を考えると敷居が高いと言えます。
オリジナル商品を作る前に、どのような商品が売れるのかテストマーケティングを重ねることが売れ行きを伸ばすことにつながります。
ショップはASP型かモール型で
仕入れ商品を販売するためのネットショップの作成方法は、主にBASEやカラーミーなどのASPと、Amazonや楽天市場のようなモール型の2通りあります。
試しにネットショップを開始するなら、ASP型で作成するのがおすすめです。
初期費用が無料のサービスもあり、誰でも作成できるようなシステムになっています。
雑貨や衣類の販売に許可は不要
雑貨、衣類、アクセサリー、インテリアといったファッション系の商品については販売の許可は不要ですが、以下のものについては許可が必要です。
・中古品:古物商
・お酒:通信販売酒類小売業免許
・医薬品:実店舗を運営していないと販売できません。
・加工食品:自ら加工せず販売するだけなら不要。
詳しくはネットでの商品販売に必要な許可をご覧ください。
開業届けは青色申告のメリットあり
個人でネットショップを開業する場合、開業届を提出しないことによる罰則はありません。
とはいえ、出すことのメリットが多いです。
例えば、開業届を提出すれば確定申告の際に、「青色申告」を利用して控除を受けることで節税ができます。控除額は最大で所得から65万円です。
仕入れ販売のコツ
ネットショップを運営するには、費用や時間をかけてやる以上、売上は継続的に運営するためには必要です。
季節による需要は理解する
季節性が影響する商品を取り扱う場合は、仕入れ時期によって値段が異なる場合もあります。
例えば、夏にクリスマス商品を販売しても売れ行きが悪いため価格が安くなりやすく、衣類も季節性に影響を受けるでしょう。
流行をつかむ
流行は売れ行きに大きな影響を及ぼします。いまや流行の発信元はテレビだけではなく、インスタグラムからも生まれています。
それらのメディアを通じて、常にどんな商品が売れいているのかリサーチしていきましょう。
タイミングに合わせて販売すれば、売り上げが増えるはずです。
商品の価値はしっかり伝える
販売者が商品にかける思いは、ショップを通じてユーザーに伝わります。
商品の説明文、商品画像でいかに価値ある商品かを伝えて、ユーザーが欲しいと思ってもらえるよう働きかけましょう。
他社との差別化を意識する
あなたのショップで購入する動機は、他よりも優れている点が認められることが多いです。
他のショップを調査して、コンセプト、商品、価格、サービス面においてどこが差別化できる点か検討します。
差別化は、集客にも活かせるようになります。
需要と供給を把握する
ユーザーが求める需要に対して、ショップ側の供給が少ないことは競合も少ないケースが多いです。
もし、需要が大きいにもかかわらず、供給不足の状態であった場合は、売上が伸ばせる可能性がありますので、日頃から市場調査も必要です。
まとめ
個人でもうまく対応すれば稼げるネットショップの運営。
仕入れ販売は運営の鍵を握ると言っても過言ではありません。
もしネットショップの仕入れ販売についてお悩みの方は、一度サヴァリへご相談くださいませ。