LTVの普及に伴い、ひと昔前では腫れ物扱いだった返品はいまや、顧客満足度を高めるためと、次への購買につなぐためにユーザーからは比較的簡単に返品できるようにしている店舗が増えてきました。
そうはいっても想定よりも返品数が多く、工数を取られてしまい辟易される方も多いと思われます。
この返品数を削減することができれば、返品対応にかかっていた工数を販売促進などの前向きのアクションに振り向けることが可能になりますので、返品の発生する原因とその対策についてまとめたいと思います。
目次
LTVの普及に伴い、ひと昔前では腫れ物扱いだった返品はいまや、顧客満足度を高めるためと、次への購買につなぐためにユーザーからは比較的簡単に返品できるようにしている店舗が増えてきました。
そうはいっても想定よりも返品数が多く、工数を取られてしまい辟易される方も多いと思われます。
この返品数を削減することができれば、返品対応にかかっていた工数を販売促進などの前向きのアクションに振り向けることが可能になりますので、返品の発生する原因とその対策についてまとめたいと思います。
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商品を販売するEC店においては、どうしても返品は発生してしまうものです。
しかし返品の原因を知り対策を取ることによって、0とは言わないものを極力減らすことができます。
返品問題は放置しておくと個別の企業問題ではなく食品ロスなど社会問題となる可能性もあるので注意してください。
商品に問題はなく、別の要因で返品されることを「良品返品」と言いますが、下記が大きな原因として挙げられます。
カラーバリエーションやサイズなどを間違えたり、単純に品番を入力ミスしたりと店舗のミスで間違えてしまった。
聞き間違いや入力ミスなどで納品日を間違えてしまった。
ファッションなどに多い傾向で、ECサイトで見ていたのと実際の商品を目にするとイメージが違っていたり、サイズが合わない場合に返品するパターンです。
配送日の関係で、購入者が商品をなかなか受け取れないことから返送(返品)対応となるパターンです。
ほかにも購入者が住所の入力を間違えて入力したり、存在しない住所を入力した場合にも返送(返品)となります。
商品が仕様を満足しない不良品だったり、陳腐化したり、期限切れだったりする場合を「不良品返品」と言います。
製造段階で不良品を出してしまっても検査やチェックで検出できずユーザへ出荷されてしまった。
新製品がリリースされた段階で、旧製品が在庫として残ってしまった。
需要予測を間違ってしまい、売れ残りになってしまった。
贈答品として用意した詰め合わせが需要予測を間違ってしまい売れ残りになってしまった。
季節により販売が左右される商品が需要予測を間違ってしまい売れ残りになってしまった。
原因が発生する箇所は、商品を製造しているメーカ、小売店へ卸している卸、小売店、消費者、販売ページと多岐にわたるだけでなく、当事者が複数絡んでいる場合がありますので、原因分析する場合や対策とる場合には漏れないよう注意する必要があります。
販売促進と比べて返品対策は後ろ向きのアクションにとらわれがちですので、どうしても後回しになってしまいますが、返品により発生するコストはばかにならず、対策をおろそかにしてしまうと全体的な収益に響いてしまいますのでしっかり対応しましょう
返品に対応するコストは決して安くないため、返品の件数が削減されれば直接、収益にプラスとなりますから、大きなメリットと言えるでしょう。
お客様からすると返品の処理自体が手間ですので、この処理を削減することは不満に思うお客様を作らないことが重要です。
陳腐化や売れ残りによる返品を減らすことにより、在庫のための保管スペースを減らせられます。
返品の削減により返品対応にかかっていたリソースを販売促進などの前向きのアクションへ転化することができます。
このように返品を削減する対策は業務改善にもつながる施策になるだけではなく、副次的な効果として、販売に関わる様々な業務品質の向上と改善が成果として上がることでしょう。
返品が発生する原因に対して、削減する対策方法をまとめると以下の表のようになります。
BtoBの場合であれば、発注する商品は同じものを個数だけ変えて注文するパターンが多いので、注文履歴から商品を選んで個数を変更するだけで発注できるようにすれば、発注ミスを削減することができます。
BtoCの場合ならば商品の写真をバリエーション毎に用意したり、発注前にサイズの違いなど間違えやすい箇所を確認させたりするとよいでしょう。
担当営業が付いている場合では電話や口頭で注文を受け付ける場合がありますが、形式的なやり取りになってしまいモノが届いてから間違いに気づくパターンが多いので、電話や口頭による注文からWeb経由での発注に切り替えてもらいましょう。
リアル店舗では手に取ったり試着したりなどして商品を実際に確かめることができますが、ECサイトではパソコンやスマホのモニター越しでしか商品イメージがつかめませんので、イメージと実際に届いてみた商品を見たときに思い描いていた商品と違ったり、サイズが合わないということはよくあります。
少しでも削減するためには写真だけではなく動画や3Dモデルを使って商品イメージを伝えたり、サイズも通り一遍の数字だけではなく、スマホでサイズを計測してから最適なサイズをレコメンドしたりするといったような最新のIT技術を使った工夫も必要でしょう。
Amazonなどのモールではお届け日時の確認・指定や注文後の住所が簡単に変更可能ですが、ほとんどのECはお問い合わせしないとできなかったり、会員登録を行わないとできない所が多いです。
配送日の確認・変更や住所変更が簡単にできるようにECサイトをカスタマイズする必要があります。
自社で製造から行っている場合には品質目標を全社で共有して、設計・製造・検査でPDCAを回して品質向上させていきます。販売サイドは工場任せにすることなく、お客様の声をきちんとフィードバックして牽制する必要があります。
外部に委託している場合は品質に対する考え方や実際の体制を最初だけではなく継続確認する必要があります。また、書面だけでの確認だけではなく実際に製造現場を訪問して確認する必要があります。
新製品がリリースされるとそれまでの製品は旧製品となり、在庫があると返品されるか値引き販売となってしまい、収益に影響が出ることが考えられます。
とくにメーカーが新製品リリースの情報をぎりぎりまで開示していない場合は上記のような事態は容易に発生してしまいますので、これを防ぐにはメーカーが開発している新製品情報をある程度事前に卸や小売店と情報共有する必要がありますので事前に十分な打ち合わせが必要です。
経験と勘で需要予測を行うと欠品を怖れて多めの発注になってしまい、最終的に売れ残ってしまいメーカーへ返品ということになってしまいます。
こういった事態を避けるためにもPOSデータなどで需要の予測をデータに基づき行ったり、メーカーと卸、小売店で特売などのイベントを共有することにより需要予測を行い適正な在庫を持ったり、製造するロット単位を小さくして、販売状況を見ながら生産工程を立てることが重要です。
Recustomer Return&Cancel(リカスタマー リターンアンドキャンセル)は返品の管理はもちろん、返品・交換などを自動化することで返品数の削減だけでなく、お問合せ対応業務の削減や顧客体験の向上にもつながります。
unisize(ユニサイズ)は株式会社メイキップが提供する試着サポートサービスです。簡単なアンケートに答えるだけで最適なサイズを判定し、着用感をシルエットで表示してくれます。推奨される洋服サイズは国内外のブランド寸法と人体データに基づき採寸されるため、お客様にとって最適なサイズを割り出すことが可能です。
アパレルECサイトを運営している方には革新的なサービスです。
返品を削減するためだけに、返品ポリシーを厳しくすると顧客満足度が低くなり結果的に売上の低下につながります。
厳しくするよりも返品の原因を明らかにして、その原因に対応するほうが長期的に見てプラスになるでしょう。
ぜひ返品の削減と返品に関わる工数を削減してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
大山悠帆
ECマーケティング事業部マネージャー/コンテンツ編集担当/通販エキスパート資格
元システムエンジニア。BtoBからBtoC案件、動画制作スタッフとしてクライアントの売上改善や業務改善をサポート。
社内では営業改善、マーケティングを担当。多くのスキルと幅広い経験を活用してWEB業界に従事。
様々なジャンルにチャレンジしています。