今回ゲスト、合資会社 馬嶋屋菓子道具店 櫻井 裕 氏は、WEB統括責任者としてWEB事業全体の指揮とメディア戦略、商品企画など幅広く携わる。その傍ら、オリジナルデザインをステンレス板1枚から手作りするクッキー型仙人を兼務されていらっしゃいます。
櫻井氏に『ブランディング』についてお話をお伺いしました!
▽なぜブランディングが必要だったか
馬嶋屋は創業が1951年、74年やっています。戦後からバブルぐらいまでは和菓子の職人さんに対して木型、ボイラーや餅つき機などをずっと販売させていただいていました。バブル崩壊を迎えて和菓子屋さんが少なくなっていったところに、今の社長が、洋菓子との方とパン型を扱い始めて、商材の流れとしては継続して今に至るというところです。私が入社して10年になりますが、今年楽天市場への出店21周年を迎えるほどECは以前からやっていました。当時はECの出店ブームで売り上げを伸ばしていて、入社当時、すでにInstagramのフォロワーも、2万人を超えていました。さらに僕がもっとびっくりしたのは、すでにコト売りをやっていたのです。お菓子を作るための道具や型の使い方をお客様にお伝えさせていただくために、お菓子の作り方をお伝えするレシピ、道具の使い方をお伝えするレシピをコンテンツとしてInstagramに綺麗な写真を載せてやっていました。このレシピを作る在宅スタッフさんも審査で選ぶのですが、レシピのアイデアだけではなく、実際に写真が綺麗かどうかも審査項目に入れるほどの徹底ぶりでした。そんな僕の入社当時が、実は売り上げのピークでした。かっぱ橋に実店舗もあるのですが、当時はウナギの寝床みたいに細長い倉庫に機械がただ置いてあるようなお店で、和菓子屋さんも減って、洋菓子の方には切り替わってはいったのですがご来店も減ってきていました。インスタでは結構やり尽くしていて、ECへのアクセスもどんどん落ちていって危機感を覚えました。コンサルタントやSEO業者にも色々聞きましたが具体的な打ち手が見つかりませんでした。結局、お金かけてもう1回広告やりましょう、SEOやりましょう、コンテンツやりましょう、とやっていたのですが、僕の商売感からしても、少し違う気がしたんです。そうこうしているうちにコロナ禍となりました。
▽店舗リニューアルとブランディングのはじめ
コロナが来たのが2019年の冬から2020年初めあたりだったと思いますが、かっぱ橋のお店を全面建て替えのリニューアルをしました。それに合わせてお店のコンセプト、建物の方のコンセプトを、しっかりデザインも組んでやりました。これを機に自分たちのやっていることを見直そうということで、初めて自分たちの言葉として「ブランディング」が出てきました。2019年の9月、店舗がリニューアルオープンしたと同時に、そのブランディングをしたものを実際に行動に移していく流れとなりました。まず、市場動向の見直しをしました。アクセスが落ちた原因はおそらく市場の変化がひとつあるだろうと考えました。ライバルの参入です。大手のお菓子作りの材料を販売している店や、上場ラッピング用品の店などが道具の販売にも参入をして競合が増えました。それ以外にも、キッチン用品の店やホームセンター、スーパー、100円均一の店も、コロナで顕著でしたがコーナーを広げて、プロが扱う道具の劣化版を出してきました。そんな中、馬嶋屋にできることは何かを見つめ直したときに、お菓子形を長く販売し続けているという経験と専門知識、もうこれしかないと考えました。ライバル店は基本的にメイン商材があって、ついでにお菓子型を販売しているので、道具の方には絶対特化できないと。自分たちはずっと道具を販売してきたので、そこに特化しよう決めたことです。それからターゲットの選定です。一般の方がお菓子を作る機会はバレンタインやクリスマスなどに限られます。またコロナ禍ではお菓子作りがブームになって、2015年以来の売り上げの山がネットの方では来たんですが、コロナが明けると外に観光に行くようになって、なかなか難しい状況でした。このように一般のお客様向けの商売は外部要因にすごく左右されてしまうということで、一般客以外にターゲットを絞ることを決めました。パティシエや和菓子職人、パン屋、そういった方をターゲットに設定し直してメッセージを伝えていこうと決めました。自分たちの思いとしては、お菓子作りを結構熱い気持ちでやっている方がターゲットで、一般の方でも週に3、4回お菓子を作るお客様も当然ターゲットにはなってきます。ターゲットに伝えるメッセージは『お菓子作りの喜びをかたどる』。お菓子作りの喜びは、実際作る喜びもありますし、それをご購入いただいた方、販売されている方が喜ぶ、というのも含めて、型に徹底的にこだわって、メッセージを届けたいと思っています。
この他にも盛りだくさん、『ブランディング』について公開しています!
ブランディングで悩んでおられる企業様のご参考になるかと思います!
それでは櫻井氏流『ブランディング』についてぜひお楽しみください!
~第317回 ゲスト~
櫻井 裕 氏
合資会社 馬嶋屋菓子道具店
WEB統括責任者・副社長
2015年 合資会社 馬嶋屋菓子道具店に入社。WEB統括責任者としてWEB事業全体の指揮とメディア戦略、商品企画など幅広く携わる。
その傍ら、クッキー型が好きすぎてお客様からご依頼のオリジナルデザインをステンレス板1枚から手作りするクッキー型仙人を兼務。
EC運営に役立つ資料が満載!

EC運営に役立つセミナーを毎月開催中!

当社のEC運営代行サービスについて
