【教えたくない】オムニチャネルは顧客のため!ECだけ・リアルだけでは生き残れない理由【ネットショップ】

EC戦略・マネージメント編

今回ゲスト、株式会社フューチャーショップ 安原 貴之 氏は、2011年にフューチャーショップへジョイン。現在はマーケティングとセールス部門の責任者を務められ、EC事業者様にfutureshopの魅力をお伝えていらっしゃいます。

安原氏に『オムニチャネル』についてお話をお伺いしました!

▽オムニチャネルの現状は?
弊社は2015〜2016年から「futureshop omni-channel」で実店舗とECのポイント共通化をする会員統合サービスを提供しています。オムニチャネルという言葉が出てきたのもその頃からで、当初はアパレルファッションのお客様がほぼ100%でした。多くのアパレルファッションのお客様が実店舗とECをしており、大手のユニクロがポイント共通化サービスを始めると他の企業もやりたくなっていました。当初はポイント共通化により利便性をあげる目的で、実店舗とECを融合していく考えでしたが、実際は手法の話が多く、お客さんをどちらに送客するかという議論が多かったです。
どこで買っても同じ商品があり、同じ顧客体験や接客があるのが理想ですが、大きいブランドでも実店舗、EC、ブランドの担当者がそれぞれ別にいて、縦割りになっているケースが多いです。そうすると、実店舗とECとで接客もサービスも違う事態が起こります。本質的にいいサービス、顧客体験を提供していくために情報発信をしようとしますが、そこで障壁となったのは実店舗のお客様とデジタルでコミュニケーションができないということでした。
会員統合をして、お客様とのデジタルコミュニケーションの基盤を作るという発想で、実店舗のお客さんに「ポイントを統合すれば、実店舗でついたポイントをECでも使えます」と案内してメール登録を進めました。始めて4〜5年はほぼアパレルファッションのお客様でしたが、コロナが蔓延した2020年くらいからホビー系やペットショップなどそれ以外のお客様が増えました。一番増えたのは食品のお客様です。
アパレルファッションのお客様はコロナの時に如実に違いが出ました。実店舗が閉店していった時に、実店舗でしか買ったことがないお客様ともメールやLINEでコミュニケーションをする基盤があったので案内をするだけできてもらえました。いつ使うかわからないけどとりあえず買うという行動も生まれました。多くの人が実店舗のお客様とデジタルでコミュニケーションをする大切さに気づいてお問い合わせが増えました。コロナが終わった2020〜2024年で弊社のお客様が2倍以上増えました。140社弱に使ってもらっていますが、今もどんどん増えています。
ただ、王道コンテンツがあるアパレルファッションとは違い、食品のお客様はコンテンツを作っていないことが多く、結構苦戦している一面もあります。

▽ECと実店舗の間で議論になることとは?
オムニチャネルを提供していて議論にあがるのは、オムニチャネルを導入してECと実店舗、どちらの売り上げになるかということです。統合していくので、全体で見なくてはいけないのですが、まだまだ多くの会社でECと実店舗で売り上げを分けており、評価も分かれています。消費者の利便性が上がり、顧客満足度が上がれば売上が上がると考え提案していますが、社内の事情が障壁になって次の施策ができないお客様が多くてもったいなく思っています。
システムの導入も重要ですが、内部の制度設計、特に重要なのは経営者が半ば強引でも号令をしっかりかけることです。うまくいっている企業はみんなが従って取り組み成果が上がります。しかし経営者が離れると、新しい取り組みをするときに部分最適が始まることもあります。
例えば、店頭受け取りサービスで問題になりがちなのが、店頭のスタッフが「ECの売り上げになるのに店舗側の負担になる」という感覚になったり、店頭払いになった時に「EC側は在庫を取られるだけ」という感覚になりかねません。この辺をしっかりしておかないと、揉めるまではいかずともスタッフの不満になります。

▽ECと実店舗の連携のコツは?
システムを導入するだけではうまくいかず、正解は自分たちで作るしかありません。現場だけでは難しいので、経営者がしっかりと制度設計をすることが必要です。
futureshopのお客様の70代くらいの社長さんが勉強熱心で、会社は顕著に伸びています。社長ならではの目線もあり、日々の数字も見て毎日管理をするので売上が上がっています。学ぶ姿勢は何歳になっても非常に大切だということを感じました。会社の制度設計について解決できている企業は伸びているのも共通点です。

このほかにも盛りだくさん、『オムニチャネル』について公開しています!
オムニチャネルをご検討中の企業様のご参考になるかと思います!
それでは、安原氏流『オムニチャンネル』、ぜひお楽しみください!

~第291回 ゲスト~

安原 貴之 氏
株式会社株式会社フューチャーショップ
取締役

新卒で受託開発を行う企業に入社し、エンジニアとして大手通信会社や自動車会社のシステム開発に従事。その後、2004年にオフショア開発拠点の開設に伴い上海へ駐在し、現地法人の責任者として6年間、日本からの開発業務を受託。
2010年に帰国後、2011年にフューチャーショップへジョイン。プロダクト企画やアライアンスを担当し、現在はマーケティングとセールス部門の責任者を務める。各種イベントやセミナーにも登壇し、EC事業者の皆さまにfutureshopの魅力を伝えている。

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