今知るべきDXの本当の成功事例とヤバいBtoBの現実【ネットショップ・EC】

EC戦略・マネージメント編

今回ゲスト、株式会社 Dai 取締役 COO 鵜飼 智史 氏は、BtoB-ECの第一人者として、黎明期からご活躍されており、Eコマースの展示会での特別講演やセミナー講師を務めるなど、企業の枠を超えて業界の健全な発展に貢献されています。

引き続き、鵜飼氏に『B2B(BtoB)EC』についてお伺いしました!

▽会社として良い方向に進むには?
B2B(BtoB)のECサイトの方と、営業マンの仲が悪いことがあります。営業マンの方々は自分のお客さんをECサイトに取られてしまうと思うそうです。しかし実際に営業マンの方に聞くと、繰り返し注文するような商品は、B2B(BtoB)のECサイトで注文してほしいと言います。ですので私たちは「本当にやりたい営業や商談だけしっかりやるのはどうですか?」という話をしながらECでの注文の量を増やしていくようにします。やはり営業マンの方も協力しないといけないと思います。

▽B2B(BtoB)のEコマースは何のためにやるのですか?
理由は2つあります。1つは“業務の効率化”です。アパレル系のお客様で、創業140年くらいの会社様が全部FAXでやっていましたが、前回のEDIの話のように、そこはあまり困っていません。1社ずつの売上はそんなに多い訳ではありませんが、そこはパイがあるので、人が張り付いたり、紙で対応したりしています。在庫の確認をFAXで「在庫ありますか?」と聞くと、「在庫ありますよ」とFAXで返ってきます。そしてまた注文がFAXで来て、またFAXで返してと、1日中FAXのやりとりをやっていました。発注する方も受ける方も、お互いFAXのやりとりが面倒くさいと思いながらも、現状を変えたくないのです。またFAXのやり取りで終わりではなく、その内容を社内のシステムに手入力しなければいけません。そのため経理ミスに繋がったりすることがあります。しかしB2B(BtoB)のECサイトを使うと、注文がデジタルで入ってくるので、後の処理も簡単になります。アナログの時と私たちのサービスを導入した時と比べると、1/10くらい作業が楽になったと聞きます。
あともう1つは“売上アップ”が期待できます。実際私たちのお客様でも0から始めて月商5,611万円という事例もあります。
最近、DX系のイベントに参加したのですが、そこで「1社依存率を5%以下に下げましょう」という話がありました。要するに1社に依存しないということです。依存することで、賃上げがあった場合、そのしわ寄せがサプライチェーンや下請けに及んできます。そうなってくると、不利な条件でも請けざるを得ません。私はそのマインドは良くないと思っています。下請けが悪い訳ではなく、下請け気質になってしまう状況がだめだと思っています。そうなると良い商品・良い販売・良いプロモーションにする思考にはなりづらいと思うので、私たちのB2B(BtoB)のECの中でもEコマースを文脈にやっていくと、お客様を増やし、1社依存率を下げていく効果があるので、自分たちでハンドルを持って経営していくという形に変化していきます。

▽自分たちの意思決定で売れていくと、マインド的にもいいですよね。
DXとよく言いますが、ベンダー様含めデジタル化のことを“DX”と言っている方が多いです。しかし本当に大切なのは「Dの“デジタル”とXの“トランスフォーメーション”ではXの方が大事なんだよ」とある方に教えていただきました。“デジタル”はキッカケにしか過ぎません。私たちのB2B(BtoB)ECは“デジタル”で販売して、自分たちで販売していく、というようなキッカケを経て会社の中で変わってくるのです。働いている方のマインドや、日々の仕事をやっていく流れも変わってきます。
とある雑貨屋さんの話ですが、雑貨が好きで入社したのに、実際は1日中紙の処理をします。そして今の業務を変えたくなくなるのです。しかしB2B(BtoB)のECを導入してやっていくと、人がやらなくていい事が段々分かってきますし、自分たちが楽になり、お客様のためになる、ということを実感していくとマインドが変化していきます。
私たちがやる事は、商品があった時に「こういう風にお客様に伝えた方がもっと喜んでいただけるんじゃないか?」とか「こういう風に販売方法を工夫してみよう」と提案することです。楽しみながら仕事しているのと、文句を言いながら仕事しているのは全然違います。
生産性を考えた時にDも必要なのですが、Xの意識を変えていきながらお仕事していくことが大切です。私たちはそういうところをご支援させていただいていると思っています。

B2B(BtoB)のアナログ体制をデジタル化したい企業様のご参考になるかと思います!
それでは鵜飼氏流『B2B(BtoB)EC』についてぜひお楽しみください!

~第272回 ゲスト~

鵜飼 智史 氏
株式会社 Dai
取締役 COO

BtoB ECの第一人者として黎明期より活躍。
Eコマースの展示会で特別講演やセミナー講師を務めながら、企業の枠を超えて業界の健全な発展に貢献している。また、「はたらくを変える」をミッションに、DXの推進とBtoB×SaaSの提供をおこなっている。
著書に「BtoB-ECの現状と将来展望2022」(インプレス)がある。

EC運営に役立つ資料が満載!

 

EC運営に役立つセミナーを毎月開催中!

 

当社のEC運営代行サービスについて

関連記事