BtoB領域のEC化がなんと40%?真実を教えます。現状、課題とWEB移行の戦略

EC戦略・マネージメント編

今回ゲスト、株式会社 Dai 取締役 COO 鵜飼 智史 氏は、BtoB-ECの第一人者として、黎明期からご活躍されており、Eコマースの展示会での特別講演やセミナー講師を務めるなど、企業の枠を超えて業界の健全な発展に貢献されています。

鵜飼氏に『B2B(BtoB)EC』についてお伺いしました!

▽B2B(BtoB)ECは伸びていますか?

最新のデータでは“ECの市場の規模”と“EC化率”が経産省から毎年出ています。ECの規模は465兆円、B2C(BtoC)のEC化率が25兆円くらいです。B2C(BtoC)のEC化率が大体10%弱、B2B(BtoB)が40%で4倍ちょっとくらいです。Amazon、楽天、Yahoo全部合わせて10%弱くらいで、B2B(BtoB)ではいきなり40%というのは驚きますが、それでチャンスがあると考える方が今すごく増えています。
しかし、元々B2B(BtoB)はインターネットができる前から電子化が進んでおり、大きく分けて3つぐらいに分類分け出来ると思います。EDIと呼ばれるものが一番パイとしては大きく、経産省のレポートには「正規の金額が確認できるもの」という定義があり、金額ベースでいうとEDIは大手さんが使っているので、どうしてもEC化率が上がってしまいます。しかし、実際は毎日紙やFAXなど、ほとんどの方が手作業でやっている状況です。EDIは昔からありますが、それをちゃんと使える方は一部の方しかいません。
Amazonさんで見ると、EDIで販売はしていません。ですので、販売することを考えるとインターネットの技術になっていきますし、ここでも少し分類があると思っており、Web受発注システムと呼ばれるもので、業者さんがいつもお願いしているものをインターネットで受発注し、業務効率化させるだけのシステムもありますし、インターネットでプロモーションをやったり、新規のお客様を獲得したり、Eコマースによった仕組みというのもあると思います。私たちがやっているサービスは、Eコマースを軸にWebの受発注のようなこともやっています。

▽株式会社DAIの経歴は?

出版の事業からスタートした会社で、HPを作ったりしていました。ある時、業務用のシステムを作って欲しいと言われ、Eコマースをベースにした取引が出来るシステムを作り始めました。
B2B(BtoB)ECをやっている方は大昔からやっており、例えば“ASKUL(アスクル)”さんや“モノタロウ”さんがそうですが、インターネットを使って従来の販路ではカバーしきれない、人を介すると追いつかないようなところをシステマチックにするのを、中小企業でもやりたい会社さんが増えてきました。我々も今“Bカート”というサービスをやっているのですが、ASP・SaaSといわれるような形にしたのが2012年の4月でしたが、これが早すぎました。早すぎて最初の5年くらいは暗黒時代でしたが、コロナが決定打になりました。
やはりコロナ前はFAXの議論は大変でした。大変な中でも業務自体は成り立っていますし、この大変な仕事にアドレナリンが出てしまう側面もあり、本当に大変な仕事をされている方も未だに多いので、これを取られてしまうと自分の存在意義がなくなると感じるでしょう。尊重しながら、でも大変ですよねという話をして少しずつ広めていったというような経緯です。

▽B2B(BtoB)ECはB2C(BtoC)ECに近いですか?

かなり近いです。コロナ禍では、衛生用品を販売する会社様が増えた時期があり、衛生用品を販売していこうとすると、医療卸しさんにどうやって取り扱ってもらってもらうかという話なんですが、公衆衛生のような文脈になると、オフィスもあれば飲食店もあり、色んな方に販売していかなければいけないので、これをどうやって開拓していくのかという問題が出てきます。その時にそれこそ「マスク仕入れなど」を調べたり、インターネットを使って取引先を探すという行為が普通に起こっているので、そういう開拓の仕方というのはEコマースならではのものだと思います。

▽B2B(BtoB)のSEOは難しいですか?

私のお客様は、2024年の今「B2B(BtoB)のSEOはまだまだ簡単」とおっしゃいます。圧倒的にやっている人が少ないですし、B2C(BtoC)と比べて全然やり切っていません。B2B(BtoB)のECサイトを立ち上げて力尽きてしまう方も多いので、検索ワードによりますが、私たちのお客様で独占しているような所もあるので、まだまだ可能性はあると思います。

B2B(BtoB)のアナログ体制をデジタル化したい企業様のご参考になるかと思います!
それでは鵜飼氏流『B2B(BtoB)EC』についてぜひお楽しみください!

~第271回 ゲスト~

鵜飼 智史 氏
株式会社 Dai
取締役 COO

BtoB ECの第一人者として黎明期より活躍。
Eコマースの展示会で特別講演やセミナー講師を務めながら、企業の枠を超えて業界の健全な発展に貢献している。また、「はたらくを変える」をミッションに、DXの推進とBtoB×SaaSの提供をおこなっている。
著書に「BtoB-ECの現状と将来展望2022」(インプレス)がある。

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