読まれる情報発信のコツ!母の日に洋蘭を売るサイバー農家のEC情報戦略【episode168】

店長編

今回ゲスト、有限会社宮川洋蘭 宮川将人氏は、
2007年ネットショップ「森水木のラン屋さん」をオープンされ、
楽天市場ショップオブザイヤー2017 CSR賞受賞。また地域課題解決を目指して始めた農家ハンターではテレビ番組『情熱大陸』にご出演されています。

宮川氏に『サイバー農家の情報発信のコツ』についてお伺いしました!

▽サイバー農家とは何でしょうか?

僕らも汗水垂らして一生懸命農業やってますけど、誰がどこで買ってどんなシーンで喜ばれたとか全然わからなくて、出荷したら終わりなんです。
ありがとうが聞こえるBtoCを農家が田舎でやるにはネットなんだと、アメリカの修行時代に感じまして、サイバー農家としてやっていこうと決意したんです。

▽買っていただいた人の声や反応は、日本とアメリカでは違うんですか?

自分の生産物に対して、売る所まですごく努力してる農家が多かったですね。
僕のアメリカの師匠は、奈良から1人でアメリカに渡ってバラで世界一、菊で世界一。
そして65歳からネットも駆使して蘭を始めて世界一という方なんですね。
そんな人の背中を見てたから、僕も日本で一旗揚げたいなと思うようになりました。

▽色々ご苦労もあったと思うんですが

すごく大切にしているのは情報発信です。
サイバー農家として心がけている事は、自分がどんな人間でどんな思いで商品を作り、そして皆さんにどうなって欲しいのかという事を意識して情報発信しています。

▽そもそも何でアメリカだったのでしょうか?

高校3年生で初めて短期留学したんですが、海外の面白さにはまって学生時代はバックパッカーにあけくれていました。
蘭の花はアメリカ、ヨーロッパ、台湾が主産国でもあるので、直接英語で喋って人とつながれるビジネスを作り、組み立てていきたいなという思いがありました。

▽帰国後、最初に出店されたのが楽天ですが、情報発信では何に気をつけましたか?

当時、同じ生産者でネットをやってる人はいないし相談できる仲間もいなかった。
最初の2年間の稼ぎは月10万円ぐらいでしたね。
2009年の10月10日に長男が誕生したんですよ。
嬉しさもあって妻と赤ちゃんの写真をメルマガに載せて送ったら今でいうバズったというか、売上が一気にその月から10倍位になったんです。
メルマガで喜ばれたという事に対してすごく手応えを感じたので顔も出して自分達の言葉でメッセージも出す様にしたら、さらに喜ばれるというプラスのスパイラルに入っていきました。
もう1つ、2012年に母の日総合ランキングで1位という大事件があったんです。
ある先輩農家の方が引退するからと、僕に花を託してくださって。
しかし、その蘭の花を母の日用に作ると言ったら、皆がすごく反対したんですよ。
そして結果は、反対を押し切って2年間かけて育てたんですけど大失敗に終わりました。
でも僕はその蘭が大好きだし、それを伝えたいという気持ちで一生懸命育てたら、3年後にすごくいい花が咲いたんですね。
それでこの話を先輩にしたら「お前何でその話を人にせんのや」って。
「失敗したけどお前が頑張ってる姿こそは、他の人も多分聞きたい話だぞ」って言ってくれて。
それでその日のうちに自分の思いを入れた動画を作ったんですよ。
その動画がUPされた翌日の転換率がほぼ30%だったんです。
その時目標だった1,000万円が一気に5,000万円超えたんですね。

▽在庫は足りましたか?

仲間が分けてくれて対応できました。
でも大変だったのが受注体制です。
僕と妻とで一生懸命対応したけど、母の日は遅らせられない。
3日くらい徹夜しました。
ようやく出荷できたと思ったら2重発送で2個届いてたりして、3週間は電話とメールが沢山きてお叱りを受けました。
謝り倒して返金して、とにかく精一杯できる事をしましたが、ホッとした瞬間に倒れて僕の心臓がダメになってしまったんです。
その時起こしてもらったのがAEDなんですがそれがなかったら僕は今立ってない。
ちょうど2人目の子供が妻のお腹にいて、今振り返ると足るを知らなかったんですね。

▽稼がないといけないけど働き過ぎはよくないですね

完全に死んだなっていう経験をしたので、それからは人の為になる事がしたいと思って熊本ではサイバー農家塾を開催してきました。
失敗してなかったら多分しょうもない人間になっていたと思います。
下手したら死んでるかもしれない、そんな確率が一番高いですね。

この他にももりだくさん、サイバー農家の情報発信のコツについて公開しています。
それでは、宮川氏流「サイバー農家の情報発信のコツ」についてぜひお楽しみください!

~第168回 ゲスト~

宮川 将人氏
有限会社宮川洋蘭

1978年、三代目の花農家として熊本県戸馳島で生まれる。学生時代一人旅に夢中になり卒業後はアメリカで2年間の花修行。師匠アンディ松井の「成功の反対は失敗ではなく、何もしないこと」の言葉を胸に帰島し宮川洋蘭に入社。
2007年結婚を機に妻とネットSHOP「森水木のラン屋さん」をオープン。ようやく軌道に乗るも34歳の時過労で倒れ、AEDで蘇生されてから価値観が一変。社会に必要とされる店舗作りに励み、楽天市場ショップオブザイヤー2017 CSR賞受賞。
さらに地域課題解決を目指して始めた農家ハンターでは情熱大陸に出演。信条「返事はYESかハイ」

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