ECサイトのコンバージョン率って?上げるための具体的なメソッド

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ECサイトの転換率(コンバージョン率)を上げる方法とは?

ECサイト運営を運営するにあたって必ずチェックしておきたい要素、それが「コンバージョン率(CVR)」。
この記事では「今までコンバージョン率を意識したことがなかった」という方や「コンバージョン率が低くて困っているけれど改善方法が分からない」とお悩みの方の疑問にしっかり答えていきます。

 

コンバージョン(CV)・コンバージョン率(CVR)とは

コンバージョン(CV)とは本来「転換」や「改装」を意味する単語です。
しかし、Webマーケティングにおいては資料請求や会員登録、商品の購入といった「成約」を指す言葉として用いられています。

コンバージョン率(CVR)とは、サイトに訪れたユーザーのうち、どれくらいがコンバージョンに至ったかを示す指標です。
どれだけ訪問ユーザー数が増えてもコンバージョン数が増えなければ意味がないため、WebマーケティングにおいてはCVRを上げることが第一の目標とされています。

 

コンバージョン率の計算方法

コンバージョン率は、CV数÷訪問ユーザー数×100 で計算されます。
例えば
・「月間1000人のユーザーが訪れるサイトで20人が商品を購入した」サイトA
・「月間2000人のユーザーが訪れるサイトで30人が商品を購入した」サイトB
がそれぞれあったとします。
サイトAのコンバージョン率は「20(CV数)÷1000(訪問数)×100=2」なので2%。
サイトBのコンバージョン率は「30(CV数)÷2000(訪問数)×100=1.5」なので1.5%と、サイトBの方がCV数は多いですが、サイトAの方がコンバージョン率が高いと分かります。

コンバージョン率は高くするに越したことはありませんが、まずは目標を設定するために、他のサイトや業界がどれくらいのコンバージョン率を持っているのかを知る必要があります。

 

業界の平均コンバージョン率

ECサイトにおける平均コンバージョン率は1%~3%の間だと言われています。

ただし業界ごとに平均コンバージョン率は変わり、Unbounce社の2021年発表の調査では、
リフォーム7.2%、不動産7.4%、医療7.4%、ビジネスサービス8.7%、広告8.8%、家族支援:9.0%、ソフトウェア9.5%、旅行11.9%、電子商取引12.9%、健康13.2%、イベント・レジャー13.4%、教育14.2%、法律14.5%、金融15.6%、エンタメ18.1%、飲食18.2% ……という結果が出ています。
比較的高額で意思決定に時間がかかるものはコンバージョン率が低く、娯楽に関わるエンタメや飲食などは高くなる傾向にあると言えるでしょう。
数値引用元:https://unbounce.com/conversion-benchmark-report

 

コンバージョン率が上がらない原因

コンバージョン率には、業界や情勢という要素に左右される面があると説明しました。
しかしECサイトや運営方法が原因でコンバージョン率が下がってしまうこともあります。

 

ECサイトの設計がターゲットに合っていない

スマートフォンの普及により多くの人へインターネット環境が行き渡ったことで、ECサイトは爆発的に増加しました。
数あるサイトの中で自社サイトを選んでもらうためには「ここには自分の求めるものがある」とユーザーに強く感じさせる必要があります。

そのために欠かせないのがターゲット層にフォーカスしたアプローチです。
ターゲット層を広く取り過ぎた結果、当たり障りのない、誰の心にも強く印象の残らないサイトになってしまっていないかを確認しましょう。

 

ユーザー視点のサイトじゃない

先ほども書いたようにECサイトは非常に多く存在しているため、ユーザーは少しでも不便さを感じたら他のショップへ行ってしまう可能性があります。
そうならないために、ユーザー視点で使いやすいサイト設計を心がけましょう。

ECサイトは商品を売るために存在しています。
しかし「商品を売りたい」という気持ちが全面に出ているECサイトでは、ユーザーの購買意欲を刺激するのは難しいのが現実です。
サイト全体のデザインやブランドカラーも大切な要素ですが、まずはユーザーがスムーズに商品ページまでアクセスでき、手軽な操作で購入できるようなサイト設計にしましょう。

 

カゴ落ちしている

サイトの構成がユーザー視点でない場合に発生しやすいのが「カゴ落ち」です。
カゴ落ちとはカートに商品を入れたのにそのままユーザーが離脱してしまうことを言います。

カゴ落ちの原因はいくつか考えられますが、大きいものとしては
・購入までのプロセスが煩雑
・商品ページから何ページ跨いでも決済できなくて面倒になった
・アカウント登録が億劫だったので別のサイトで買うことにした
・送料や手数料、消費税といった本体価格以外の費用が高いと感じられた

などが挙げられます。
これは非常に勿体ないため、積極的に防止策を取るようにしましょう。

 

広告のターゲティングがずれていて潜在顧客にリーチできていない

「広告を打っているのにCVの伸びが悪い」という場合は、広告が潜在顧客にリーチしていない可能性が高いです。
広告には種類ごとに向き不向きがあり、たとえばディスプレイ広告はサイトの認知度向上には役立ちますが購買には繋がりにくい面があります。
リスティング広告はキーワード選定が適切でなければ、クリック単価が安かったとしてもほとんど意味がありません。
広告の出し方を見直すことで、CVRがグッと向上する可能性があります。

コンバージョン率が低い=売っている商品が悪い……ということではありません。
あくまでその商品に魅力を感じるユーザーに情報が届いていないだけであり、その点を解決すればコンバージョン率は改善されていきます。
では、具体的にどのような方法を取ればコンバージョン率が上がるのでしょうか。

 

コンバージョン率を上げる具体的な方法

コンバージョン率を上げるためのアプローチには、大きく2つの方向性があります。
1つは「ECサイト運営の方向性を考え直す」こと。もう1つは「サイト構成を改善する」ことです。
それぞれ具体的にどういった方策を取れるのか見てみましょう。

 

ECサイト運営の方向性を考え直す

現在運用しているショップは、どんなユーザーに・どんな商品を買ってほしくて開いているのか。
その原点を考え直すと、意外な見落としに気づくことがあります。考え直す方法は以下の2つがあります。

 

ペルソナを設定する

ECサイト運用において大切なのは、ターゲットとなる顧客=ペルソナをしっかりと定めることです。
ペルソナが変わればサイト全体の雰囲気や構成、広告の出し方が変わるため、売上が伸び悩んでいる場合はここをしっかり確認するようにしましょう。

ペルソナを決める上で、特に大切にしたい項目は以下の3つです。
・年齢と性別
・趣味嗜好
・予算
高い年齢層に向けた商品を販売するならサイトは可能な限りシンプルな構成にすべきですし、予算の少ないユーザー向けの安価な商品を提供しているなら「格安」といったワードで広告を出せば効果が出やすいと言えます。

ただ漠然とコンバージョン率を改善しようとするのではなく、そのための方向性を定めるために、「どんなユーザーに訪問してほしいのか・そのユーザーはどうすれば満足するのか」を今一度じっくり考えてみましょう。

 

広告の打ち方を変える

ECサイトの集客数を伸ばすために欠かせない広告。
しかし広告には種類ごとにメリット・デメリットがあり、出せば必ず効果が出るとも限りません。

バナー広告を始めとするディスプレイ広告を出すなら、闇雲に表示させるのではなく、年齢や性別、地域といった要素で対象を絞り込みましょう。また、ディスプレイ広告は元々CVに繋がりにくいと言われていますので、認知度を上げるためのものだと割り切ってしまっても構いません。

リスティング広告は出稿にコストがかなりかかってしまうため、キーワードの選定を丁寧に行う必要があります。
解析ツールを使い、ユーザーがどんなキーワードでサイトに訪問しているのかを把握しておきましょう。
さらに検索エンジンを使って潜在的な需要があるワードを探すのも有効です。
検索ユーザーがある程度居るのに広告があまり出ていない、大手ECモールが上位表示されていないキーワードを見つけることができれば、そこに出稿しましょう。

 

サイト構成を改善する

サイトの構成で最も大切なのはユーザーが利用したいと思えることです。
例えば、見やすく使いやすいサイトや信頼性を感じられるサイトでユーザーは買い物をしたいと感じるはずです。
では、どういった要素があればユーザーに使いやすいと感じさせ、信頼してもらえるのでしょうか。

 

ユーザビリティの高いサイト設計にする

ユーザビリティ=使用性の高いサイト設計にすることが訪問ユーザーを離脱させないために最も重要だと言っても過言ではありません。

サイトの改善点を発見するためには、解析ツールを使い、どのページでユーザーが離脱しているのかを分析するのが有効です。
また、自分がユーザーとなってサイトトップから購入までのプロセスを辿っていくのも良い方法です。
その際は以下の点を特に注意するようにしましょう。

・サイトのトップページから商品ページまではすぐに辿り着けるか。
・スマートフォンからでも閲覧しやすいサイトになっているか。(閲覧環境ごとに見やすいページが表示されているか)
・検索機能は充実しているか。フリーキーワード検索だけでなく、サイズや色、カテゴリで絞り込めるようになっているか。
・購入のプロセスは煩雑ではないか。アカウント登録をせずとも購入可能か、決済方法は複数採用されているか。

特に決済方法の少なさはカゴ落ちの大きな原因になるため、利用ユーザー数が多いクレジットカード決済・コンビニ決済・現金代引きは最低限使えるようにしましょう。
若年層向けの商品を販売している場合は「Paypal」「Amazon Pay」といったスマホを使った決済サービスを導入するのも効果的です。

 

信頼性と透明性を重視する

オンラインでは商品の実物を確認できないため、ユーザーは購入に慎重になる傾向があります。
そんな時にユーザーが頼りにするのが他のユーザーによるレビューです。
ユーザーからのレビューは積極的に集めるようにしましょう。
たとえば「レビューを書くと割引クーポンをプレゼント」といった施策を取れば、レビューを投稿してくれるユーザーは増えるはずです。

また、購入の際には個人情報を入力する必要があるため、その点を不安に感じるユーザーも居ます。
SSL化証明書を導入することでユーザーの心理的ハードルを下げることが出来るでしょう。

さらに、ユーザーは権威性のあるものを信頼する傾向にあります。
クレジットカード決済に対応している場合は、LPや商品ページ等にそのマークを記載すると、ユーザーが信頼感を覚えてくれる場合があります。

信頼を持ってもらうためには透明性も担保しなければなりません。
商品本体以外に必要な料金(送料や消費税、手数料)は早い段階で明確に表記する、正確な配送日や追跡番号を告知するといった点を注意すれば、「知らないうちに料金が上乗せされている」「詐欺かもしれない」といったユーザーの不安を解消することができます。
商品を可能な限り早く届くように工夫するのも、信頼性を得るのに重要な点だと言えるでしょう。

 

商品画像・動画を工夫する

先ほども述べたように、商品を実際に確認できない分、ユーザーはそれ以外の情報で商品を購入するかどうかを判断します。
ユーザーレビュー以外の判断材料として、商品画像・動画が挙げられます。
色味やサイズ感が分かりやすい写真や、実際に使用している動画がたくさん掲載されていれば、それだけユーザーに自分が実際に商品を使っている様子を想像させることができます。

それによってユーザーの買いたい気持ちをより掻き立てることも可能です。
商品画像や動画がユーザーにとって分かりやすいか、魅力的に感じられるかは特に深くこだわるようにしましょう。

 

レコメンド・チャットボットを導入する

ECサイトにおいては従来の対面型ショップのような接客が出来ません。
そこで、代わりになるシステムを導入することでユーザーの購入体験の質を高めるようにしましょう。

その内の一つがレコメンドエンジン(おすすめ商品の紹介機能)です。
閲覧している商品のサイズ違いや異なるカラー、合わせて使うことでより効果的な商品を薦めることで、商品を探す手間を省かせることができ、クロスセル効果も期待できます。

それ以外に有効なのがチャットボットの導入です。
商品の探し方や決済についてといった、ユーザーが抱きやすい疑問に即座に回答できるため、離脱を防ぐことができます。
またチャットのログはデータとして蓄積されるため、そこからユーザーはどういった疑問を抱きやすいのかを分析し、サイト設計の改善にも役立てていくことも可能です。
ただしこちらは常に出したままにしていると邪魔だと感じるユーザーも居ることに注意が必要です。

 

まとめ

ここまで、コンバージョン率とは何なのか、そして下がってしまう原因やどうすれば上がるのかについて見てきました。
コンバージョン率が低いのは商品のせいではなく、サイトの構成や広告の打ち方に原因がある場合がほとんどです。
「このショップはどんなユーザーにどんな商品を届けたいのか」を考え、そのユーザーが買い物をしたくなるようなサイトを作ることで、コンバージョン率の向上が期待できるはずです。

 

 

 

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