GA4（Googleアナリティクス4）の登場により、新たなデータ分析の可能性が広がっています。特にEコマース事業者にとって、購買行動の詳細な分析が可能になったことは大きな利点です。

しかし、その一方で、GA4の新機能や設定方法を難しく感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、EC事業者向けに、GA4のEコマース計測をまとめました。

GA4のEコマースイベントとは

GA4のEコマースイベントは、オンラインショップにおけるユーザーの行動を詳細に分析するための機能です。たとえば、商品の閲覧、カートへの追加、購入といった行動パターンを記録し、データとして取得できます。

このデータを活用することで、ユーザーの購買傾向を把握し、マーケティング戦略の最適化に役立てることが可能です。

EC事業者向けのおすすめEコマースイベント

GA4では、EC事業者向けに様々なEコマースイベントが提供されています。
特におすすめのイベントは以下の4つです。

• view_item（商品閲覧）
• add_to_cart（カートへの追加）
• begin_checkout（購入手続きの開始）
• purchase（購入完了）

これらを設定することで、ユーザーが
・商品詳細を閲覧していない
・商品詳細を閲覧しているが、カートに追加していない
・商品をカートに追加しているが、購入していない

どの商品が
・商品詳細が閲覧されていない
・商品詳細は閲覧されているが、カートに追加されていない
・カートに追加されているが、購入されていない

など、各段階に分けた分析が行いやすくなります。

これらのイベントを設定することで、ユーザー行動をより細かく分析し、効果的なEコマース戦略の構築が可能になります。

データ計測に欠かせないdataLayer

dataLayer（データレイヤー）は、ウェブページ上の情報を収集し、GA4などの解析ツールに送信するための仕組みです。
JavaScriptオブジェクトとしてデータを一時的に保存し、ECサイトの売上やユーザー行動を正確に計測するために活用されます。

dataLayerを活用する際の注意点

Eコマースイベントの計測には、GA4とカートシステムの連携が必要になる場合があります。
ここで重要なのがdataLayerですが、すべてのカートシステムがdataLayerの設定に対応しているわけではありません。

一部のカートシステムではdataLayerの設定ができないケースもあるため、導入前に自社のECカートシステムがGA4と連携できるか確認しておきましょう。

dataLayerの記述とGTMの設定方法

dataLayer記述時の注意点

dataLayerはJavaScriptオブジェクトとしてHTMLに直接書き込まれるため、正しい文法で記述することが重要です。
文法ミスがあるとデータが正常に取得されません。

また、以下のようなパラメータを設定することで、ECサイトの詳細な情報を記録できます。

• transaction_id（決済ID）
• value（収益）
• currency（通貨）
• item_name（商品名）
• item_id（商品ID）

記述が曖昧だと正確な分析が難しくなるため、データの種類や構造を明確にしておきましょう。

GA4レポートの確認方法

GA4のレポートは、「収益化」のセクションで確認できます。

• 「レポート」→「収益化」→「概要」から、収益や購入数、平均購入額などの詳細データを確認可能
• 「eコマース購入数」では、アイテムの表示回数やカート追加数、購入数を把握できる

GA4のEコマースデータが反映されない場合の対処法

UAのトラッキングコードと混同していないか確認

GA4のEコマースイベントが正しく反映されない場合、UA（ユニバーサルアナリティクス）のトラッキングコードと混同している可能性があります。

GA4の測定ID（G- で始まる）とUAのトラッキングコード（UA- で始まる）を混在させないよう注意しましょう。

UAの実装コードにGA4用の処理を適用

UAで使用されているイベントをGA4向けに変換し、適切に送信する方法もありますが、GA4の将来的な仕様変更の影響を受ける可能性があるため、可能であれば新規にGA4の実装を行うことを推奨します。

まとめ

GA4のEコマース計測の基本を理解し、購買に近い一連の流れを計測できるようにするなど、EC事業者に最適なイベントを設定することで、どの段階でユーザーが離脱しているかなどの分析が行いやすくなります。

より精度の高いデータ分析を行うためにも適切なdataLayerの実装とGTMの設定を行い、正確なデータ収集を通じて、ECビジネスの成長を支えていきましょう。

この記事を書いた人

大山悠帆

ECマーケティング事業部マネージャー　コンサルタント/コンテンツ編集担当/通販エキスパート資格

元システムエンジニア。BtoBからBtoC案件、動画制作スタッフとしてクライアントの売上改善や業務改善をサポート。
社内では営業改善、マーケティングを担当。多くのスキルと幅広い経験を活用してWEB業界に従事。
様々なジャンルにチャレンジしています。

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