メタバースECに興味はあるけれど、どこから手をつければいいか分からない方も多いのではないでしょうか?
メタバースECは、従来のECとは異なる新しい形のECです。今回はこの新しい市場に参入することで、あなたのビジネスにどのようなメリットがあるのか、詳しくご紹介します。
メタバースECへの第一歩を踏み出すために、ぜひ参考になさってください。
目次
メタバースとは
メタバースとは、インターネット上に構築された仮想空間です。ユーザーはアバターを通じて活動し、他のユーザーとコミュニケーションを取ったり、仮想商品やサービスを売買したりできます。まるで現実世界にいるかのような没入感を味わえるのが特徴です。
MicrosoftやMetaなどの大手IT企業が次々と参入し、巨額の投資を行っています。メタバースは単なる遊び場ではなく、ビジネスや社会生活に大きな変革をもたらす可能性を秘めているため、各社は次世代プラットフォームの開発を進めています。
EC事業を展開する企業にとって、メタバースへの対応は重要な課題となるでしょう
メタバースECとは
メタバースEC(メタバースEコマース)は、多くの場合、バーチャルな3D空間で展開される電子商取引を意味します。
従来の2次元ECサイトとは異なり、没入感のある新しいショッピング体験を提供できる点が特徴です。以下、その特徴と市場規模について解説いたします。
特徴
メタバースECは、主に3Dグラフィックスを用いた仮想環境で展開されます。ユーザーは自身のアバターを操作し、商品を「手に取る」「実際に作ってみる」「産地を回ってみる」といった体験が可能です。
例えば、海産物を実際に海底まで見に行くなど、現実では難しい体験も提供します。
VRやAR技術を活用することで、従来のECサイトよりも臨場感あふれるショッピング体験を提供できる点が、メタバースECの大きな特徴です。
ユーザーは、まるで実際の店舗で買い物をしているかのような感覚で商品を吟味し、サービスによっては購入までをワンストップで完了できます。
市場規模
現時点では、メタバースECに特化した市場規模の調査結果はございませんが、メタバース全体の市場規模は急速に拡大しております。
矢野経済研究所の発表によりますと、2022年度の国内メタバース市場規模(プラットフォーム、コンテンツ・インフラ等、XR機器の合算値)は、前年度比173.6%の1,377億円に達しました。さらに、2023年度は同207.0%の2,851億円まで成長する見込みとのことです。
メタバース市場の拡大に伴い、メタバースECの市場規模も今後、大きく成長していくことが予想されます。
EC事業を展開する企業にとって、メタバースECへの対応は、競争力を維持するための重要な課題となるでしょう。
従来のECとの違い
メタバースECと従来のECには「次元」「コミュニケーション」「商品の検索方法」の3点で大きな違いがあります。それぞれの内容をまとめたものが下記の表です。
メタバースECと従来のECの違いは以下の通りです。
- 次元
- メタバースEC:主に3Dの仮想空間で展開
- 従来のEC:2Dのウェブサイト
- コミュニケーション
- メタバースEC:アバターを介して店員や他のユーザーとのリアルタイムな双方向コミュニケーションが可能
- 従来のEC:チャットやライブコマースなどの取り組みが進んでいるものの、まだ一方向的なコミュニケーションが主流
- 商品の検索方法
- メタバースEC:実際の店舗を歩くように、仮想空間内を移動しながら商品を探せる
- 従来のEC:ハンバーガーメニューや検索窓からの検索が一般的
メタバースECは、3D空間ならではの没入感や双方向のコミュニケーション、直感的な商品検索など、従来のECにはない新しい価値を提供できます。ユーザーに対し、今までにない楽しく満足度の高いショッピング体験をお届けできる施策といえるでしょう。
メタバースECのメリット
メタバースECには、企業にとって魅力的なメリットがあります。ここでは、具体的な3つのメリットについて解説します。
新規顧客の獲得が期待できる
モールのように店舗が立ち並ぶメタバース空間では、他の店舗へのついでに立ち寄れるため、新規顧客の獲得が期待できます。
また、メタバース自体の新規性や空間デザインに惹かれた新規顧客も見込めるため、実店舗に近い集客が狙えます。
例えば、BEAMSはメタバースECで40名を超える店舗スタッフがアバターで接客した結果、メタバースEC上の売上が想定を超えただけでなく、実店舗への送客にも成功しました。
高いコンバージョン率が見込める
メタバースECは、アバターを使った接客により実店舗に近い形で商品説明ができるため、購入率が高まる傾向にあります。
また、「実際の作業行程をバーチャルで体験する」「産地を回ってみる」などの体験で商品に愛着がわくことも、高いコンバージョン率につながっていると考えられます。
一般的なECのコンバージョン率は1〜3%程度です。
しかし、明太子で有名な「ふくや」など4社がコラボレーションしたメタバースECでは、コンバージョン率30%と約10倍もの成果を生み出しました。
新しい・リッチな購入体験を提供できる
メタバースECでは、バーチャル空間で商品を「体験」しながら購入を決定することが可能です。
ユーザーは自身のアバターを通じて商品を試着したり、実際に使用したような感覚を体験できたりするため、その商品が自身の生活にどのようにフィットするかを具体的にイメージできます。
また、商品のテーマに合わせた背景音楽やサウンドエフェクトなど、バーチャル空間ならではの演出により、商品の特性やブランドの世界観を引き立てることが可能となります。
これは従来のECでは難しかった体験価値の提供といえるでしょう。
メタバースECを構築する方法
メタバースECを構築する主な方法には、既存のメタバースECモールに出店する方法と、独自のメタバースECサイト・アプリを開発する方法の2つがあります。それぞれのメリットとデメリットを比較し、自社にとってどちらが適しているか検討してみてください。
まとめ
メタバースECは、独自の世界観演出や双方向のコミュニケーション、直感的な商品検索など、従来のECにはない新しい価値を提供できる事業です。
新規顧客の獲得、高いコンバージョン率、リッチな購入体験の提供といったメリットがあり、企業にとって大きな可能性を秘めています。
メタバースECへの関心が高まるなか、まずは気軽に参加できるメタバースECモール出店の検討から始めてみてはいかがでしょうか。
弊社はECに特化してマーケティングでの支援を行っております。
何かお困りの部分や気になることがあればお気軽にご連絡ください。